先週、Yindeedマガジンで初めてタイのお寺について書いた以下の記事が意外に好評だった。

タイで最高位の第一級王室寺院全6選!

そこで今回は、また違った切り口でタイのお寺をご紹介したい。
1782年にラーマ1世によって興されたバンコク王朝(チャクリー王朝、ラッタナーコーシン王朝)は、現在のラーマ9世(プミポン国王)を含めて9代の歴代の王が名を連ねている。
バンコク王朝歴代の王は、王室寺院の本堂に遺骨が安置されている。
今回は、ラーマ1世から8世までバンコク王朝歴代の王が安置されている王室寺院を8寺すべてご紹介しよう。

この記事の目次


ラーマ1世(プラバートソムデットプラ・プッタヨートファーチュラーローク王)

ワット・ポー

wat pho

アユタヤ王朝末期(1688~1703年)に建立されたといわれるバンコク最古にして最大の寺院。
本尊の台座にラーマ1世の遺骨が安置されている。

  • 正式名称:ワット・プラチェートゥポンウィモンマンカラーラーム=ラーチャウォーラマハーウィハーン
  • 格付け:第一級ラーチャウォーラマハーウィハーン
  • 所在地:バンコク プラナコーン区
  • 時間:8時〜18時 無休
  • 料金:100B
  • www.watpho.com
  • タイ政府観光庁HP
  • Wikipedia
ワット・ポー地図

ラーマ2世(プッタルートナーパーライ王)

ワット・アルン

wat arun

アユタヤ王朝時代に創建されたとされ、トンブリー王朝時代には王宮寺院として利用されていた由緒ある王室寺院。
トンブリー王朝時代には、ラオス・ビエンチャンから戦利品として持ち帰ったエメラルド仏が安置されていた。1782年にラーマ1世がトンブリー王朝タークシン王を討ち、バンコクへ遷都に伴いワット・プラケオ(エメラルド寺院)の建立。その後、エメラルド仏はラーマ2世によってワット・プラケオに迎えられた。
1820年、ラーマ2世によりヒンドゥー教の暁神アルーナの名を取り、ワット・アルンに改名された。以降ラーマ2世の個人的な保護を受け、ラーマ2世の菩提寺となった
本尊アルン仏の台座にラーマ2世の遺骨が安置されている。

  • 正式名称:ワット・アルンラーチャワラーラーム
  • 格付け:第一級ラーチャウォーラマハーウィハーン
  • 所在地:バンコクヤーイ区
  • 時間:8時〜17時半
  • 料金:50B
  • www.watarun.org
  • タイ政府観光庁HP
  • Wikipedia
ワット・アルン地図

ラーマ3世(ナンクラオ王)

ワット・ラーチャオーロサーラーム

wat ratchaorosotPhoto : wikimapia

アユタヤ王朝時代に建てられたと言われる歴史ある寺院。元々はワット・チョム・トン(Wat Chom Thong)という名称だったが、ラーマ2世によりワット・ラチャオーロット(Wat Ratcha-orot)へと改名された。ラチャ・オロットとは、「王の息子」を意味し、すなわちラーマ2世の息子であり、この寺院を改修したラーマ3世を指す。
ラーマ3世は中国様式の寺院を好み、この寺院も改修の際にはタイ様式と中国様式の折衷で造られた。本堂(ウボソット)と礼拝堂(ウィハーン)の屋根は、タイで初めてとなるタイの典型的な様式以外で造られたものだという。

  • 正式名称:ワット・ラーチャオーロサーラーム(ワット・ラチャオーロット)
  • 格付け:格付け:第一級ラーチャウォーラウィハーン
  • 所在地:バンコク トンブリー区
  • 時間:不明
  • 料金:無料
  • Wikipedia
ワット・ラチャオーロット地図

ラーマ4世(モンクット王)

ワット・ラチャプラディット

wat ratchapradit

深く仏教に帰依したラーマ4世が、仏教に則ったより厳しい戒律の実践を目指して興したタマユットニカーイ派のために、1864年に建立した寺院。本堂内の扉には、江戸時代に長崎から運ばれたとされる螺鈿や漆絵の装飾が施されており、日タイの交流史を知る上でも貴重な文化財でもある。日本のガイドブックにはほとんど紹介されることのない寺院だが、大理石で造られた本堂と仏塔、本堂内の壁画、そして扉の装飾は一見の価値がある。
本堂には、ラーマ4世の遺骨が安置されている。

