「春節」と呼ばれる旧暦の正月(今年は2月16日)、華僑文化が生活に根付いているタイの各地で新年を祝う催しが盛大に執り行われる。
ここに紹介するバンコク中華街でのフェスティバルはその代表的なもので、正月前後にかけて目抜き通りのヤワラート通り沿いを中心に春節を祝う大勢の人々で賑わう。

元旦の獅子舞は魅力的な被写体

chinese new year
通り沿いに出される露天、通りのど真ん中に設置されるステージ等、いろいろ見所が多いが、写真の被写体として魅力的なのは、やはり元日の獅子舞。ヤワラート通りを練り歩き、通り沿いの商店に立ち寄っては「招福駆邪」を演じていくさまをぜひ狙いたい。
 
正直、こういった被写体の場合は特に、撮る人が撮りたいように撮った方がいいと思うが、僕個人の場合で言うと、ぐっと近づいて超広角で狙うのが好き。しかも意図してブレを出す場合を除いては、キッチリ被写体を止めたい性格なので、獅子舞を狙うときには明るい昼間に出かけることが多い。
 
但し、場所によって明暗差が大きいので、影になる場所や商店内で撮るときは、シャッタースピードに気を使いながらISO感度を調整して露出を合わせよう。
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バンコク中華街
獅子舞は夜になっても撮れるが、通り沿いの商店へは立ち寄らず、大通りと寺院がメインの場所となる。通りの提灯を絡めたり、寺院の灯りを絡めたりといろいろ選択肢はあるが、獅子舞自体が光ったりする訳ではないので、何となく単調になりがち。敢えて遅めのシャッターでブラして躍動感を出すなど工夫してみるのも手だ。

夜は寺院へ

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それよりも僕としては、夜は寺院にお参りに来る人々を撮るのがオススメ。中にはチャイナドレスを着ている人をちらほら見かけるので、お線香の煙やろうそくの灯りなどを絡めると雰囲気が出る。フラッシュは使わず、絞りと感度を上手く調整してその場の空気感を表現したい。
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話は前後してしまうが、春節の大晦日には、華僑の家では、家族で集まり、皆で料理を作ってお祈りを捧げた後、食べる習慣がある。ストリートスナップが好きな人は、中華街の路地裏を散策するとたくさんの素敵な被写体と出遭えるはずなので、こちらも時間があればトライしてほしい。
 
異国というよりは、タイ文化の重要な一部と言った方が正しいタイの華僑文化、その首都バンコクの中華街で繰り広げられる春節。皆さんも一度は足を運んで、自身の視点で写真に切り取ってみてはいかがだろう?
バンコク中華街地図