バンコク旧市街、ラッタナーコーシン島(運河とチャオプラヤー川に囲まれた王宮のあるエリア)からチャオプラヤー川に平行して走るジャルンクルン通り。今から150年前のラマ4世(モンクット王)の時代に馬車を支障なく通行させるために造られた、タイで初めての車道である。

ジャルンクルンとは「首都の繁栄」を意味し、ラマ4世により命名された。バンコクがラッタナーコーシン島からシーロム、サイアム、スクンビット、と東へ拡大していくその第一歩として踏み出されたのが、このジャルンクルン通りなのである。

バンコクはラマ4世が願ったとおりに発展を遂げ、アジア屈指の大都市となった。

バンコクの近代化を象徴するジャルンクルン通りには、昔ながらの商店や歴史的建造物が立ち並び、往時の面影を色濃く残している。街歩きが楽しくないわけがない。古き良きバンコクに思いを馳せながら散策できるのが、ジャルンクルン通りの魅力である。

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ジャルンクルン通り

全長8,575mに上るジャルンクルン通りの中で、ハイライトといえるのが、BTSサパーンタクシン駅から国鉄フアランポーン駅までのおよそ3km強の区間だ。

チャオプラヤー川沿いの名門ホテル「マンダリン・オリエンタル」をはじめ、コロニアル様式の歴史的建造物、創業100年以上を誇る食堂、世界最高層のルーフトップレストラン「シロッコ」など、この区間には見どころが密集している。

そこで今回は、「歴史香るバンコク最古の車道、ジャルンクルン通りを歩く」と題して、BTSサパーンタクシン駅から国鉄フアランポーン駅までの街歩きを読者の皆さんと楽しんでみたい。

この記事の目次


インクリメントP社のオンライン地図を使用

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街歩きに欠かせないものと言えば、「地図」。

今回は、オンライン地図サイトの先駆け、インクリメントP社が運営する「MapFan」のオンライン地図(デモ版)を使い、ジャルンクルン通りを歩いてみることにしよう。

街歩きのルートは上の画像のとおりだ。 各スポットの詳細地図は、本文中に全て掲載した。

さぁそれでは、歴史香るジャルンクルン通りの街歩きに出かけよう!

街歩きの起点は、BTSサパーンタクシン駅

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BTSサパーンタクシン駅前のジャルンクルン通り

街歩きの出発はBTSサパーンタクシン駅から。

3番出口を降りた目の前の通りが、ジャルンクルン通りだ。本格的に街歩きを始める前に、まずは腹ごしらえをしておこう。

BTSサパーンタクシン駅地図

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お目当ての店は、創業100年以上を誇る老舗のアヒル料理店「プラチャック」。

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道路を横断し、ロビンソンデパートを左手に見ながらジャルンクルン通りを北上する。駅から5分もかからずプラチャックに到着。店頭に吊るされたアヒルが目印だ。

1909年創業のアヒル料理の名店「プラチャック」

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プラチャックのバミーヘーン

プラチャックは、1909年に創業されたジャルンクルン通りきっての老舗食堂。いつ来ても溢れんばかりのお客で賑わっている。ここでぜひ食べていただきたいのは、アヒル肉を載せた汁なし中華麺(バミーヘーン)だ。

僕はバミーヘーンに目がなく、これまでYindeedマガジンでも何度かおすすめのバミーヘーンを紹介している。

関連記事:ラチャダーで一番うまいバミーヘーンはここだ!

