日本では昨年あたりから一部のカメラ好きの間で、「写ルンです」が流行っているという。
僕も学生時代(1998〜2002年)までは、「写ルンです」を使っていたが、デジカメやスマホが普及してからすっかりその存在を忘れていた。
写ルンです
平成生まれの方の中には、「そもそも『写ルンです』って何?」という方もいるかもしれないので、念のため説明しておこう。
「写ルンです」とは、富士フイルム社製の「レンズ付きフィルム」で、いわゆる使い捨てカメラである。デジカメが普及する前は、よほどの写真好きでなければカメラは持っていなかったので、この「写ルンです」で写真を撮るのが当たり前だった。
フィルムカメラなので、現像するまでどんな写真が撮れているかは分からない。そのドキドキ感が楽しく、現像が待ちきれなかった。誰にでも“奇跡の一枚”が撮れていた思い出はあると思う。
インスタで再ブレイク
インスタには「写ルンです」で撮った写真が21万件以上投稿されている
スマホ全盛の今、改めて「写ルンです」が流行っているというのは、SNS、特にインスタグラム(以下、インスタ)の影響と考えて間違いないだろう。
「他の人とはひと味違った写真をインスタに上げたい」
インスタを使っている人であれば、みな思うことである。
誰でも手軽にフィルムカメラ特有のレトロな雰囲気の写真が撮れる「写ルンです」は、そのニーズに合致したのだ。
インスタで「#写ルンです」を検索すると、21万件以上の写真が投稿されている。
このような味がある写真が撮れるのだ。
富士フイルム社の公式ウェブサイトには、写真家が「写ルンです」で撮った写真が掲載されているので、興味がある方はぜひ見てほしい。
僕も学生時代にバックパッカーでタイに来た時、「写ルンです」で写真を撮った。今も実家にはその時の写真が残っている。一時帰国の度にその写真を眺めては、東南アジアに熱狂した青春の日々を思い出す。
今のバンコクをもう一度、「写ルンです」で撮ってみたい。
そう思い、「“写ルンです”でバンコクを撮ってみた。」という企画を立ち上げることにした。
第1回目は、在住日本人に最も馴染み深い街である「プロンポン」だ。
それでは「写ルンです」で撮った11枚のプロンポンの写真をお楽しみいただきたい。
“写ルンです”でバンコクを撮ってみた。【プロンポン編】
エンポリアム
エムクオーティエ
エムクオーティエからエンポリアムとベンジャシリ公園を臨む
スクンビット通り
ソイ24の入口にある屋台
ソイ24
ソイ33/1
タイのバスにはフィルムカメラが似合う
ソイ33の入口にある屋台
プロンポンで最も猥雑なソイ33
ダイナソー・プラネット
きれいに撮るにはコツが必要
今回、約20年ぶりに「写ルンです」を使ったが、思いのほか難しかった。27枚撮りだったが、現像してみると1/3は暗くて使えない写真。曇天では、屋外でもフラッシュを焚くべきということが今回で分かった。
次回は晴天の日を狙って撮影に行こうと思う。
そしてなによりも、薄々は気づいていたが、プロンポンはフォトジェニックな街ではなかった。(笑)
今回はあまり良い写真が撮れなかったのが残念だが、今後バンコクの様々な街を「写ルンです」で撮り、紹介していきたい。
奇跡の一枚が撮れることを願って。