昨日、王宮前広場(サナームルアン)にて、プミポン国王追悼のため国王賛歌の大合唱が行われた。この合唱にはタイ全土から数十万人の参加者が詰めかけたという。

今回もKhaosod Englishから、10月22日23時14分に公開された、プミポン国王の死を悼み大合唱という記事を翻訳してお届けする。

なお、記事の翻訳・転載にあたっては、すべてKhaosod Englishより正式に許可をいただいている。 

以下、転載。

プミポン国王の死を悼み大合唱

バンコク:土曜日、多くの人々が王宮前広場に詰め掛け、プミポン国王の死を悼んで国王讃歌を大合唱した。集まった人々の数は数十万とされる。

「国王陛下に仕える身である我々は平伏し、尽きること無き陛下の功徳に畏敬の念を表す」

サナームルアン(王宮前広場)の群集は国王の遺体が安置される王宮を見据え、国民の誰もが知る国王讃歌の一節を歌い上げた。

この追悼行事はサイアム・フィルハーモニー社によって呼びかけられ、映像はタイの映画館で本編上映前に流れる国王礼讃映像として今後使用される。政府はこの行事のため、土曜朝からサナームルアンへと繋がる多くの道路と主要交差点を閉鎖した。

タイ全土から多くの国民がこのイベントに足を運んだ。13日に享年88歳で死去したプミポン国王は70年に渡って在位し、国民の多くは他の国王の時代を経験していない。

サオワパ・ペッチコン(53)はプラチンブリ県から息子を連れて、午前5時に広場に到着した。彼女は行事への参加によって悲しみを癒すのだという。

「親戚から国王が亡くなられたというLINEのメッセージを見せられて大きなショックを受けた。それからずっと涙が止まらない。新聞で陛下の訃報を読むたび泣いてしまうので、今日(気持ちを収めるために)ここに来ようと思った」サオワパはこう語る。

彼女はプミポン国王が7年間を過ごしたシリラート病院で国王の健康祈願に参加した際、国王の姿を一瞥することができたといい、以来特別な想いを抱いているという。

アピンヤ・ウトーン(38)は王宮前広場で夫と娘と共に国王の肖像画を頭上に掲げながら讃歌を歌った。チョンブリ県からやってきたこの三人家族は午前8時からここで行事の開始を待っていたという。

「一生に一度しかないと思って来た」アピンヤは言う。

集まった人々の中には合唱への参加だけでなく、飲食物の配布やごみの収集、熱中症に罹る参加者の看護をするために集まったボランティアも含まれる。

「沢山の人が集まっているというニュースを見て、スタッフが足りないに違いないと思い参加を決めた」バンコクに住む29歳のグラフィックデザイナー、ワチャリン・イムフェンはこう語る。彼は友人とともにキャンディーや水を参加者に配布し、すべての配布が終わった後はごみの回収を始めた。

この大合唱は映画監督のチャートリーチャルーム・ユコン氏と作曲家のソムトウ・スチャリットコン氏のアイデアで、撮影は午後1時から5時の間、また午後10時から行われた。

警察は金曜日時点で少なくとも20万人の人々が土曜日にサナームルアンとその周辺に集まるだろうと予想した。土曜日の参加者数は公式には集計されていないが、集まった人々は広大な広場から溢れるように周辺の道路などを埋め尽くした。

来週も王宮前広場には多くの人々が詰め掛けると予想されており、特に王室局が国王の遺体安置所である王宮内ホールを弔問者に一般開放する金曜日以降はこの数が増えると見込まれる。多くの人々が「一般開放後に再訪する」と語っている。