みなさんは株式投資の経験はあるだろうか?
僕はタイに移住してからは全く取引をしていないが、日本ではインデックスファンド(指数連動型投信)を毎月定額購入していた。
取引を始めたのがリーマンショック直後だったこともあり、1年ほどで倍近くに値上がりし、美味しい思いをさせてもらったが、タイへの移住資金に充てるため全て売却。
タイに移住後は、生活するのに精一杯で株式取引をする余裕もなかった。だが歳を重ね、40歳が近づくとともに、しっかりと資産形成を考えなければならないと改めて感じていた。
今、タイ株式指数(SET)は過去最高値に迫る勢い
直近1年間のSET指数。8月末から上昇し続けている。(グラフ:SBI証券HPより)
もう一度、投資を始めようかと考え始めた今年8月。タイの株価指数(SET指数。日本のTOPIXのようなもの)がグングンと上昇を始め、8月、9月、10月と年初来高値を更新していた。10月10日には、23年9ヶ月ぶりに1700ポイントの大台に乗せ、1994年1月に記録した最高値1,753.73ポイントに迫る勢いで上昇を続けている。
「乗るしかない、このビッグウェーブに」
思い立ったらすぐ行動。タイで株式取引をはじめるには今しかない。
それにしても、なぜ今、タイの株式市場はこれほど活況なのか? 投資を始める前に、まずはその理由から頭に入れておきたい。
株のことなら証券会社に訊ねるべし。
ということで、タイ初のインターネット専業証券会社として2015年10月に営業開始したSBIタイオンライン証券のロバーツ・之子CEOを直撃し、話を聞いてきた。
なぜ今、タイの株式市場はこれほど活況なのか?
SBI THAI ONLINE CEO ロバーツ・之子
現 SBIホールディングス株式会社 海外事業管理部 部長 (日本)
前 Nomura security international 上場デリバティブテクノロジー 北米エリア部長(アメリカ)
前 Newedge e-solution support マネージャー (日本・アメリカ)
シカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネス MBA(アメリカ)
9月のSET指数は前月に比べ3.53%上昇し、1,673.16ポイントで引けた。北朝鮮の大規模な核実験により、地政学的な緊張状態が続いているにもかかわらず、9月末には23年来の高値を付け、2ヶ月連続の高値を更新した。
——なぜ、タイ株式市場が活況を呈しているのでしょうか?
記録的な上昇となったのは、投資家の信頼感が改善したことに加えて、北朝鮮問題から心理的な影響を受けた他の市場に比べて、タイ市場の魅力が高まっていることが要因だと考えられます。
9月の1日平均売買代金は587.55億バーツとなり、取引は極めて活発でした。
ただし、最近のタイバーツ安は海外からの資金流入が減る要因となり得ますので、短期的には、SET指数は踊り場を迎える可能性があると見ています。
インタビューは以上。
SET指数は踊り場を迎える可能性が高いということだが、株価は上げ下げを繰り返し、長期的には上昇していくものである。
直近10年のSET指数の推移(画像:SBI証券HPより)
それに何と言っても取引が活発という点が魅力だ。
SBIタイオンライン証券によると、タイで証券取引をするメリットとして次の4つが挙げられるという。
タイで証券取引をする4つのメリット
①キャピタルゲイン非課税!
日本ではキャピタルゲイン(差益)に約20%課税されるのに対して、タイは非課税。大事なことなのでもう一度言おう、タイは「キャピタルゲイン非課税」なのだ。20%の差はデカい。
※配当収入(インカムゲイン)については、日本の約20%に対してタイは10%課税。
②高配当の銘柄多し!
タイの株式は高配当の銘柄が多い。配当利回りは日本(東証一部)の約1.6倍にあたる3.09%!
※2017年6月時点、東証一部の配当利回りは1.9%。SBIタイオンライン証券調べ
③少額から取引が可能!
タイ株式には100バーツ以下で買える銘柄もあり、日本と比べてはるかに少額から売買できることもタイ市場の特徴。
株式取引に対して、「なんとなく怖い」とか「損しそう」という先入観を持っている方にとって、数百バーツ程度から始められるのであれば、心理的障壁は格段に下がるはず。
“投資”という金融リテラシーを身につけるための勉強の場としても、タイ株式はもって来いなのである。
④効率的なデイトレードが可能!
