「涙腺が崩壊するほど感動的」、と日本でも度々話題になるタイのTVCM。

タイのCMは、世界最大の広告賞「カンヌライオンズ」で、これまでに数々の賞を受賞しており、世界がそのクオリティを認めている。

「えっ、そうなの? 見たことない!」 という方のために、CMをひとつご紹介しておこう。

日本でも最近何かと話題の「禁煙」についてのCMである。

禁煙を啓蒙するために、タイ健康促進財団が制作したCMで、2012年にカンヌライオンズで「アウトドア部門ブロンズ賞」を受賞している。

「子供が喫煙しようとすると止めるのに、なぜあなたは吸うのか?」

という根本的な問いかけに、喫煙者なら思わず胸を突かれたような思いになるはず。

タイではこのような情緒的なCMが多く、言葉が理解できなくても、思わず見入ってしまう。CMを見る楽しさをタイに来て初めて感じたかもしれない。

タイは映像制作において、世界トップレベルのクリエイティビティを発揮する国であることに疑いはないだろう。

そんな映像大国であるタイは、世界有数のソーシャルメディア大国でもある。

人口6800万人の約6割がFacebookのユーザーであり、バンコクにおいてはFacebookの利用率は、なんと100%を超えているのだ。日本ではFacebookは下火になりつつあると聞くが、タイにおいてはそんな気配は微塵も感じられない。Facebookは最早、生活に欠かせないインフラであり、マスメディアなのである。

バンコク都民のほぼ全員が見ているメディアであるFacebookに、広告を出稿しない手はない。

タイに暮らす我々のタイムラインには、日々、様々な広告が流れてくる。その中でも、昨年辺りから明らかに動画広告の比率が高まってきた。動画広告の数が増えるにつれ、クオリティも上がり、思わず見入ってしまう動画も少なくない。

そこで今回は、Facebookに出稿されている動画広告から、思わず目が釘付けになってしまうハイクオリティな動画を、【飲食店編】【旅行編】【イベント編】【不動産編】【その他】というジャンル別に15個厳選し、ご紹介したい。

それではまずは、飲食店編から行ってみよう!

この記事の目次


飲食店編

ド迫力のチキン丸焼き! Cocotto

 

スクンビット・ソイ39にあるステーキ店「Cocotte Farm Roast & Winery」。ステーキブームが続くバンコクで、最近話題のレストランだ。この動画は牛肉ではなく鶏の丸焼きだが、シズル感あふれる映像を見たら、思わずソイ39に足が向いてしまうだろう。

日系も負けてない! Morimoto Bangkok

 

料理の鉄人(3代目和の鉄人)として知られる森本正治氏が、昨年、チョンノンシー駅前のマハナコン・キューブにオープンした創作和食レストラン「Morimoto Bangkok」。
この動画は料理ではなく、KEMURIという名のカクテルのCM。料理だけでなくアルコールにもこだわっているということが伝わってくる内容だ。

回転寿司ならぬ、回転オイスター! Paris Bangkok

 

シーロム、ソイ・サラデーンにあるステーキ&シーフードレストラン「Paris Bangkok French Bistro」。まるで回転寿司のようなベルトコンベアーに載せられたオイスターを様々な食べ方で紹介している。オイスター好きならずとも行きたくなること請け合いである。

ハイソ〜な雰囲気が漂いまくり CRU Champagne Bar

 

セントラルワールドに併設されたセンタラグランドホテルの最上階にあるルーフトップバー「CRU Champagne Bar」。センタラグランドのルーフトップと言えば、Red Skyが有名だが、ここはそのさらに4つ上の階に位置している。360°の夜景&シャンパンというハイソな雰囲気全開の動画である。

旅行編

タイに行くならいつがベスト? Amazing Thailand

 

タイ政府観光庁が運営する「Amazing Thailand」による外国人観光客向けのプロモーション動画。「タイに行くならいつがベスト?」をテーマに、様々な切り口でタイの魅力を伝える内容だ。Amazing Thailandの動画は毎回クオリティが高く、新作が出るのを楽しみにしているのは僕だけではないはず。

プーケットで人気急上昇中のナイハーン・ビーチ Love Rawai

 

プーケット南部に位置するラワイ地区のプロモーションを手掛ける「Love Rawai」によるナイハーン・ビーチの動画広告。ナイハーンビーチは近年、欧米人を中心に人気急上昇中のビーチで、ドローンを駆使したこの動画はその魅力が存分に伝わってくる内容に仕上がっている。 

一度は泊まりたいプーケットを代表するリゾート Keemala

 