関連記事:一ソイ一品運動(OSOP)始動! 第1弾はトンロー・ソイ17のバミーヘーン

タイに住み始めて6年、これまで数えきれないほどのバミーヘーンを食べてきたが、プラチャックのバミーヘーンは五本の指に入るほどの旨さである。

僕の中で旨いバミーヘーンの条件として絶対に外せないのが、「タレ」がかかっていること。

タレがかかっていないバミーヘーンの場合、卓上に置かれた調味料で自分で味を整えなければならない。そうなるとナンプラーや唐辛子の味がメインになってしまい、個人的にはあまり好きではない。バミー屋台の多くはこのパターンである。

アヒル料理を扱う店の場合、料理に使用するタレがバミーヘーンにもかかっている場合が多く、このタレの有無がバミーヘーンの味に決定的な違いをもたらすのだ。

このプラチャックは、アヒル料理店であるのでもちろんタレがかかっている。

トッピングは、アヒル肉をはじめ、チャーシュー、ワンタン、蟹肉、揚げ豚など豊富な種類から選べるのもプラチャックの魅力のひとつ。

バミーヘーンは、ほんのりと八角が香り、いかにも老舗の中華系タイ食堂という趣を感じられる逸品。

バミーはいつも“汁あり”を注文するという方もぜひ、プラチャックのバミーヘーンを試してみてほしい。

  • 店舗名:Prachak(プラチャック)
  • 営業時間:8時〜20時半 (ソンクラン、キンジェー期間は定休)
  • 料金:バミーヘーン100B〜
  • 電話番号:02-234-3755
プラチャック地図

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腹ごしらえを終えたところで、いよいよ本格的に街歩きを始めよう。

行列のできる揚げバナナ屋台

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揚げバナナ屋台

プラチャックを出て、ジャルンクルン通りを北へ進む。歩道には昔ながらの商店や屋台が並び、車道はひっきりなしに車が往来している。これほど活気のある商店街は、バンコク都心では珍しくなってしまった。

少し歩くと、行列のできる揚げバナナ屋台に出会った。

TVでも紹介された人気屋台のようだ。バミーヘーンを食べたばかりだが、街歩きのお供に一袋買っておこう。(30B)

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揚げバナナ屋台地図

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揚げバナナをつまみながら歩いていると、右手にルブア・アット・ステートタワーが見えてくる。

説明不要だが、ルブアの屋上には映画ハングオーバー2にも登場したバンコクで最も有名なルーフトップレストラン「Sirocco」がある。

charoenkrungSirocco

今回はSiroccoには立ち寄らないが、Siroccoを訪れる方はぜひ、その前にこの周辺の街歩きを楽しんで欲しい。

ジャルンクルン通りを横断し、シャングリ・ラホテルに通じるジャルンクルン・ソイ42/1に入る。

美しい装飾が目を引くホワイトテンプル「ワット・スアンプルー」

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ワット・スアンプルー

今回の目的はシャングリ・ラホテルではなく、その途中にある仏教寺院「Wat Suan Phlu(ワット・スアンプルー)」だ。

ワット・スアンプルーは、決して有名な寺院ではないが、美しい装飾が施された白い本堂と「タイ×中華×西洋」の折衷様式で造られた木造建築物が目を引く、お気に入りの寺院のひとつ。

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チェンマイやランパーンなどのタイ北部に行くと、このようなデザインの木造建築を目にすることがあるが、バンコクではあまり見かけなくなってしまった。

本堂の内部には涅槃仏がある。はずなのだが、僕が訪れるときはいつも本堂への扉が閉まっており、残念ながらまだ一度も目にしたことがない。

ワット・スアンプルーは、ガイドブックでは紹介されるような寺院ではないが、ジャルンクルン通り散策の際には、ぜひ訪れてみて欲しい。

ワット・スアンプルー地図

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名門マンダリン・オリエンタルとコロニアル建築

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装飾が美しいマンダリン・オリエンタルのロビー

ワット・スアンプルーを出て、再びジャルンクルン通りを北上する。

せっかくこのエリアを散策するのであれば、バンコクを代表する名門ホテル「マンダリン・オリエンタル」にも立ち寄っておきたい。

レモングラスの香りが漂うロビーに一歩足を踏み入れるだけで、その格式の高さを存分に感じることが出来る。季節に応じてロビーの飾り付けも変わるので、何度でも訪れる楽しみがある。

