バンコク、特に日本人が多く暮らすスクンビットで、IQOSやVapeなど電子(加熱式)タバコの所持・使用による日本人の逮捕者が続出している。

YiNDEEDでは以前から下の記事などで注意喚起を促してきたが、タイでは電子タバコ(加熱式含む)の所持および使用は違法であり、違反すると最高で懲役10年、罰金50万バーツ(約170万円)のいずれかが科される。

これほど重たい罰則にもかかわらず、バンコクやパタヤ、プーケットなどの観光地では、電子タバコを吸っている日本人をよく見かける。
警察に見つかれば、もちろん「知りませんでした」では通用しない。

とうとう先週、知人がIQOS使用の現行犯で逮捕されてしまった。警察署に連行され、罰金5万バーツを請求され、最終的には2万バーツを支払ったという。

このことをツイートしたところ、ものすごい反響があった。

これから夏休みでタイを訪れる観光客の中には電子タバコの愛用者も多いことだろう。
今回は改めて注意喚起を促すために、この知人(A氏)が捕まった経緯から警察署での罰金の支払いまで、本人へのインタビューをお届けしたい。

この記事の目次


17時、フジスーパーにて

fujisuper

写真はイメージです

明石
明石:まずどのような状況で捕まったのか、経緯を教えてもらえますか
A氏
16時頃、場所はフジスーパー某店の喫煙所です。2人の警察官がイートインスペースの中にいるのが見えました。

A氏
知人から今はiQOSの取り締まりが厳しいとは聞いていましたが、これまで警察官の近くで吸っていても何のお咎めなかったので、大丈夫だろうと思い、iQOSを吸いはじめたんです。

明石
警察官から見える場所でiQOSを吸っていたんですね?
A氏
はい。iQOSを吸っていると、警察官がこちら指をさしているのを見て、「ヤバい」と思いましたね。
そして、警察官がこちらに向かってきたんです。

A氏
手に持ったスマホには、電子タバコの罰則「タイで電子タバコは違法で、違反した場合は最高で懲役10年、罰金50万バーツ」がグーグル翻訳で日本語で表示されていました。

明石
用意周到だ。完全に見張っていたんでしょうね。それを見せられてAさんはどう対応したんですか?
A氏
さすがにこれはマズいと思い、「二度とiQOSを吸わないので今回は注意だけで済ませてくれないか」とお願いしました。

A氏
それで一旦は、見逃してくれそうな雰囲気になったんですが、ひとりの警察官が強硬に反対し、結局警察署に連行されることになってしまったんです。

明石
警察署に連行はキツいですね…
A氏
警察署に着くと、詰め所のような建物に連れて行かれ、職業や職場だけでなく、「いい場所にオフィスがあるじゃないか。君は給料いくら貰っているんだね?」と根掘り葉掘り聞かれました。
明石
。。。
A氏
それで、「罰金を支払わなければ土日は拘置所に入ってもらって、月曜日に裁判になるけど、本当にそれでいいかい?」と聞いてきました。
明石
交渉の余地なしだったんですか?
A氏
就業時間中だったこともあり、一度社長に電話をさせてほしいと伝えたんですが、却下されてしまい、タイ人スタッフに署まで来てもらうことになったんです。

罰金5万バーツが請求される

baht

A氏
タイ人スタッフが警察官と話し合ったところ、5万バーツの罰金を科すという話になりました。
明石
5万バーツ(約17万円)!
A氏
私としては5万バーツは高すぎると思いましたので、承諾はできませんした。
タバコのポイ捨ては罰金2,000バーツなのだから、それくらいの額が妥当ではないか?と交渉をしましたが、警察は「話にならん」と取り合ってくれません。

A氏
そこから2時間ほど交渉を続け、最終的に罰金2万バーツを支払うことで警察官と合意に至りました。

明石
2万バーツなら御の字ではないでしょうか。それですぐに支払ったんですか?
A氏
はい、ATMで現金を下ろして、すぐに支払いました。帰り際に没収されていたiQOSが返却されたのには笑ってしまいました。(笑)
明石
違法なのに返却されるのがタイらしいですね。(笑)<

インタビューは以上。

日本人が狙い撃ちにされている!

IQOS

A氏によると、警察署にいた数時間の間に何組もの日本人がiQOSの使用で連行されてきたという。
日本人がiQOSを愛用していることは警察の間でもよく知られており、日本人が多く集まるスクンビットの各所(フジスーパー各店、クラブタイランドカフェ、ソイカウボーイ、スクンビット通り、ナナ周辺)で重点的に取り締まりを行っているようだ。

最近、車輌検問がいたるところで行われているが、検問の所持品検査でiQOSや電子タバコが見つかれば、現行犯逮捕となる可能性が高い。

A氏は、「法律は知っていたけど、まさが自分が捕まるとは思ってもみなかった」と言っていたが、おそらく大半の方がそう思っているのではないだろうか。

電子タバコの所持・使用で多くの日本人が捕まっているのは事実である。
在住者、観光客を問わず、iQOSやVape、電子タバコの類はタイでは控えるべきだろう。
せっかくの楽しいタイ旅行が警察に捕まり、台無しにならないよう、くれぐれも注意してほしい。