タイの友人から、「パタヤに激ウマのソムタムがあるから食べに行こう!」と誘われた。

観光客向けではなくローカル向けで、なんでも毎日のように行列ができる人気店らしい。ソムタム好きの自分としては試さないわけにはいかない。ということで、先日そのパタヤのソムタム屋に行ってきた。

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ソムタム屋はスクンビット・ソイ53/2(パタヤ)にあり!

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Sukhumvit-Pattaya Soi53/2

そのソムタム屋は、スクンビット・ソイ53/2にある。といっても、バンコクのスクンビット通りではなく、パタヤのスクンビット通りである。バンコクから車で向かう場合、モーターウェイの出口から10分弱でアクセスはそれほど悪くない。詳しい場所は最後に地図でご紹介する。

ソイ53/2に入ると、タウンハウスが立ち並ぶ中に人だかりが見えてきた。あの店に間違いない。
ソイの奥に車を止め、店へ足を運ぶ。
このソムタム屋は「ソムタム・ハイソー・パート2」という店名で、イサーン料理屋である。

somtum hisoちょうどお昼時ということもあり、店内はほぼ満席。持ち帰りで買っていく人も多く、ソムタムをポクポク叩く音もフル回転中である。

名物はソムタム・デュッデュー

実はこのお店、あるソムタムをメニュー化した一年前頃から人気店となったという。そのソムタムとは、「ソムタム・デュッデュー」。デュッデューとは人の名前で、このソムタムの生みの親である。

デュッデューさんは、パタヤのニューハーフショー「ALCAZAR」でダンサーとして活躍中のニューハーフ。デュッデューさんのFacebookページのファンは、なんと約60万人! インフルエンサー的存在である。

somtum hisoデュッデューさんのFacebookページ

元々このお店に通っていたデュッデューさん。いつもソムタムを注文する際に、自分好みの味付けやトッピングをオーダーし、その様子を動画でFacebookにアップしていた。

動画を見た人が来店し、「デュッデューと同じソムタムを」とオーダーするケースが増えてきたため、「ソムタム・デュッデュー」としてメニュー化したのだとか。

ソムタム・デュッデューと生エビを加えた「ソムタム・デュッデュー・グン・ソッ」が特に人気だという。確かに来店しているお客さんを見ると、ほとんどがそのソムタム・デュッデュー・グン・ソッを食べている。
僕をこのお店に誘ったタイ人も、デュッデューさんのFacebookをきっかけにこのお店を知ったという。

スパイダーマンがお届け!

ひとつだけ開いていた席に座り、名物のソムタム・デュッデュー・グン・ソッとソムタム・タイ、ガイヤーン、ゲーンオム・ムー、カオニャオ、カノムジーンを注文。
待つこと10分。

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いきなりスパイダーマンが登場した。

店の前をうろちょろしていたのは気づいていたのだが、近所に住むただの変な人なのかと思っていた。だが、れっきとしたこのお店のスタッフのようだ。スパイダーマンが届けてくれたソムタム・デュッデュー・グン・ソッとソムタム・タイをいただく。まずは、ソムタム・デュッデュー・グン・ソッから。

名物のソムタム・デュッデュー・グン・ソッの味はいかに?

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うっ、辛すぎる。
本来の味付けを味わいたかったので、オリジナルの辛さのものをいただいたが、辛すぎて一口しか食べられない。
そして、ソムタム・デュッデューには、僕の苦手なソムタム・プー・パラ(塩漬けの沢蟹と発酵小魚から作った汁で和えたソムタム)のパラ(発酵小魚から作った汁)が入っているではないか。
このパラが臭いのだ。イサーン出身者は、ソムタムといえばソムタム・プー・パラと言うほど、大好きな一品だが、僕を含め多くの日本人はこの臭いには耐えられないのではないだろうか。
同行者であるイサーン出身のタイ人は、「アロイマーク! これが本場イサーンのソムタムの味よ!」と喜んで食べていたが、僕は一口でギブアップ。
口直しにと、ソムタム・タイをいただく。

ソムタム・タイは?

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在住者はご存知だと思うが、ソムタムを注文する際に辛さを調整する場合、「ペッ・ニッノイ(辛さ抑え目)」と伝えるより、唐辛子の本数を伝えた方が良い。僕はいつも「プリック・3メット(唐辛子3粒)」で注文する。その方が、どこでも一定の辛さのものを食べることができるからである。
さて、肝心のソムタム・タイに話を戻そう。
まずは一口。

うん、至って普通のソムタムである。
特にこれといった特徴はない。美味しくないわけではないが、個人的にはわざわざ食べに来るほどではないと感じた。
うーん、わざわざパタヤまでソムタムを食べに来たのに期待ハズレだったか…
と若干気落ちしていたところで、ガイヤーンが登場。

救世主、ガイヤーン。

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写真は二皿分

手羽先にかぶりつく。
これはうまい!!!

味付けはシンプルに塩だけ。表面はカリッと、中はジューシーに焼き上げられ、日本人なら誰でも旨いと感じであろう逸品だ。瞬時に一皿(3個入り)を平らげ、追加で注文した3皿も速攻で完食。
しかしこのガイヤーンは本当に旨かった。
バンコクで見かけるガイヤーンは、甘みのあるタレで焼きあげられているものが多く、なかなか塩だけのシンプルな味付けのものには出会えない。
このガイヤーンならわざわざ食べに来る価値がある。パタヤを訪れることがあれば、間違いなく再訪するだろう。

コンケーン出身のオーナーが9年前に開店

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せっかくなので、オーナーのジュムさんに話を聞いてみた。
ジュムさんは、30年前にタイ東北地方のコンケーンから上京し、現在50歳。警察官である旦那さんと結婚し、9年前にこの店を開店した。
なぜ、「ソムタム・ハイソー・パート2」という店名なのかと聞くと、以前は特に店名がなく、それほど売れ行きが良かったわけではなかったので、数年前に一度お店を閉めたという。
それでもお客さんからまたお店をやって欲しいというリクエストが多く、再開店を決意。再開店にあたりどんな店名が良いかとお客さんからもアイデアを募り、「ソムタム・ハイソー」という名付けられた。一度閉店し、二度目の開店となるので「パート2」を付けたのだとか。
事前の情報のとおり、人気が出始めたのは1年ほど前から。デュッデューさんがきっかけだったという。
そして、最近ではあのスパイダーマンによるデリバリーサービスを開始したちまち話題に。TVなどのマスメディアからも取材を受け、更なる人気を博しているという。

インフルエンサーと人気キャラクターの活用。ここまで卓越したマーケティングを展開するソムタム屋は、そうはないだろう。バンコクでの飲食店向けのマーケティングにも大いにヒントになるのではないだろうか。

このソムタム・ハイソー・パート2は、イサーン出身のタイ人を連れて行くと喜んでもらえるはずである。僕はガイヤーンを目的に、また訪れたいと思っている。

  • 店名:ソムタム・ハイソー・パート2 / ส้มตำไฮโซภาค ๒
  • 住所:Sukhumvit-Pattaya Soi53/2
  • 営業時間:9時〜22時 無休
  • 電話番号:091-095-8274, 093-113-6512
  • Facebookページ:https://www.facebook.com/somtomhisopart2/
  • メニュー料金:ソムタム・デュッデュー・グン・ソッ(80B)、ソムタム・タイ(50B)、ガイヤーン(30B/皿)、ゲーンオム・ムー(60B)、カオニャオ(10B)、カノムジーン(10B)
ソムタム・ハイソー・パート2地図