ここ数年で旅をしながら仕事をするというライフスタイルが珍しくなくなった。

MacBookに代表されるノートパソコンの薄型軽量化をはじめ、SIMフリースマホ、Wi-Fiなどのネット環境が整備されたことで、場所を選ばず仕事ができるようになったことが大きな理由だろう。

僕で言えば、旅をしながら仕事をするのは苦手で、「いかに日常に旅を持ち込めるか?」ということを常に考えている。僕にとって旅とは非日常であって欲しいものだからだ。

つまり日常に旅を持ち込むということは、日常に非日常を創り出すということである。

それでは日常に非日常を創るにはどうすれば良いのか?
僕にとってその手段は、カメラだ。

毎日歩いてる道も、なにげなく眺めている景色も、ファインダー越しに覗けばまったく別の世界が広がっている。カメラがあれば普段は通らないソイも通ってみようかなという気になるのだ。

いつもは通らない道、いつもとは違う景色。それこそが非日常であり日常に旅を持ち込むということなのだと僕は思う。

この記事の目次


日常の生活圏を離れよう

khaosan road

カオサンロード(筆者撮影)

我々日本人にとってバンコクは外国である。だが日本人が多く暮らすスクンビットに数年も住めば、目に映るモノ全てが新鮮で毎日が旅行気分だった移住当初の感覚も、やがて日常となり好奇心は摩耗していく。
3〜4年も経てば、もはや異国情緒を日常で感じることは難しい。

だから僕は休日にはできるだけスクンビットや日常の生活圏を離れ、普段訪れない場所に足を運ぶようにしている。それは何も他県であったり海外である必要はない。バンコク都内でも非日常を感じられる場所はいくらでもある。
例えばカオサン。言わずと知れた世界最大のバックパッカーストリートだ。今ではバックパッカーだけでなく団体ツアー客も訪れるし、タイ人の若者のナイトライフスポットでもある。

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カオサンロードにはトゥクトゥクが似合う(筆者撮影)

世界中から観光客が集まるカオサンに来るとまるで透明人間になったかのような開放感を得られる。カフェであぐらをかいてダラダラと読書をしたりスマホをいじっていても誰に見咎められることもない。

スクンビットでは少し周りの目が気になってしまう。だから僕はたまの週末、カオサンに足を運ぶ。特に何か目的があるわけではない。ただお寺に行ったり、カフェで読書をしたり、道行く旅人を眺めているだけ。つまり何もしてないと言うわけだ。

あえてバンコク都内に泊まってみよう

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カオサンエリアのフォトジェニックな寺裏(筆者撮影)

時には帰宅せず、カオサンのゲストハウスに泊まることもある。そして翌朝から旧市街を散策するのだ。

休日の朝早く、スクンビットから旧市街まで足を伸ばすのは億劫だが、カオサンに泊まればそれもたやすい。
カオサンでなくても中華街ヤワラーやチャオプラヤー川沿い、トンブリーなどバンコクには非日常を味わえる土地は至るところにある。

wat ratchabopitバンコク旧市街には美しい寺院が多い(筆者撮影)非日常の場所を訪ねる。それが非日常を味わう最も簡単な手段である。
だが、その時間もないという方もいるかもしれない。
そこでカメラの出番なのだ。

Thaniya

日本の地方都市の風情が漂うタニヤ通り(筆者撮影)

カメラがあればいつものソイも非日常となる。
バンコクほど被写体が溢れるフォトジェニックな街は、そうそうないだろう。
せっかくこのフォトジェニックな街に暮らしているのだから、ぜひファインダー越しにもバンコクを覗いてみて欲しい。

観光資源が乏しい場所にこそカメラを持っていこう。

Jakartaジャカルタにて(筆者撮影)インスタ映えする有名な観光地や絶景は、もちろん写真撮影も楽しい。だが、カメラを持ってきて良かったと思うのは、有名観光地よりも観光資源に乏しい街を訪れたときだ。

先日、インドネシアの首都ジャカルタを訪れたときのこと。ジャカルタ自体は3度目の訪問だった。ただでさえ目ぼしい観光スポットがないジャカルタ。2度目までに主要な観光地はすべて回ってしまい、3度目にして行きたいと思える場所はなかった。

Jakarta

ジャカルタにて(筆者撮影)だけど僕にはカメラがあった。あてもなく街を歩き、被写体を探す。
観光地やインスタ映えするスポットはないが、ジャカルタには心温かいインドネシア人がいた。カメラを向けると皆、自分を撮ってくれと笑顔で撮影に応じてくれる。ほとんど全員の人が快く写真を撮らせてくれた。

ジャカルタには人を惹きつける観光地はないかもしれない。だが人懐っこいインドネシア人がいる。カメラは非日常の入口になる媒体でもあるし、コミニケーションを容易にする媒体でもあるのだ。
カメラがあって、心温かき人々がいれば、どんな観光地よりも忘れられない体験ができる。3度目のジャカルタで僕はそう心から思った。

街へ出よう、カメラを持って。

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バンコク・サムローン市場にて(筆者撮影)

アナタもいつも立ち寄る屋台のおじさんに声をかけて、写真を撮らせてみてもらってはいかがだろうか。きっと満面の笑顔で応じてくれるはずだ。

旅ゴコロを刺激する写真。それが僕の目指すもの。タイ在住者であっても旅ゴコロをくすぐられるタイの写真。タイに住んでいることが嬉しいと思えるような、タイに住んで良かったと思えるような写真を撮りたい。

タイ国内や周辺国を旅した際の写真は、僕のインスタグラム(@naoya_bkk)やツイッター(@naoya_bkk)にアップしているので、タイや東南アジアが好きな人、旅好きな人、写真好きな人はぜひフォローしてくれたら嬉しい。

このムービーは友人の@taiki_bkkが撮影してくれたもの。こんな感じで気が向いたときに平日・週末を問わず撮影に出かけている。

一緒にバンコクで写真を撮りに行ってくれる方、大募集中です!

 

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日常に非日常を。

街へ出よう、カメラを持って。