4月からの新年度に合わせてタイに赴任してきた方の中には、喫煙者も多いことだろう。
東南アジア特有の緩い空気感が漂うタイ。街並みも雑多でどこでもタバコが吸えるような錯覚に陥るかもしれない。だがタイは意外にも喫煙には厳しい。
同じ東南アジアでもインドネシアやベトナムなど喫煙に寛容な国もあるが、シンガポールやフィリピン、そしてタイは喫煙者に厳しい国なのである。

日本でも東京オリンピックに向けて飲食店や公共の場での喫煙規制が徐々に進んできているようだが、タイの禁煙政策は遥かに進んでいる。

そこで今回は、喫煙者のあなたがタイで暮らすにあたり、知っておくべき5つのことをお伝えしたい。
喫煙者の方は、痛い目に遭う前に必ず目を通してほしい。

この記事の目次


その1 免税タバコの持ち込み・所持について

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海外からタイ国内へ免税で持ち込めるのは、紙巻きタバコ200本(1カートン)、または葉巻、刻みタバコ、嗅ぎタバコなど250gまで。電子タバコの持ち込みは禁止されている。

※規定量を超える免税タバコ(納税シールのないタバコ)を所持している場合、1カートン当たり約4,785バーツ(約16,000円)の罰金が科される。

※タイ物品税局職員により、税関検査通過後のタバコ所持者に、(空港施設内において)抜き打ち検査を実施する場合があります。

※当規定は、通関規定ではなく所持規定です。例えば、成人家族3人で免税枠が家族で3カートンの場合であっても、誰か1人が3カートンまとめて所持してはならず、3名バラバラで所持する必要があります。
出典:JAL公式サイトより

その2 IQOS、プルームテックなどの加熱式タバコは違法

IQOS

日本から来たばかりの方や旅行者の方にはほとんど知られていないと思うが、タイでは2014年12月27日に「電子タバコ禁止条例」がタイ商務省から発令された。電子タバコの輸入・販売・所持・使用を禁止するもので、この条例には、IQOS(アイコス)やプルーム・テックなどの加熱式タバコも含まれる。
違反した場合、最高で10年の懲役、または50万バーツ(約170万円)の罰金のいずれかが科せられる。
タイ政府観光庁も公式サイトで注意喚起を促しているが、商売目的でなく、個人的に所持・利用していた場合でも罰せられるので、出張や旅行でタイを訪れる方も注意して欲しい。

僕も実際にツアーガイドから、日本人客がタニヤ通りやパタヤでIQOSの使用で捕まり、数十万円相当の罰金を科されたという話を聞いている。

その3 Vape(電子シーシャ)も違法

Vape

加熱式タバコがダメなら今流行りのVapeで我慢するか…と思ったあなた、残念!
Vapeも加熱式タバコと同様に前述の「電子タバコ禁止条例」で禁止されている。違反した場合の罰則も同様だ。
今年1月にはタイでイスラエル人のカップルがVapeの使用で捕まり、約1,200$の罰金を科されたというニュースが報道された。

An elderly Israeli couple was arrested in Thailand earlier this week for possessing an electronic cigarette. They were forced to pay a fine totaling about $1,200.
出典:Elderly Israeli couple arrested in Thailand for using e-cigarette

街を歩いているとVapeを吸っている人をよく見かけるが、ご覧のとおり違法なので愛好家はくれぐれもご注意いただきたい。

その4 禁煙場所について

冷房の効いた室内は禁煙

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タイでは2008年から法令により禁煙が強化され、冷房の効いた室内での喫煙は禁止になった。レストランやカフェなどの飲食店をはじめ、美容室やデパートなど室内では一切喫煙はできない。
日本では喫煙席、禁煙席を分ける分煙化が一般的だが、タイでは完全禁煙が基本。カフェやレストランでは屋外のテラス席を喫煙可にしている店も多いが、テラス席も禁煙の場合もあるので注意が必要だ。

公共の場も禁煙

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2008年の禁煙法により下記の公共の場でも禁煙になった。

  • 交通機関(バス、タクシー、鉄道、船、飛行機)
  • 建物内(学校、映画館、劇場、図書館、デパートや飲食店などの商業施設全般、入院施設のない医療機関、宗教儀式を行う場所等)

上記の禁煙場所以外、例えば路上(禁煙に指定されていない場合)などでの喫煙は認められている。
これまで禁煙場所で喫煙した場合の罰則は2,000バーツだったが、2017年7月4日に施行された「タバコ製品管理法」により、 5,000B(約17,000円)に引き上げられた。

主要24ビーチが禁煙に

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プーケット・パトンビーチ

ビーチで寝転がりながらタバコをふかす。最高にタバコが旨いと感じる瞬間であるが、今年2月からタイ国内24箇所のビーチでは喫煙所以外での喫煙が禁止されている。違反した場合は、1年以下の禁錮、10万バーツ以下の罰金、もしくはその両方が科される。

禁煙となった24箇所のビーチで日本人が訪れそうなところは下記のとおり。

  • プーケット・パトンビーチ
  • サムイ島・ボプットビーチ
  • タオ島・サイリービーチ
  • タオ島・チャロークバーンガオビーチ
  • ペッチャブリー県・チャアムビーチ
  • チョンブリ県・パタヤビーチ
  • チョンブリ県・バンセンビーチ

その5 ポイ捨て禁止

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スクンビット通りでは警察によるポイ捨ての取り締まりが頻繁に行われている。
特に多いのがアソーク〜ナナ間のスクンビット通りの路上だ。ソイ13と15の間にあるHOLLYS COFFEEの正面では、毎日のように警察官が監視している。ポイ捨ての罰金は2,000バーツ。

Police

HOLLYS COFFEE前で監視をしていた警察官に話を聞くと、ポイ捨ては禁止だが、喫煙自体はOKということだった。

タイで禁煙しよう

Champix

禁煙治療薬CHAMPIX

以上、喫煙者のあなたがタイで暮らすにあたり、知っておくべき5つのことをお伝えした。
タイでは日本よりも遥かに禁煙政策が進んでいることをご理解いただけたと思う。これほど喫煙に厳しい環境であれば、禁煙してしまったほうが快適であるのは間違いない。
ということでタイに暮らし始めたら禁煙することをおすすめしたい。

かく言う僕も3月から禁煙をしている。2014年にも1年間禁煙をした経験があり、二度目の禁煙は容易だった。自力ではなくファイザー社製の禁煙治療薬「CHAMPIX(チャンピックス)」に頼ったが、服用したのは3日のみ。それ以降は薬を飲むことなく禁煙できている。
日本では医師の処方箋が必要なチャンピックスもタイでは処方箋不要で1,500バーツ程度で購入できる。
チャンピックスは結構強めの薬なので、初めて使用する方は薬剤師に相談してから購入することをおすすめする。言葉に不安がある方は日本語通訳常駐のブレズ薬局に相談するといいだろう。

あなたもぜひ禁煙を成功させて、快適なタイ生活を送ってほしい。