昨日、日本政府観光局(JNTO)より2015年1年間に日本を訪れた外国人の数(訪日外客数)が発表された。
2015年の訪日外客数は、前年比47.1%増の1973万7,000人で、JNTOが統計を取り始めた1964年以降、最大の伸び率となった。また、過去最高だった2014年の1341万3000人を600万人余り上回り、1970年以来45年振りに訪日外客数が出国日本人数を上回った。
2015年12月の単月の数字は、前年同月比43.4%増の177万3,000人で、これまで12月として過去最高だった2014年(123万6000人)を53万7000人上回った。
2015年1〜11月分は以下の記事を参照していただきたい。

1月の訪日外客数
2月の訪日外客数
3月の訪日外客数
4月の訪日外客数
5月の訪日外客数
6月の訪日外客数
7月の訪日外客数
8月の訪日外客数
9月の訪日外客数
10月の訪日外客数
11月の訪日外客数

JNTOでは、2015年の訪日外客数が過去最高となった要因を以下のように分析している。

主な原因は、クルーズ船の寄港増加、航空路線の拡大、燃油サーチャージの値下がりによる航空運賃の低下、これまでの継続的な訪日旅行プロモーションによる訪日旅行需要の拡大。
円安による割安感の定着、ビザの大幅緩和、消費税免税制度の拡充等も増加を後押しした。
JNTO報道発表資料(PDF)

市場別の数字を見ると、ロシアを除く19市場が年間での過去最高を記録した。
昨年、“爆買い”で話題になった中国人は、前年比107.3%増の499万人に達し、韓国(400万2100人)、台湾(367万7100人)を上回り、年間では初めて最大の市場となった。
そのほか、米国が欧米市場で初めて100万人を超えたほか、東南アジア6市場(タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム)が合計で200万人を超える規模となった。
東南アジアに関していえば、2013年に掲げた「100万人プラン」(※東南アジア6市場から2013年内100万人、2016年内200万人達成計画)を1年前倒しで達成したことになる。
官民一体となって展開してきた訪日旅行プロモーションや、ビザの免除や緩和、東南アジア諸国の経済成長による海外旅行需要の増加など様々な要因が、相乗効果をもたらし、東南アジア各国からの大幅な訪日外客数の増加が実現したとJNTOは見ている。

それでは、肝心のタイ市場はどうだったのか?

2015年1年間に訪日したタイ人

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CR : Sensoji – Asakusa Kannon Temple / IQRemix

2015年1年間に訪日したタイ人は、前年比21.2%増の79万6700人となり過去最高を記録した。(これまでの最高は2014年の65万7570人)。
JNTOでは、タイ市場が昨年過去最高となった要因を以下のように分析している。

ソンクラーン休暇のあった4月には、観桜需要が膨らみ、東南アジア市場で初めて単月10万人超えを達成した。2015年は、国際民間航空機関(ICAO)によるタイの航空局の安全性の問題からLCCの運行継続が断念された。さらに8月には盤谷での爆破テロ事件が発生するなど向かい風もあったが、訪日旅行者数への大きな影響は見られなかった。8月半ばから「JAPAN STORY」をテーマに、地方の観光魅力の発信等多岐に渡る訪日旅行プロモーションを展開した。また、11月に実施した「FIT FAIR」の来場者数(約4.6万人)および販売実績5,892人(前年比20%増)は史上最高となり、12月の訪日者数を大きく押し上げた。
JNTO報道発表資料(PDF)

2015年12月単月の数字は以下のとおり。
2015年12月に訪日したタイ人は、前年同月比22.6%増の93,500人となり、12月として過去最高を記録し、2012年4月より続く各月の最高記録を45ヶ月連続で更新中である。

2016年も訪日旅行ブームは続くのか?

inbound thai
バンコクの地下鉄駅構内で見かけた訪日旅行の広告

2016年もタイ市場は引き続き好調の波を引き継げるだろうか。
バンコクの街なかを歩いていて、訪日旅行の広告を見かけない日はない。旅行雑誌を見てもほぼ全誌に日本旅行特集やツアーの広告が掲載されている。日本を扱ったTV番組も大人気だ。

タイで沸騰!「日本旅」番組が超人気のワケ | 東洋経済オンライン

僕の周りのタイの友人たちも、日本に行ったことがない人の方が少ないくらいだ。そして、ほとんどの人がまた行きたいと言ってくれている。春夏秋冬、すべての季節に日本を訪れてみたいという友人も多い。常夏のタイと違い、四季折々の自然や食材が楽しめ、1年を通じて様々な観光資源を持つ日本は、何度でも訪れたくなる魅力があるというのは、タイに住んでいるとよく分かる。
周りのタイ人の様子を見ていると、まだ当分、訪日旅行ブームは収まる気配はなさそうである。

それではまた!