いよいよ今年もソンクラーン(タイの旧正月)が近づいてきた。ソンクラーンはタイ国内最大の旅行シーズンにあたり、在住者もタイ国外を旅行したり、日本へ一時帰国をする方が多いだろう。
日本への一時帰国の際、日本国内の通信手段に頭を悩ませていたのも今は昔。2016年にタイ最大手の通信会社AISから「SIM2Fly」が発売されたことで、日本国内でのネット問題に終止符が打たれた。
「え、SIM2Flyって何?」という方がいるかもしれないので念のため説明するが、本題は「SIM2Flyとは?」ということではない。SIM2Flyなら中国本土でもFacebook、インスタ、Twitter、LINE、グーグルが使えるということをお伝えしたいのだ。
今回は下記の順序で話を進めていきたい。
- なぜ中国本土ではFacebookやグーグルが使えないのか
- SIM2Flyとは?
- SIM2Flyを中国本土で使うには
- 実際に中国本土でSIM2Flyを利用し、SNSを使ったレビュー
少し長くなるが、海外で使えるSIMや中国本土に行く予定がある方は、最後までお付き合いいただければ嬉しい。
※読者の方よりTrueMoveの「TRAVEL SIM ASIA」なら4GB/399Bで中国本土でも利用できるという情報をいただきましたので追記させていただきます。
次回の訪中でTrueMoveの「TRAVEL SIM ASIA」を使用し、そのレビューをここに追記予定です。
Trueの「Travel SIM Asia」なら4GB/399Bで中国本土でも使えるという情報を読者の方よりいただきました。ただしこのSIM、日本は399Bの対応国ではなく899Bになります。中国ならTrue、日本ならAISが良さそう。 pic.twitter.com/jgc9XmoCbZ
— Naoya Akashi@バンコク (@naoya_bkk) 2018年4月1日
中国国内ではいつものSNSが使えない!
中国国内(香港、マカオを除く)は、グレートファイアウォールと呼ばれるインターネットの通信規制(検閲)がかかっており、我々が日常使っているFacebookやインスタ、LINE、グーグル、YouTube、TwitterといったSNSに接続することができない。
これらのサービスが使えないということは、何も出来ないということに等しい。
タイで働いている方なら、仕事の連絡手段もLINEやメッセンジャーを使っている場合が多いと思うが、それらが全く使えなくなるのだ。
使えない環境になってみて初めて、普段どれほどこれらのサービスに依存していたかということが身に沁みて分かる。
たまにはSNSデトックスもいいかもしれないが、仕事もあるし、そうも言ってられない。
グレートファイアウォールをくぐり抜ける2つの方法
このグレートファイアウォールをくぐり抜ける方法は大きく2つある。1つはVPNの利用、2つめは海外SIMでローミングを利用するという方法だ。
VPNが何かということは今回は説明しないので気になる人はググってほしい。
レンタルのWi-FiルーターはVPN付きのプランを選べる場合が多い。出張や旅行で中国を訪れる方の多くは、VPN付きのWi-Fiルーターを利用しているのではないだろうか。
2つめの「海外SIMでローミングを利用する」というのは、中国国外(タイや日本など)で契約したSIMを中国で使う(=国際ローミング)ということだ。国際ローミングを利用すればグレートファイアウォールをくぐり抜けられる。
普段使っているSIMでネットに接続できるのが国際ローミングのメリットだが、高額という点が唯一にして最大のデメリットである。
AISなどタイの通信会社でも国際ローミングサービスを提供している。試しにAIS(ポストペイド)のSIMを中国で国際ローミングする場合の料金を調べてみた。
AIS(ポストペイドSIM)中国向けデータローミング料金
AISのデータローミング料金ページより
様々な料金プランがあるが、有効期間1日の場合、500MB/450Bとなかなか高額である。
日本では海外パケット定額というサービスを各社が提供しているが、どこも1,980〜2,980円/日という横並びの料金。1〜2日程度ならこの金額でも仕方ないと諦めるが、数日だと出費がかさみすぎる。
そこでSIM2Flyの出番なのだ。
国際ローミングSIMの決定版! AISのSIM2Fly
画像:SIM2Fly販売サイトより
SIM2Flyとは、日本を含め世界70カ国以上で使える国際ローミング対応のSIMカード。これ1枚で、たった一度のアクティベーションで、SIMを差し替えることなく世界中で使える優れモノなのだ。
SIM2Flyには、Asia&Australia(17カ国)とEurope&Others(70カ国)の2種類がある。それぞれの対応国・有効期間と容量・料金は下記のとおり。
Asia&Australiaパッケージ
- 対応国:日本、韓国、シンガポール、マレーシア、香港、ラオス、インド、台湾、マカオ、フィリピン、カンボジア、ミャンマー、オーストラリア、ネパール、インドネシア、カタール、スリランカ
- ASEAN非対応国:ブルネイ、ベトナム
- 有効期間と容量:8日間4GB(期間中に4GB以上使うと低速128Kbpsに)
- 料金:399B
※2018年4月1日時点の情報です。最新の対応国、料金についてはAISのウェブサイトをご確認ください。
