2016年3月20日より、かねてから検討されていた不法滞在(オーバーステイ)外国人のタイへの再入国不許可に関する政令が施行されることが決まった。
在東京タイ大使館のウェブサイトに掲載された政令を以下、転載する。

一部外国人の王国入国不許可に関するお知らせ

over stay thailand

仏暦2558年(西暦2015年)11月27日付タイ内務大臣政令により、一部外国人の王国入国不許可を仏暦2559年(西暦2016年)3月20日から実行する。
在タイの外国人に影響を及ぼすので、ここにて公示する。滞在許可期間を経過した外国人に対し、以下の通りの条件と期間に基づいて王国入国の不許可を定める。

1. 出頭した外国人の場合

1.1 滞在許可最終日より数えて90日を超えて滞在した外国人は、王国出国後1年間は入国不可

1.2 滞在許可最終日より数えて1年を超えて滞在した外国人は、王国出国後3年間は入国不可

1.3 滞在許可最終日より数えて3年を超えて滞在した外国人は、王国出国後5年間は入国不可

1.4 滞在許可最終日より数えて5年を超えて滞在した外国人は、王国出国後10年間は入国不可

2. 逮捕された外国人の場合

2.1 滞在許可最終日より数えて1年を超えない滞在をした外国人は、王国出国後5年間は入国不可

2.2 滞在許可最終日より数えて1年を超えて滞在した外国人は、王国出国後10年間は入国不可

3. この法令は以下の場合には適用されない

(1)年齢が18歳になる前に王国を出国する外国人

(2)この政令が適用される前に王国を出国する外国人。

以上、在東京タイ王国大使館ウェブサイトより転載。

タイ移民局(イミグレーション)のウェブサイトに掲載されているリリースの原文(英語版)はこちらより確認できる。

なぜ取り締まりが強化されるのか?

現在タイ国内にいる不法滞在外国人は約80万人とされ、タイ当局は罰則が緩いことが不法滞在がはびこる原因だと見ている。昨年からタイ警察と移民局は不法滞在外国人の取り締まりを強化していおり、毎月のように多数の外国人が摘発されている。
昨年10月には、当局の一斉取り締まりにより、不法滞在外国人9,000人以上が逮捕された。

不法滞在外国人9000人逮捕、タイ当局が一斉取り締まり | newsclip

入管、オーバーステイの取り締まり強化へ、外国人9265人を検挙! | トンナムのタイ政治経済研究室

これまではオーバーステイでも1日あたり500Bの罰金を支払えば問題なかったが、これからは90日を超える悪質なオーバーステイについては一定期間入国禁止という措置が取られるようになる。
うっかりオーバーステイということになってしまわないよう、パスポートに押された滞在期限はしっかり確認しておこう。

それではまた来週!