世界65カ国、400都市に展開する世界最大のタクシー(ハイヤー)配車アプリのUBER(ウーバー)。未上場企業ながらUBERの評価額は625億ドルに達し、2009年の創業からわずか7年で評価額では大手自動車会社のフォード、GMを上回る規模に成長した。
日本では法規制の関係で、馴染みの薄いサービスかもしれないが、ここタイ・バンコクでは、日常的に利用するユーザーが着実に増えている。
※厳密に言うとタイでもUBERは白タクにあたりグレーゾーンのサービスである。

「そもそもUBERって何? 使ったことがない」という方は、以下の記事で使い方を詳しく紹介しているので、ぜひご覧いただきたい。

バンコクでUBERを使ってみた | YINDEED MAGAZINE

僕も毎日のようにUBERを利用している。乗車時にドライバーと色々と話をするのだが、スクンビット界隈では、夕方から夜間だけで1日平均7〜8人、多い日で10人以上のお客さんを乗せているというドライバーが多い。利用客は、タイ人と外国人は同じくらいの比率だという。
運転手は日中は会社勤めをしている方が多く、平日夜間と土日の空いている時間にドライバーとして働き、1ヶ月あたり10,000B前後の収入があるそうだ。タイでの副業としては充分な収入だろう。
バンコクにおいてUBERは、利用客とドライバーの双方から支持されていると感じる。
さて、そのUBERが、2月24日からバイクタクシーの配車サービス「UberMOTO(ウーバーモト)」を新たにスタートさせた。

この記事の目次


UberMOTOとは?

ubermotoCR : https://newsroom.uber.com/thailand/ubermoto-en

世界の渋滞都市ランキングでワースト8位のバンコクにおいて、バイクタクシー(以下、バイタク)は渋滞を回避し、迅速に移動できる足として、なくてはならない交通手段のひとつである。
UberMOTOとは、UBERのアプリを使ってバイタクを配車できるサービスである。競合のサービスとしては、東南アジア最大のタクシー配車アプリ「Grab Taxi(グラブタクシー)」が展開する「Grab Bike(グラブバイク)」がある。
Grab TaxiとGrab Bikeについては、以前記事で紹介しているので参照いただきたい。

バイタクは基本的には近距離で利用するもの。料金は10B〜、BTSで1駅分なら30B前後が相場である。長距離ではタクシーの方が安くなるので、渋滞回避目的以外では長距離でバイタクを利用するメリットはほとんどない。
それでは、UberMOTOの料金はどうなっているのだろうか?

UberMOTOの料金体系

UberMOTOの料金体系は以下のとおり。

    • 初乗り 10B
    • 距離料金 3.5B/㎞
    • 時間料金 0.85B/分

UBER公式サイトより

これはかなり安いのではないだろうか。おそらく普通のバイタクよりも安く設定されている。
試しに一度使ってみようと思いながら、なかなか利用するタイミングがなかった。
だが、本日ようやく利用できたので今回は、UberMOTOの乗車レポートをお届けしたい。

UberMotoの使い方と乗車レポート

uber bangkok

UberMOTOは、UBERアプリから利用できる。UBERアプリのインストールは以下より。

iTunes Storeでダウンロード
GooglePlayでダウンロード

アプリの初期設定等は、こちらで説明しているので、今回は割愛させていただく。
今回、UberMOTOを利用したのは、MRTペッブリー駅からプラトゥーナム交差点まで。
普段、この間の移動は駅前に待機しているバイタクを利用するか、センセーブ運河のボートを利用していた。
ペッブリー駅からプラトゥーナム交差点までは、バイタクなら50B前後が相場である。

ubermotoMRTペッブリー駅前 アソーク・ペッブリー交差点

午前9時、出勤時間帯と重なったためバイタクもフル回転しているようで、ご覧のとおり長蛇の行列ができていた。センセーブ運河のボートは3月5日に爆発事故が起きたばかりで、さすがに利用するのは怖い。
ということで、ようやくUberMOTOを利用するタイミングがやってきたのだ。

ubermoto

アソーク・ペッブリー交差点でアプリを立ち上げ、左下の「UberMOTO」のアイコンにスライドさせる。配車予定時間はわずか2分。

ubermoto

通常のUBERと同様に、ドライバーの写真と車種、ナンバーが表示される。

ubermoto

配車依頼からすぐにドライバーが到着。やはりバイタクのベストは来ていない。バイタクは縄張りがあり、他のグループの縄張りで、乗客を捕まえることはご法度なのだ。バイタクのベストを着ていたら間違いなくペッブリー駅前のバイタクグループとトラブルになるだろう。

ubermoto

ちゃんとヘルメットも用意されている。

ubermoto

プラトゥーナム交差点へ出発!

ubermoto

相変わらずの渋滞だが、バイタクならマイペンライ。

ubermoto

およそ7分ほどで到着。クレジットカードでの決済なので、小額紙幣や小銭を用意する手間も省ける。普段なら50Bはかかるところだが、UberMOTOではいくらだったのか?

ubermoto

すぐに領収書がメールで送られてくる。気になる料金はご覧のとおりの結果だった。

  • 初乗り 10B
  • 距離 8.10B(2.32㎞)
  • 時間 6.50B(7.65分)
  • 合計 24.00B(小数点以下切り捨て)

やはり安い。普通のバイタクの半額程度である。
これは利用価値大!と言いたいところだが、必ずしもそうとも言い切れないかもしれない。
バイタクは配車スピードが命。サクッと捕まえられてナンボという乗り物である。今回は配車まで2分程度だったので利用したが、これが10分以上の待ち時間だったり、すぐ近くにバイタクがいて、同程度の料金だったらわざわざUberMOTOを利用することはないだろう。
ただ、朝夕の通勤・帰宅ラッシュ時に、バイタク待ちの行列に並んでいる方にとっては待望のサービスと言えるかもしれない。
現在のUberMOTOの利用可能エリアはバンコク都心のみ。UBERのようにこのバイタクサービスも順調に拡大していくことができるのか?
今後の展開に期待したい。

それではまた!