5月29日、Googleから新たな写真管理サービスGoogle Photosが公開され、クラウドストレージ業界に激震が走っている。
なんと、無料容量無制限に写真と動画を保存できるというのである。

googlephotos

日本国内のテック系メディアなどでも驚きを持って報じられた。

Google Photosの「無料無限ストレージ」は、Appleの高価なiCloudを打ちのめすかもしれない | Tech Crunch

Google Photosハンズオン:怖いくらい賢い | ギズモード

容量無制限!GooglePhotosで一生分の写真を持ち歩けるぞ!| ヤフーニュース

唯一の制限として写真は1枚につき1600万画素以下、動画は1080pまでということであるが、通常使用ではほとんど影響はないだろう。(RAWやTIFFはGoogle Driveの容量制限対象になるようである)

僕が主に利用しているクラウドストレージは、Dropbox(ドロップボックス)で1TB(100ドル/年)を契約している。もちろん、保存できるデータが写真・動画のみのGoogle Photosとドキュメントファイル等なんでも保存できるDropboxなどのクラウドストレージを一概に比較することはできない。だが、それでも容量無制限で無料という衝撃は大きい。

主要クラウドストレージサービスの1TBあたりの年間利用料は以下の通り。

  • Apple(iCloud) 240ドル
  • Microsoft(OneDrive) 84ドル
  • Dropbox 100ドル
  • Flickr(無制限) 25ドル
  • Google Photos(無制限) 無料

このGoogle Photosがいかに破壊的なサービスかということが分かるだろう。
もちろんほかのクラウドストレージサービスと同様に、スマホ、タブレット、PCのいずれのデバイスからでも利用可能だ。

Google Photosアプリのダウンロードはこちらから。

iTunes Storeでダウンロード
GooglePlayでダウンロード

設定に必要なものはGoogleアカウントのみ。
スマホやタブレットと連携させれば写真フォルダがそのまま表示される。すっかりその存在を忘れていたPicasaに保存していた写真も自動で同期されていた。

革新的なUI

Google Photos

無料・無制限というだけでなく、その使い勝手もこれまでの写真管理アプリにはなかった革新的なUIになっている。大きな特徴は以下の4つ。

①ピンチ操作でズームできる
iPhoneの純正写真管理アプリでは、ピンチ操作では反応しない。直感的にピンチで操作できるのはとても快適だ。

②長押しとスワイプで選択できる
写真を長押しし、チェックボックスが表示されたら上下左右にスワイプするだけで写真が選択される。iPhoneの純正写真管理アプリでは、ひとつづつ写真をクリックしないと選択できず、大量の写真を削除したいときなどは非常に不便だったが、これならあっというまに大量の写真も選択できる。

③左右にスワイプしメニュー切り替えができる
左右にスワイプしてメニューを切り替えることができる。iPhoneの純正写真管理アプリでは右にスワイプしてメニューに戻ることしかできなかった。

④すべての写真を自動で整理してくれる
写真ごとにタグを自分でつけなくても自動で画像を認識し、場所や物などのカテゴリーにまとめて整理してくれる。

写真も検索で探す時代に

Google Photos川の検索結果

最も驚いたのは、検索で写真を探せることだ。例えば、「川」で検索すると、上の写真のように川の写真のみ表示された。

続いて「ビーチ」で検索してみた。

Google Photosビーチの検索結果

この画像認識技術の正確さには驚くばかりだ。
これまで写真の管理というと、自分でタグやタイトルを付けたり、フォルダなどでアルバムを作って管理するしかなかった。
今後はそのような手間のかかる作業をしなくても、検索で写真を呼び出せるようになる。GメールでEメールを検索で管理できるようになったように、写真も検索で管理できる時代になるのだ。
無料、容量無制限ということに目が行きがちだが、この「検索で写真を管理できる」ということがこのGoogle Photosの最も革新的な特徴ではないだろうか。

Google Photosがあればもうスマホの容量に悩むこともなくなる。スマホの容量が無制限になったようなものだ。もちろんクラウド上に保存するには同期する必要がある。だがDropboxのように同期する写真だけを選択し、それ以外は削除するというような手間のかかることは一切する必要はない。ただすべての写真・動画を同期すればいいのだ。
写真・動画のストレージサービスでは、このGoogle Photosが間違いなくトップシェアを獲得するだろう。
今後、各ストレージサービスはどういった戦略を採るのか? 要注目である。

それではまた明日!