  • 正式名称:ワット・プラディットサティットマハーシーマーラーム
  • 格付け:第一級ラーチャウォーラウィハーン
  • 所在地:バンコク プラナコーン区
  • 時間:8時〜18時
  • 料金:無料
  • 公式Facebook
ワット・ラチャプラディット地図

ラーマ5世(チュラーロンコーン大王)

ワット・ベンチャマボピット

wat benchamabophitPhoto : Wikipedia

西洋文化に精通したラーマ5世が、イタリアから建築家を招いて建立した寺院。屋根瓦以外のほとんどの建材に、イタリア産の大理石を使用しており、別名「大理石寺院」と呼ばれている。本堂の窓にはステンドグラスが使われるなどヨーロッパの影響を強く感じられる。世界で最も素晴らしい寺院のひとつとも評されているそうだ。
本尊の台座にラーマ5世の遺骨が安置されている。

  • 正式名称:ワット・ベンチャマボーピットドゥシットワナーラーム
  • 格付け:第一級ラーチャウォーラウィハーン
  • 所在地:バンコク ドゥシット区
  • 時間:8時半〜17時
  • 料金:20B
  • タイ政府観光庁HP
  • Wikipedia
ワット・ベンチャマボピット地図

ラーマ6世(ワチラーウット王)

ワット・プラ・パトム・チェディ

Phra Pathom Chedi

高さ120.45mの世界一高い仏塔プラ・パトム・チェディを抱えることで有名な寺院。
3世紀にインドのアショーカ王が建てた仏塔であると言われており、インドシナ半島に初めて仏教が伝来した地とされている。
礼拝堂内の立仏像台座にラーマ6世の遺骨が納められている。

  • 正式名称:ワット・プラ・パトム・チェディ
  • 格付け:第一級ラーチャウォーラマハーウィハーン
  • 所在地:ナコンパトム県
  • 時間:8時〜17時
  • 料金:60B
  • タイ国政府観光庁HP
  • Wikipedia
ワット・プラ・パトム・チェディ地図

 ラーマ7世(プラチャーティポック王)

ワット・ラチャボピット

wat ratchabhopit

1869年にラーマ5世により建立された寺院。5色の磁器で覆われた高さ46mもの黄金の仏塔とベルサイユ宮殿を模したと言われる豪華なシャンデリアが飾られたゴシック様式の本堂が見どころ。これほど美しい寺院にも関わらずガイドブックで紹介されることも少なく、観光客もまばら。ゆっくりとお寺を見て回りたい方に一押しの寺院である。
本尊の台座にラーマ7世とラーマ7世の王妃の遺骨が安置されている。

  • 正式名称:ワット・ラーチャボーピットマハーシーマーラーム
  • 格付け:第一級ラーチャウォーラウィハーン
  • 所在地:バンコク プラナコーン区
  • 時間:8時〜17時
  • 料金:無料
  • Wikipedia
ワット・ラチャボピット地図

ラーマ8世(アーナンタマヒドン王)

ワット・スタット

wat suthat

ラマ1世がバンコクに新たな都を建設するにあたり大仏を置こうと考え、1807年に建設を始め、27年後のラマ3世の時代に完成した寺院。
本尊の台座には、ラマ8世の遺骨が納められている。

  • 正式名称:ワット・スタットテープワララーム
  • 格付け:第一級ラーチャウォーラマハーウィハーン
  • 所在地:バンコク プラナコーン区
  • 時間:8時半〜21時 無休
  • 料金:20B
  • タイ国政府観光庁HP
  • Wikipedia
ワット・スタット地図

以上、バンコク王朝歴代の王が眠る寺院全8選!をお届けした。
みなさんはすべて訪れたことがあるだろうか。僕はこの中では、ラーマ3世のワット・ラーチャオーロサーラームにはまだ訪れたことがない。
観光客が少ない寺院をゆっくりと見て回りたいという方には、ラーマ4世のワット・ラチャプラディット、ラーマ7世のワット・ラチャボピット、ラーマ8世のワット・スタットをおすすめしたい。いずれも歩いてすぐの距離間にあるので、旧市街を散策する際は、ぜひ立ち寄ってみて欲しい。

それではまた明日!