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テラスが気持ち良い川沿いレストラン

時間(とお金)に余裕があれば、オーサーズラウンジでアフタヌーンティーを楽しみたいものである。僕含め節約派の方は、川沿いのレストランで食後のコーヒーを一杯いただいていこう。

マンダリン・オリエンタル地図

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マンダリン・オリエンタルを出て、チャオプラヤー川の方向へ歩いて行くと、目の前に美しい白亜のコロニアル建築が現れる。

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イースト・アジアティック・カンパニー

この建物は、デンマーク資本の「イースト・アジアティック・カンパニー」の旧社屋。同社はチーク材の輸出を目的として、1884年にチャオプラヤー川沿いのこの地で創業した。現在では世界中で貿易・海運業を手掛けるグローバル企業である。

社名を聞いてピンときた方もいると思うが、同社が所有していた川沿いの倉庫は、ナイトマーケット「アジアティック・ザ・リバーフロント」として生まれ変わった。

この旧社屋は今は使われていない。これだけのコロニアル建築は、何かしら再利用していただきたいものである。

イースト・アジアティック・カンパニー地図

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カトリックの総本山 アサンプション大聖堂

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アサンプション大聖堂

マンダリン・オリエンタルの前に立ち並ぶコロニアル建築の間を抜けていくと、ロマネスク様式の教会が姿を現す。今から約100年ほど前に設立されたバンコクにおけるカトリックの総本山、「アサンプション大聖堂」である。

大聖堂はミサの時間以外は、信者でなくても見学することができる。

静寂に包まれた大聖堂の内部は、まさに荘厳という言葉が相応しい。ドーム型の天井に施された幾何学的な装飾は圧巻の一言。これほどの教会がこんなに目立たない場所にあろうとは。

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アサンプション大聖堂内部

マンダリン・オリエンタルと合せて、ぜひ訪れてみて欲しい。

アサンプション大聖堂地図

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時を止めた旧税関

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旧税関

アサンプション大聖堂から来た道を50mほど戻り、下記写真の角を左折する。

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O.P. Place方面へ

しばらく歩くと左角にフランス大使館がある。大使館を左折し、奥へ進むとコロニアル様式の大きな建物が見えてくる。

1890年代に建てられた旧税関(Old Customes House)である。1949年にクロントゥーイに移転した後は、水上消防署として利用されてきた。建物上部にはめ込まれた時計は、いつからか時を止めたままだ。 

現在は廃墟になっており、内部の写真撮影は禁止されている。

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タイ人に人気の撮影スポットになっている

数年前に訪れた際には、おそらく不法占拠だと思うが、内部に人が住んでいた記憶がある。現在では中に入ることはできなくなっている。この旧税関は、ホテルとして再開発する話が持ち上がっているという。

この辺りはひと気もないので、日中の明るい時間帯以外には訪れない方が懸命だろう。

旧税関地図

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中国古代脚底按摩で悶絶

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中国古代脚底按摩「泰康」

いよいよこの街歩きも終盤戦。旧税関からジャルンクルン通りへ戻り北上する。シープラヤ通りとの交差点を通り過ぎると、目の前に小さな運河が見えてくる。

そろそろ足が疲れてきたという方は、少し寄り道をしてマッサージ店に寄っていこう。こんな時はタイマッサージではなく、しっかりと効く足つぼマッサージを受けたいところ。

運河を渡り左に進むと、「中国古代脚底按摩」という看板を掲げる古びたマッサージ店がある。

これまでバンコクでも、いくつかの店で台湾式足つぼマッサージを受けてきたが、ここは上手かった。

清潔なお店でないと受け付けないという方には向かないが、足つぼマッサージ好きならぜひお試しいただきたい。

痛みと気持ち良さの間で悶絶できること間違いなしである。

  • 店舗名:泰康(タイカン)
  • 営業時間:8時半〜21時 無休
  • 料金:足つぼマッサージ250B/時間
  • 電話番号:02-639-5519
泰康地図