日本では「差金決済」として禁じられているが、タイでは同日中に同じ資金で同じ銘柄の証券を何度でも売買ができる。デイトレーダーには大きな魅力だろう。
なるほど、タイでの証券取引もなかなか魅力的である。
日本ではおなじみの株主優待制度が無いのが残念であるが、その分高配当に反映されていると考えることにしよう。
僕は日本ではSBI証券を利用していた。その使い勝手が良かったこともあり、タイでもSBIタイオンライン証券で口座を開設することにした。
念のためSBIタイオンライン証券の特徴をお伝えしておこう。
SBIタイオンライン証券の4つの特徴
SBIタイオンライン証券の日本語HP
①業界屈指の格安手数料
手数料は業界標準の半額となる0.075%!
②丁寧な日本語サポート
2名の日本人スタッフが日本語サポートデスクとして、日本人顧客のサポートを担当。Eメールであれば日本語で質問ができるので、「こんな初歩的なことを聞いたらまずいかな」と考えずに、わからないことはドシドシ日本語サポートデスクに問い合わせよう。
③簡単な入金方法
ペイメントゲートウェイを利用することで即時入金が可能。
④日本語のマンスリーレポート
今年9月から日本語の月間レポートの配信を開始している。レポート内容は下記のとおり。
- タイ株式相場サマリー
- 相場要因
- 銘柄情報(取引が活発だった10の銘柄情報等)
ウェブサイトも日本語版が用意されており、日本人がタイで証券取引を始めるには最適な証券会社と言えるだろう。
それでは続いて、口座開設から購入までのレポートをどうぞ!
SBIタイオンライン証券で口座を開設してみた
口座開設書類
下記の条件を満たした方のみ口座を開設することができる。
口座開設条件
- タイに在住の方
- 年齢20歳以上の方
- タイの銀行口座をお持ちの方(バンコック銀行、サイアム商業銀行、カシコン銀行、アユタヤ銀行のいずれか)
- タイの携帯電話番号をお持ちの方
条件を満たしている方は、口座開設手続きへ。
口座開設手順
1.日本語サポートデスク((support_jp@sbito.co.th)へEメール、もしくはSBIタイオンライン証券のHP内にある口座開設書類ご請求フォームから氏名・送付先住所・Eメールアドレスを送信。
2.届いた口座開設書類に必要事項を記入。
3.口座開設書類とパスポート、銀行通帳を持参し、SBIタイオンライン証券のオフィスへ訪問。(事前アポイントメント制)
口座開設と併せて証券口座への即時入金ツール「ペイメントゲートウェイ」の手続きも行う。ペイメントゲートウェイは申込みから開通まで1週間程度の時間がかかる。
※ペイメントゲートウェイ開通前でも振込で証券口座へ入金できる
営業時間:平日9時〜17時半(来社が難しい場合は応相談)
4.審査完了後、Eメールでユーザーネームとログインパスワードが送られてくる。
銀行口座から証券口座へ入金
証券口座への入金は、「ペイメントゲートウェイ」を利用する。
SBIタイオンライン証券のサイトにログインし、中央左の「ペイメントゲートウェイ」をクリック。入金元の銀行口座を選択して、入金金額を入力。
初回ログイン時に登録した四桁のPINコードを入力し、確認ボタンをクリック。
所要時間わずか1〜2分で即時に入金される。
いざ株式の取引へ!
タイ証券取引所(SET)HP
ペイメントゲートウェイで入金を済ませたらいよいよ株式の取引へ!
外国人が購入できるものは大きく下記の2種類。
- 上場株式
- ETF(上場投資信託)
タイの上場株式は業界最大手銘柄の売買が活発であることが多く、個別銘柄の選定も比較的容易だ。ちなみにタイで最大の時価総額を誇る企業はタイ石油公社(PTT)で1.21兆バーツ。※2017年11月7日の終値ベース
ETF(上場投資信託)とは、ある指数と同じ値動きをするように作られている投資信託で、上場しているので株と同じように売買ができる。分かりやすく言えば、日経平均やTOPIXを売買するようなものである。指数を売買するので、株式のように個別の会社を選ぶ必要がない。
「株式投資を始めたいけど、どの会社の株を買えばよいか分からない…」という方にとって、うってつけの金融商品なのだ。
僕が日本で投資していた金融商品もETFのような指数連動型の投資信託だった。まだタイの会社については知識が浅いし、初心者に優しいETFを買うことにした。
タイ証券取引所に上場しているETFは全部で16銘柄。SET指数に連動したものがあればそれを買いたいのだが、どうやって探せばよいのか…
日本語サポートデスクにEメールで問い合わせてみた。
——SET指数に連動したETFがあれば購入したいのですが、そのようなETFはありますか?
