バンコクには1,500店以上の日本料理店がある。大衆店から高級店、寿司、しゃぶしゃぶ、居酒屋等々、業態も多岐にわたり、およそバンコクにおいて日本料理に飢えることはない。

本格的な会席が楽しめる料亭や5つ星ホテルの日本料理店など、相手やシーンによって使い分けられるほど、バンコクには高級日本料理店も充実している。あなたも接待など、ここぞというときに利用する“鉄板”の高級日本料理店が1、2軒はあるのではないだろうか。

今回は、そんなあなたの鉄板店リストに加えてほしい、いや加えざるを得ないであろう最新の高級日本料理店をご紹介したい。

それは今年1月にオープンし、今、バンコクで接待に利用したい店No.1と言われるほど注目を集める「新日本料理としゃぶしゃぶ 刀(KATANA)」だ。

この記事の目次


話題作りに事欠かない、戦国時代を彷彿とさせる贅を極めた店内

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一軒家というよりも屋敷のような風格が漂う外観。通常の入口のほかに部屋直通のVIP専用入口も設けられている。

店内に一歩足を踏み入れると、豪華絢爛な純和風の内装に思わず声を失ってしまう。

katana能の舞台をイメージした個室

戦国時代をコンセプトとしたこの内装は、日本から宮大工や絵師を呼び造り上げられたものだ。全11室の個室はそれぞれコンセプトが異なる。能の舞台を再現した総檜造りの個室、黄金のVIPルーム、茶室など、どの部屋も一見の価値がある美しさだ。

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豊臣秀吉の黄金の茶室をイメージした個室

katana間仕切りを開ければ大部屋として利用できるkatana

天井の絵画は日本人絵師によるもの

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カウンター席もあり、一人飲みにも使える

日本人にとってもこの内装は圧巻といえるものだが、タイ人や外国人であればさらにその驚きは大きいはず。

日本人同士の会食はもちろん、外国人のお客様が相手でも、会食の話題作りには事欠かないだろう。

会食の前には日本史、特に戦国時代の歴史をおさらいしておくことをオススメする。ビジネスだけでなく、教養も身につけた人間だということをアピールしたいものである。

繊細で美しい本格派の日本料理

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まずは目で楽しむ

一見、内装勝負のお店か?という印象を持った方も少なくないと思う。正直、僕もこの内装を目にした時、衝撃は大きかったが、その反面、雰囲気重視で味は二の次なのでは? と疑念を持ってしまった。

得てして日本でもタイでも、このようなぶっ飛んだ内装のお店の料理は、値段不相応ということが多い印象を持っているのだ。

だがその疑念は料理を目にした瞬間、吹き飛んでしまった。

料理人の一皿にかける情熱が伝わってくるような美しい器と繊細な盛り付け。四季の移ろいが旬の食材と器で表現された目に鮮やかな料理の数々は、日本料理の真髄と言えるものだ。

日本料理は舌だけでなく、目でも楽しむものだということを再認識させてくれる。

豪華絢爛な内装に劣らず、料理も本格派なのである。

必食! 黒毛和牛しゃぶしゃぶ付き会席

メニューは会席からアラカルトまで豊富に揃っているが、接待利用なら料理全体をひとつの流れとして楽しめる会席がおすすめだ。

それでは同店イチオシの「黒毛和牛しゃぶしゃぶ付きの会席(永禄会席、全8品)」をぜひご覧いただきたい。※会席の内容は毎月変更になる。

座付:初鰹漬け

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関が原のたまり醤油に漬け込んだ初鰹をさっぱり柚子胡椒で。

お造り:桜鯛薄造り キャビアのせ

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新鮮な桜鯛の薄造りにキャビアが乗った斬新な一品。すだちを絞り、淡路島の藻塩につけていただく。

蒸物:フォアグラとトリュフの茶碗蒸し

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ポルチーニ茸とトリュフ、そしてフォアグラが入ったこれぞ究極の茶碗蒸し。

替鉢:ずわい蟹と帆立のクリーム焼き

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思わず見とれてしまう美しい盛り付けだが、熱々の内にいただきたい一品。ずわい蟹、カニ味噌、帆立を濃厚なクリームソースで。