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中華街の入口 中華大門

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中華大門

マッサージ店からジャルンクルン通りに戻り、再び北上すると大きな門が見えてくる。これは中華大門と言い、1999年にプミポン前国王の72歳の誕生日を記念して造られたものである。

この大門が中華街への入口となり、ヤワラー通りの起点となる。

中華大門地図

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由緒正しき黄金仏寺院「ワット・トライミット」

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ワット・トライミット

中華大門のあるロータリーを右折すると、すぐ左手に一際大きな寺院が姿を現す。

1283年、スコータイ時代に建立された由緒ある寺院「ワット・トライミット」だ。王室に寄進するために造られた格式高い第二級王室寺院である。

ワット・トライミットは、別名「黄金仏寺院」として知られている。その名のとおりピラミッド型の本堂の頂上には、高さ3m、全重量5.5トンの黄金で鋳造された仏像が安置されている。

※ワット・トライミットの拝観は8時〜17時まで。

ワット・トライミット地図

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ワット・トライミットの拝観を終えたら、フアランポーン駅はもう目と鼻の先だ。

バンコク最古のターミナル駅 国鉄フアランポーン駅

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ライトアップされた国鉄フアランポーン駅

ワット・トライミットから真っ直ぐ歩き、運河を渡ればフアランポーン駅(正式名称:バンコク中央駅)に到着する。

今回の街歩きは、ここが終点となる。

フアランポーン駅は、昨年開業100週年を迎えたバンコク最古にして最大のターミナル駅である。ドイツのフランクフルト駅をモデルにデザインされた駅舎は、いつ来ても旅心を刺激される。以前、以下の記事でもフアランポーン駅を取り上げたことがある。

関連記事:バンコクで最も旅情をそそられるカフェ Part.1

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美しいドーム型の国鉄フアランポーン駅構内

タイ国内は長距離バス網が発達し、どこへでもバスで行くことができる。また近年、急増したLCC(格安航空会社)により、鉄道よりもLCCの方が「安くて早い」という状況になり、以前に比べ、鉄道を利用する機会は激減している。

それでもフアランポーン駅では、地方から上京した者や帰省する者、寝台列車でマレー半島縦断の旅に出るバックパッカーなど、様々な人間模様を垣間見ることができ、僕にとってはバンコクで最も旅情を掻き立てられる、お気に入りの場所のひとつなのである。

街歩きの締めくくりには、ぜひフアランポーン駅の正面に並ぶ屋台街をオススメしたい。

日が傾くつれ、徐々にライトアップされていくフアランポーン駅を眺めながら、ビールと屋台メシで街歩きを振り返る。旅情に浸るにはこれ以上ないシチュエーションだ。

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フアランポーン駅前の屋台街

普段スクンビットで生活をしている方も、たまの休みの日にはぜひ、ジャルンクルン通りを散策してみてはいかがだろうか。

急激に変わりゆくバンコクの中で、いつまでも変わらない、古き良きバンコクの魅力を発見できるはずだ。

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2017年2月5日、フアランポーン駅前にて

フアランポーン駅地図

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地図情報提供

  • インクリメントP株式会社
  • 設立:1994年5月1日
  • 資本金:4億3,450万円(パイオニア株式会社 全額出資)
  • 本社所在地:東京都文京区本駒込2-28-8 文京グリーンコートセンターオフィス
  • 電話番号:03-6629-4850
  • E-mail:helloasean@incrementp.co.jp
  • HP:http://www.incrementp.co.jp/

地図データ整備

  • インクリメントPアジア(INCREMENT P ASIA COMPANY LIMITED
  • 所在地:22nd Floor Bhiraj Tower at EmQuartier
  • 689 Sukhumvit Road, North Klongton, Vadhana, Bangkok 10110,Thailand
  • 設立年月日:2015年1月
  • 資本金:1,480万バーツ(インクリメントP株式会社74%、MappointAsia (Thailand) Public Company Limited 26%)
  • 代表者:西沢 利光
  • 事業内容:ASEAN地域のデジタル地図データ整備