前回お伝えした、ワチラロンコン皇太子への王位継承にあたり、プラユット首相が「今週金曜日にも新国王に即位する」とコメントを述べた件につき、タイ政府は同日撤回した。今回は前回の続報として、Khaosod Englishから10月19日13時54分に公開された記事を翻訳し、以下転載する。

なお、記事の翻訳・転載にあたっては、すべてKhaosod Englishより正式に許可をいただいている。 

タイ政府、新国王即位のスケジュールを撤回

バンコク:タイ軍事政権は火曜日夜、ワチラロンコン皇太子によるラマ10世としての王位継承までの予定を発表、同日中に撤回した。

「プミポン国王の葬儀後、7日から15日でワチラロンコン皇太子が王位を継承する」とプラユット・ジャンオーチャ暫定首相は火曜日に発表、その数時間後に副首相がこれを取り消した。

参考記事:プラユット暫定首相「新国王は間もなく即位」(原題:PRAYUTH: CROWN PRINCE WILL SOON TAKE THRONE

ウィサヌ副首相によると、新国王はプミポン国王の葬儀完了後に即位する予定で、段階的に行われる葬儀に必要な日数を考慮すると最大で172日後、来年の4月となる見通しを示し、プラユット氏の発言を訂正した。
ウィサヌ氏は記者団に対し「これは我々タイ国民が功徳を積むために必要な儀礼で、複雑な意味合いや不可解なことは何も無い」と語った。 なお皇太子による王位継承の時期について副首相は言及せず、即位前に父の死を悼む期間が欲しいとの皇太子の希望を繰り返し伝えた。
しかしプラユット首相と同様、ウィサヌ氏は8月に国民投票で賛成多数で承認された新憲法草案に(国王に即位後の)ワチラロンコン皇太子が署名するという見方を示した。 新憲法草案は来年2月までに国王によって署名される必要があり、この期限にどのようにして間に合わせるかについての具体案について、ウィサヌ副首相は水曜日時点で明らかにしていない。
新憲法の公布・施行後、総選挙が2017年後半に行われる予定だ。プラユット首相は火曜日の会見で予定に変更は無いとしている。 ワチラロンコン皇太子が王位継承を見送ったことで、憲法規定に基づきプレム枢密院議長(96)が暫定摂政に就き、国王の職務を代行する。