先月、今月と周りで不幸が続いていたので、どこかにタンブン(徳を積む)に行こうと思い、タイの友人に相談したところ、「それならワット・パーシー(パーシー寺)に行きましょう」ということになった。
ワット・パーシーとは、エカマイ・ソイ23のセンセーブ運河沿いにある仏教寺院で、パーシーとはタイ語で税金を意味する。「税金寺」という名前も変わっているが、名前に違わずその外観もインドのお城を思わせるインパクト抜群の奇抜なデザインのお寺なのである。
インドのお城を思わせるような外観
これまで訪れたことがなく一度行ってみたいと思っていたので、ワット・パーシーにその友人とタンブンに行くことになった。
ワット・パーシーには牛がいるらしく、その牛に餌を食べさせることもタンブンのひとつになる。まずは、前日の夜にその牛様の餌を買いに行くことからこのタンブンは始まった。
餌の買い出しにクロントゥーイ市場へ
牛様の餌は新鮮なものに越したことはないだろうということで、バンコクの台所的な存在であるクロントゥーイ市場に買いに行くことにした。
土曜日の深夜2時半、クロントゥーイ市場に到着。これくらいからが活気づいてくる時間帯だ。
ひととおり市場を散策し、パックブーン(空芯菜)を2袋買うことにした。
この大きな袋で、1袋あたり50B。さすがクロントゥーイ、激安である。
翌朝10時にワット・パーシーに行くことにし、一旦解散。
翌朝、ワット・パーシーへ
日曜午前10時、ワット・パーシーに到着。
空芯菜は、一旦境内に置いておき、お坊さんへのタンブン用のお供え物を買うため、目の前のセブンイレブンへ。
お寺の中や参道でもバスケットやバケツに入ったお供え物が売られているが、自分がお供えしたい物を買う方が良いということで、豆乳、水、パン、蛍光灯等を購入。
「なぜ蛍光灯?」と思ったが、蛍光灯は、「人生を明るく照らす」という願いを込めてのものらしい。
お供え物と併せてお坊さん用のお食事を屋台で買い、いよいよタンブンへ。
まずはお坊さんへタンブン
入って左手にあるこの建物でタンブンを行うようだ。
まずは、お供え物をお盆に載せる。
お供え物の用意ができたら、中においてある紙に不幸を振り払いたい人の名前を書く。
中に入って、すぐ左手にある祠に線香を立て、器に名前を書いた紙を入れる。
そこからしばらくは読経タイム。
読経タイムが終わり、順番にお坊さんへのお供え物を捧げる。
続いて、先ほど名前を書いた紙を取り出し、火をつけて燃やす。
受け皿に燃えている紙を移し、上から聖水を注いで消火させる。
この灰と聖水は、外にある大きな木にふりかける。
これでお坊さんへのタンブンは完了。続いて牛へのタンブン。
牛へタンブン
境内の左奥に牛舎があり、数頭の牛がいる。
買ってきた空芯菜をみるみるうちに食べていく。わざわざ深夜にクロントゥーイ市場まで買いに行った甲斐があった。
10分もしない内に完食。これで牛様へのタンブンも完了。
魔神ラーフ
ワット・パーシーには、スリランカから送られたという仏舎利(仏陀の遺骨)やヒンズー神話で太陽と月を飲み込み、日食と月食を引き起こすとされている魔神ラーフも祀られている。
奇抜なお寺ながら、日曜には朝から多くの参拝客が訪れ、駐車場もあっと言う間に満車に。
ガイドブック等ではあまり紹介されることのないお寺だが、地元のタイ人からは多くの信仰を集めているようだ。
これまでタンブンをするときは、シーロムにあるワット・フアランポーンに行っていたのだが、今後はこのワット・パーシーにもお世話になりそうだ。
ワット・パーシーは、夜間は閉まっているので訪れることはないと思うが、この辺りの夜の治安は良いとは言えない。ひったくりも頻発しているので、もし夜間にこの辺りを徒歩で訪れる方は、くれぐれも注意して欲しい。
それではまた!