プミポン国王の死去から一週間が経ち、バックパッカーの聖地・カオサン通りでは、ほとんどのバーやレストランが営業を再開しているが、観光客の激減により、普段の喧騒は鳴りを潜めているという。

今回もKhaosod Englishから、10月20日14時31分に公開された、カオサンロード、観光客の減少でかつてない静けさにという記事を翻訳してお届けする。

なお、記事の翻訳・転載にあたっては、すべてKhaosod Englishより正式に許可をいただいている。 

以下、転載。

カオサンロード、観光客の減少でかつてない静けさに

バンコク:国王の死去から一週間が経ち、バックパッカーの聖地・カオサンロードの周辺ではほとんどのバーやレストランが営業を再開している一方、観光客の激減によって普段の喧騒は鳴りを潜めている。

参考記事(英語):Khaosan Road: Open But Silent (Photos)(カオサンロード:静かに営業中)

観光局のサンガ・ルアンワタナコン氏によると、タイ人と外国人を合わせた観光客の数は一週間前と比較して最大で70%減少、宿泊施設の予約は落ち込み、既にチェックインをしていた宿泊客も予定を早めてチェックアウトしており、影響は1億バーツにものぼるという。

「(国王の死後)多くの店舗やホテルが休業し、売上が落ち込んだ。観光客は行き先を変更している」カオサンロード観光局のサンガ氏はこう語った。

バケツでのアルコール提供が売りの店舗のひとつ、Golf Barではアルコールは用意されているが音楽はかかっていない

同店の従業員によると、来客数はこれまでにないほど落ち込んでいるという。水曜日夜、2店舗で構成されるこの店には、室内で酒を飲む外国人が一組いただけだった。店の外では10人以上の従業員が、物憂げな表情で手に持ったメニューを振りながら客の姿を目で追っていた。

オーナーの義理の娘でマネージャーを務めるブーンパチャリー・サントンウィーラコンは「うちは毎日赤字営業」と語る。観光客は(70年在位した国王の死去という)かつてない事態の意味を理解しているという。「ファラン(訳者注:『ファラン』はタイで主に欧米人を示す)のお客さんが『なぜ音楽をかけないんだ』と聞いてきたから、『私たちの王様が亡くなられたから』と答えたの。すると彼はすぐに『ごめん』だって」

喧騒の途絶えたカオサンはむしろ好ましいというギリシャ人カップルもいる。ゲオルギオス・ゲオルグリス(28)とディミトラ・ライオリュー(22)のカップルは現在の雰囲気が好きだという。「僕は人間観察をしながら歩き回るのが好きなんだ。でも酔っ払いは見たくない」

年末を控え例年であれば観光客の数が増えていくところだが、現状がこのまま続けば利幅の増すピークシーズンの営業に影を落とすことになる。

観光局のサンガ氏によると、ハロウィーン、ロイクラトン、大晦日など、例年パーティーが多数開催されるイベントの多くは中止を余儀なくされる見通しで、5000万バーツの損失が見込まれているという。
「洪水や反政府運動の時でもバーやレストランは営業していた。今回は違う」

※以下の原文では、水曜夜時点のカオサン通りとその周辺の写真が掲載されているので、ぜひ併せてお読みいただきたい。(明石)