揚物:鰆の湯葉巻き揚げ 桜海老あんかけ

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鰆と水菜のおひたしを湯葉で包み、旨みたっぷりの出汁あんかけと絡めていただく。

鍋物:A5黒毛和牛のしゃぶしゃぶ

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メインはA5黒毛和牛のしゃぶしゃぶ。美しい霜降りの和牛は、口の中で溶けていく絶品だ。肩ロースを使っているので霜降り牛にありがちなクドい脂っぽさはない。

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御食事:鍋地にて スープ仕立てきしめん

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〆はしゃぶしゃぶのスープで仕立てたきしめん。和牛と野菜の旨味がたっぷりとしみ出したスープは、何杯でも食べたくなる逸品。

甘味:抹茶とミルク寄せと水信玄餅

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山梨の銘菓である信玄餅を見た目も美しく昇華させた一品。さっぱりとした甘味で口直しに最適。

気になるお値段は…

これだけの会席であれば、気になるのはその値段。

黒毛和牛しゃぶしゃぶ付き会席(永禄会席、全8品)は、3,500B(税・サ別)。アルコールを入れても一人あたり5,000B以内に収まるはず。

しゃぶしゃぶ付き会席には、黒毛和牛以外に、松阪牛やイベリコ豚などのコースも用意されている。それぞれ料金は以下の通り。

  • 永禄会席(全8品)
  • 黒毛和牛 3,500B
  • 松阪牛 4,500B
  • イベリコ豚 3,200B
  • 薩摩黒牛 3,000B
  • 享禄会席(全5品)
  • 黒毛和牛 2,800B
  • 松阪牛 3,800B
  • イベリコ豚 2,500B
  • 薩摩黒牛 2,300B
  • 慶長会席(全7品)
  • 黒毛和牛 4,200B
  • 松阪牛 5,200B
  • イベリコ豚 3,900B
  • 薩摩黒牛 3,700B

タイ人のお客様の場合、松阪牛を希望することが多いようである。それでも一人あたり5,000B前後の予算でこの会席が楽しめる。

会席は毎月旬の食材を使ったメニューを開発し、すべてを入れ替えている。接待で頻繁に利用するという人でも、毎月旬の食材を味わう楽しみがある。

ちなみに6月は鱧(はも)を使ったメニューが登場予定ということだ。

日本人女性によるおもてなし

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同店には、2名の美しい日本人女性が常駐している。日本語で細かい要望を伝えられるのは、接待利用にはありがたい。

料理の説明もしっかりと日本語でしてもらえるので、まるで日本の料亭にいるかのような気分を味わえる。

外国人のお客様にも日本のおもてなしを体験してもらう良い機会になるだろう。

バンコクから世界に誇る日本料理店へ

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写真左:福田料理長

「舌の肥えたお客様ほど、満足してお帰りいただいています」

福田料理長はそう語る。

「創作料理のようなメニューもありますが、ベースは本格日本料理。すべて和の食材を使っています」

日々、試行錯誤を繰り返し、創り上げた料理には絶対の自信を持っている。

「美味しくて、接客が良くて、内装も綺麗というのは、このレベルの価格帯のお店では当たり前です。当店は、そこにエンターテイメント性を取り入れ、バンコクから世界で勝負できる日本料理店を目指しています。まずはミシュランに選ばれたいですね」。

年間300店が新規出店し、200店が撤退するタイの日本料理業界。まさに戦国時代の如く、日々激しい競争が繰り広げられている。

この戦国時代を生き抜き、バンコクを代表する日本料理の名店へと上り詰めることができるのか。

刀(KATANA)の戦いは始まったばかりだ。

新日本料理としゃぶしゃぶ 刀(KATANA)店舗詳細

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  • 店名:新日本料理としゃぶしゃぶ 刀(KATANA)
  • 住所:スクンビット・ソイ23
  • 最寄り駅:BTSアソーク駅、MRTスクンビット駅から徒歩10分
  • 予算:4,000B/人 〜
  • 営業時間:17時半〜22時半
  • 定休日:なし
  • 電話番号:02-088-0706
  • クレジットカード:可
  • 駐車場:あり
  • HP:http://ssjd-katana.com/ja/
  • Facebook:https://www.facebook.com/Shabu.katana/
新日本料理としゃぶしゃぶ 刀地図