インドネシア・バリ島からイランまで続く、アジアを横断する現代のシルクロードと呼ばれるアジアハイウェイ2号線(AH2)。

アジアハイウェイ2号線 AH2 は、アジアハイウェイの路線の一つである。 総延長は13,177km[1] (8,230mi) で、インドネシア・バリ州のデンパサールからシンガポール、マレーシア、タイ、ミャンマー、インド、バングラデシュ、ネパール、パキスタンを経由して、イラン・ケルマーンシャー州のコースラヴィ(英語版)に終着する。https://ja.m.wikipedia.org/wiki/アジアハイウェイ2号線

バンコクからAH2を南下し、マレーシアのペナン島、マラッカに立ち寄りシンガポールまで、15年振りにマレー半島を縦断する旅に出ることにした。目的は、15年前に見逃した「マラッカ海峡に沈む夕陽」を見ること。
そのマレー半島縦断の旅の記録を連載でお届けしていく。
昨日の第1回目に続き、第2回目となる今回は、「旅立ち編」をお送りする。

第1回目の記事はこちら。
アジアハイウェイ2号線を南下せよ! 陸路で行くマレー半島縦断の旅 〜序章〜

それでは以下、本文をどうぞ!

旅はバンコク南バスターミナルから

asian highway

仕事の都合がどうなるか不透明だったこともあり、交通手段や宿の手配は一切しないまま連休前日の7月29日(水)を迎えた。
なんとか仕事の区切りがついたところで時計を見ると、20時を過ぎていた。
4連休という短い期間に、陸路でマレー半島を縦断するには、今夜の夜行バスで出発するしか選択肢はなかった。
翌日の朝一のバスでは、後々の旅程が厳しくなることは明らかだからだ。
夜行バスでマレーシア方面への拠点となるタイ南部最大の都市ハート・ヤイ(以下、ハジャイ)まで行き、そこからロットゥー(バン)に乗り換えて、マレーシアのペナン島を目指す。

バンコク南バスターミナルからハジャイまでの道のり

ネットでハジャイ行きのバスの時刻表を調べると、バンコク南バスターミナル発ハジャイ行きの最終は21時45分となっていた。

急いでオフィスを出て、自宅に戻り、シャワーを浴びる間もなく、適当に荷物を詰めて外へ出る。
この時点で20時半を過ぎていた。
自宅のあるラチャダーからバンコク南バスターミナルまでは、この時間ならタクシーで1時間はかかる。ギリギリだ。
しかも雨が降ってきた。ただでさえタクシーが拾いづらい夜のラチャダーピセーク通り。連休前日で雨とくれば、当分拾えない可能性は高い。

そうだ、こんな時こそタクシー配車アプリのGRAB TAXI(グラブタクシー)の出番だ! と思い、アプリを起動し、手配を試みるが、まったく運転手が捕まらない。
クソッ! こんな時に使えないとは。
※GRAB TAXIについては以下の記事を参照。
バンコクでタクシー配車アプリGRAB TAXIを使ってみた。

雨も本降りになり始め、半ば諦めかけたその時、ようやく一台のタクシーが捕まった。
「南バスターミナルまでとにかく急いで!」
と運転手に伝え、あとは祈るのみ。
たとえ間に合ったとしてもハジャイ行きのチケットが買える保証はない。なんせ今日は4連休前日なのだ。
しかし、これまでも連休前日に予約なしで南バスターミナルまで行き、最終の時間を過ぎていてもなんとかバスには乗れてきた。バスターミナルに行きさえすれば、なんとかなるはず。
たとえハジャイ行きが売り切れていたとしても、南部の街ならどこでもいい。とにかくアジアハイウェイ2号線を南下すればいいのだ。

夜行バスでハジャイへ

bus south terminalバンコク南バスターミナル

楽観的に構えつつも、時計を見ながら気持ちは焦る。
21時35分、ようやくバンコク南バスターミナルに到着。ダッシュで2階のチケット売り場へと向かう。

southern bus terminalバンコク南バスターミナル2階 チケットカウンター

「ハジャイ! ハジャイ!」と係員に叫ぶと、ちょうどハジャイ行きのチケットの呼び込みをしているところだった。

southern bus terminalバンコク南バスターミナル ハジャイ方面チケットカウンター

22時半発のハジャイ行きを買うことができた。料金は800B。
所要時間は13時間。ハジャイ着は11時半予定。

southern bus terminalバスのチケット

ふぅ、なんとか間に合った。
まだ夕食を食べていなかったことに気がつき、同じフロアにあるレストラン街へ向かう。

southern bus terminal

KFC、ブラックキャニオン、チェスターズグリルとお馴染みのチェーン店が並んでいるが、なんと日本食レストランもある。
OISHIグループの「かかし」だ。

southern bus terminalKAKASHI

しばらく日本食とはお別れになることだしと、かかしで夕食を済ませる。
普段は、まずかかしに入ることはないが、旅立ちの前の腹ごなしとしては満足できる。こんなバンコク郊外のバスターミナルで日本食が食べられることは本当にありがたい。
バンコクでは日本食も一般のタイ人にまで完全に普及したといえそうだ。

夕食を済ませると、間もなく出発の時間だ。1階に降り、バスに乗り込む。

southern bus terminalハジャイ行きの夜行バス

雨も降っているし少し遅れるかと思ったが、定刻通り22時半にバスはハジャイに向けて発車した。
7月29日(水)22時半。15年の歳月を経て、いよいよマレー半島縦断の旅が再開した。

次回、アジアハイウェイ2号線を南下せよ! 陸路で行くマレー半島縦断の旅 第3話〜バンコクからペナン島編〜へと続く。