日本語サポートデスク:はい、いくつかありますが、「TDEX」は知名度があり、取引高も安定しているかと存じます。SET上場の取引が活発な上位50銘柄で構成されるSET50指数に連動するETFです。
日本語サポートデスクへの問い合わせで、SET50指数に連動した「TDEX」というETFがあることが分かった。
タイ証券取引所(SET)のウェブサイトで確認すると、運用資産残高はETF全体で2位。取引も活発だ。
よし、このTDEXを買うことにしよう。
銘柄選定と売買に役立つ3つのツール
Streaming
タイで株式取引を行うにあたって使うツールは主に下記3つ。
- タイ証券取引所(SET)のウェブサイト
- 株式分析&売買ツール「Streaming」
PCサイト、スマホアプリの両方で売買が可能。 - スクリーニング、ファンダメンタル、テクニカル分析ツール「efin Stock PickUp」
PC向けのダウンロード型ツールで、様々な条件を設定し、銘柄を抽出できる。業界別に騰落率、売買高、配当率、PER・PBR等をソートしたり、ファンダメンタルステータスの一覧や、産業ごとの値動き、各種チャート等を調べたりすることができる。
efin Stock PickUp
やっぱり日本語デスクが便利!
TDEXの購入にあたり、これまでの値動きを確認しておきたい。どうすれば値動きが調べられるのか? またしても日本語サポートデスクに問い合わせてみた。
——全ETFの値動きがグラフで見たいのですが、どこから見られますか?
日本語サポートデスク:Streamingの、Technicalに銘柄コードを入力いただくとチャートがご覧いただけます。
詳しくは添付のPDFをご確認くださいませ。リンクは念のためETF一覧となります。
実際にTDEXを買ってみた
10月18日時点で価格は、10.95バーツ。これは一株単位の値段で、TDEXの売買単位は100株。3,000バーツ分を入金していたので今回は200株購入した。
Streamingでの株式の購入手続きは下記の画像のとおり。
日本語サポートデスクが送ってくれた手順書を見ながら操作し、簡単に買うことができた。
今後、日本にいたときと同じように毎月定額購入しようと考えている。
その場で口座開設ができる! 11月16日〜19日開催のSET IN THE CITYへGO!
SET IN THE CITY 2017 開催概要
【日時】:11月16日(木)~11月19日(日)10時~20時(11月16日のみ12時開場)
【会場】:サイアムパラゴン5階 ロイヤルパラゴンホール
【主催】:タイ証券取引所(SET)
SET IN THE CITYはタイ証券取引所(SET)が主催する年に一度の個人投資家向けイベントで、20社以上の証券会社がブースを出展。SBIタイオンライン証券もその場で口座開設の申し込みができる日本語デスクを設置する。
期間中、来場にて口座開設した全ての方に12月末までの取引手数料が一律0.055%に割引(通常は取引金額により0.075%)になるプロモーションや、先着20名にSBIグループ会長北尾 吉孝著、「成功企業に学ぶ 実践フィンテック」の書籍を贈呈。
パスポートと銀行通帳(バンコック銀行、サイアム商業銀行、アユタヤ銀行、カシコン銀行のいずれか)を持参し、直接会場に行くか、下記E-mailアドレスでの事前予約もOK。
タイで証券取引をはじめるなら、SBIタイオンライン証券
以上、SBIタイオンライン証券の口座開設から実際の株式購入までのレポートをお届けした。
日本語版のウェブサイトがあるとは言え、完全に日本語化されているわけではない。SETのウェブサイトや取引ツールのStreamingも英語のみ。
英語が不自由な方にとっては少しハードルが高く感じるかもしれない。実際、僕もそうだった。
だが、日本語サポートデスクがその全てを補っている。僕も今回色々と初歩的な質問させてもらったが、お世辞抜きに素晴らしい対応だった。
日本ならググれば大抵のことは解決するが、タイでは株式投資に関する日本語の情報は少ない。だからこそ、手厚い日本語サポートが必要になる。
SBIタイオンライン証券はタイで唯一日本人スタッフがサポートしてくれる証券会社だ。実際に取引をしてみて日本人スタッフによるサポートのありがたみを実感できた。株式投資が初めての方でも安心して取引に臨むことができるだろう。
この記事を読んでタイの株式投資に興味を持ってくれた方は、ぜひ前述のSET IN THE CITY 2017に足を運んでみてはいかがだろうか。
本記事は、タイ株式の売買を推奨または勧誘するものではありません。
また株式には価格の変動等により損失が生じる恐れがあります。
投資にあたっての最終判断はお客様ご自身の判断でお願いいたします。
SBIタイオンライン証券
SBI Thai Online Securities Co., Ltd.
1768 Thai Summit Tower 31st Fl., New Petchburi Rd., Bangkapi, Huaykwang, BKK 10310
Website: www.sbito.co.th
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