プーケット、カマラビーチを見渡せる熱帯雨林の丘の上に建つラグジュアリーリゾート「Keemala」。自然と一体となった空間に、「4つの架空の民族」をテーマとしたヴィラやコテージが作られており、この動画はそのコンセプトを伝えるために制作されたのだろう。
プーケットで一度は泊まってみたいリゾートの筆頭である。

イベント編

今、最も目にする動画広告?! 野外フェス KOLOUR

 

3月18〜20日の3日間、THAI WAKE PARKにて開催されるテクノ&ハウスの野外フェス「KOLOUR in the Park」のプロモーション動画。本来、昨年に開催される予定だったが、プミポン前国王の崩御に伴い延期になっていたイベントである。最近、頻繁にタイムラインに流れてくる広告のひとつだ。

EDM全盛のタイで、テクノ&ハウスを中心にした野外フェスは貴重である。日本ではLabyrinthに行っていたという方は、ツボにハマる音ではないだろうか。

自転車が大ブーム中のタイを象徴する Rocket Race 1.0

 

ここ5年ほど、自転車が大ブームのタイ。数十万円する自転車で疾走するタイ人の姿を見ることも珍しくなくなった。そんな今のタイを象徴するかのようなサイクリングレースが3月25日、サイアム・センターの駐車場で開催される。

不動産編

冒頭のドローン映像がキャッチーなコンドミニアム広告 RE/MAX Exclusive

 

米系大手不動産会社「REMAX」によるコンドミニアム販売のための動画広告。オフィス街サトーンに位置する高層コンドミニアム「Baan Piya Sathorn」のDuplexタイプのペントハウスで、販売価格は3650万B! 

高級コンドミニアムのコンセプトムービー The Reserve Thonglor 2

 

BTSトンロー駅近く、トンロー・ソイ2に建設中の高級コンドミニアム「The Reserve Thonglor 2」のプロモーション動画。上のBaan Piya Sathornとは異なり、部屋や外観などを紹介する直接的な内容ではなく、コンセプトムービーとなっている。

その他のジャンル

ローカルのようにタイを楽しもう!がテーマ Singha Beer

 

タイ大手ビール「Singha」による「ローカルのようにタイを楽しもう!」をテーマにした動画シリーズ。この動画はシリーズ第1弾で、「食」をテーマにしたものだ。

個人的にイチオシの動画広告! 語学学校 Inspire English

 

ランスアン通りにある語学学校「Inspire English」の動画シリーズ。バンコクを観光しながら英語を学ぶという内容になっている。これはチャオプラヤー川沿いの「ワンラン市場散策編」。タイ人向けの英語学習のための動画だが、タイ語を勉強している外国人にも分かりやすい内容になっている。

こんなに若い女性の先生であればモチベーション高く学べるはず。

iPhone7plusの割れた画面を修理する方法 Yuki Studio

 

BTSサパーンクワイ駅近くにあるスマホ関連機器を扱う「Yuki Studio」によるiPhone 7 Plusの割れてしまった画面の修理方法を動画で説明したもの。これをおおっぴらに動画で公開できるのは、タイならではではないだろうか。

最新レーザータグゲームスタジオのハイクオリティ動画 Maddox House

 

スクンビット・ソイ39(Soi Phromsi)にオープンしたコミュニティモール「Park 39」の2階にあるレーザータグゲームスタジオ「Maddox House」の動画広告。レーザータグゲームは、昨年辺りからスクンビットを中心に流行の兆しを見せつつあるエンターテイメントのひとつ。タイの芸能人を起用したクオリティの高い動画だ。

以上、思わず目が釘付け! タイのイケてる動画広告まとめ15選!をお届けした。

タイ在住の方であれば、一度は目にしたことのある動画がひとつはあったと思う。タイ以外に住んでいる方も、タイの“今”が伝わったのではないだろうか。

これだけハイクオリティの動画広告が増えてきたということは、ウェブ/ソーシャルメディア用の動画広告に制作費を割くクライアントが増えてきているということだ。

特にバンコクで、外国人とタイ人富裕層をターゲットにしたお店やサービスに関してはその傾向が強まっている。

日系ではまだ数えるほどしか目にしていないが、今後日本人向けのマーケティングにおいても、有効な手段になりうるだろう。

これだけのクオリティの動画を作ろうと思えば、その制作費は安くはないが、一度作ってしまえば、その活用方法は無限にある。ウェブサイトのように頻繁にアップデートする必要もなく、ランニングコストも掛からない。

タイでご商売を営むあなたも、今年は広告予算の一部を動画に振り分けてみてはいかがだろうか。

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