Europe&Othersパッケージ
- 対応国:アルゼンチン、ブルガリア、コロンビア、クロアチア、デンマーク、エストニア、イスラエル、リヒテンシュタイン、マケドニア、メキシコ、セルビア、スロヴェニア、オーランド諸島、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カンボジア、カナダ、チェコ、イングランド(イギリス)、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、香港、ハンガリー、インド、インドネシア、アイルランド、イタリア、日本、ラオス、マカオ、マレーシア、ミャンマー、ネパール、オランダ、ニュージーランド、北アイルランド、ノルウェー、オマーン、フィリピン、ポーランド、ポルトガル、プエルトリコ、カタール、ロシア、サンマリノ、スコットランド、シンガポール、南アフリカ共和国、韓国、スペイン、スヴァールバル諸島およびヤンマイエン島、スウェーデン、スイス、台湾、トルコ、米領ヴァージン諸島、アメリカ合衆国、ヴァチカン市国、ベトナム、ウェールズ、ラトビア、リトアニア、スリランカ、エジプト、アイスランド、クウェート、パキスタン
- ASEAN非対応国:ブルネイ
- 有効期間と容量:15日間4GB(期間中に4GB以上使うと低速128Kbpsに)
- 料金:899B
※2018年4月1日時点の情報です。最新の対応国、料金についてはAISのウェブサイトをご確認ください。
タイから出張や旅行で訪れる機会の多いベトナムは、Europe&Othersパッケージにしか対応しておらず割高。ベトナムに関してはSIM2Flyではなく、現地でSIMを購入することをオススメする。(現地SIMなら10GBでも1,000円程度)
そして注目すべきはどちらのパッケージも中国本土は対応していないという点である。
冒頭で「SIM2Flyなら中国本土でもFacebook、インスタ、Twitter、LINE、グーグルが使えるということをお伝えしたい」と言ったが、SIM2Flyは中国では使えないのかと言えばもちろんそんなことはない。
中国本土でSIM2Flyを使うためには上記以外のパッケージを購入する必要があるのだ。
AISのSIM2Flyを中国本土で利用する方法
世界最大の電気街、深セン「華強北」
AISショップに行き、SIM2Flyを中国で利用できるかと聞くと、2回に1回は「中国では使えません」という答えが返ってくるが、安心して欲しい。
中国本土に対応したパッケージは、先にご紹介した399B、899Bのものではなく下記のパッケージになる。
- パッケージ名:More than 60 Countries
- 有効期間:7日間
- 容量:100MB(期間中に100MB以上使うと低速128Kbpsに)
- 料金:250B
※7日以上使いたい場合、予め必要期間分の料金を支払い、「*111*350#」で継続手続きができる
※2018年4月1日時点の情報です。最新の対応国、料金についてはAISのウェブサイトをご確認ください。
他の2つのプランに比べて非常に割高だが、これも中国でSNSを使うために必要であれば仕方ない。
それでは本当に中国本土でFacebookやグーグル、LINEが使えるのか?
昨年の年末年始、中国雲南省とラオスを旅行した際にSIM2FLYを利用したので、そのレビューをお届けしたい。
実際に中国でSIM2FLYを使ってみた
SIM2FlyのSIMは以前買ったものを持っていたので、新規購入ではなくトップアップ(リチャージ)をするため、出発前にAISショップを訪れた。トップアップの場合、料金は下記のとおり若干割安になる。
Asia&Australiaパッケージ
画像出典:AISウェブサイト
Europe&Othersパッケージ
画像出典:AISウェブサイト
中国で使えるのはこれ!More than 60 Countries
画像出典:AISウェブサイト
中国用に7日間/100MB/250Bとラオス用に8日間/4GB/299Bのパッケージを購入した。SIMのアクティベーションにはパスポートが必要なのでお忘れなく。
昆明長水国際空港
2017年12月23日、バンコクから中国雲南省の昆明長水国際空港に降り立ち、恐る恐るスマホの電源をONにすると…
無事、ツイッターに繋がった。
昆明に到着。今回もSIMカードはAISのSIM2Fly。これなら中国国内でもツイッター、FB、Gメール、LINEが普通に使える!
— Naoya Akashi@バンコク (@naoya_bkk) 2017年12月23日
Facebook、インスタ、LINE、グーグル、YouTubeも問題なく繋がった。7日で100MBなので写真や重いデータの送受信はできないが、SNSやメール、グーグルマップを使えるのは本当にありがたい。
空港で回線速度を測ってみると、下り7Mbps、上り18Mbpsだった。決して速くはないが、SNSを閲覧するには十分なスピードだ。
タイ族の故郷、シーサンパンナ
その後、昆明からシーサンパンナ(西双版納)タイ族自治州、ラオスと旅をしたが、一度も圏外になることなく、問題なく利用できた。
この雲南省〜ラオス縦断の旅の写真は、ツイッターのモーメントでまとめているので興味がある方はぜひご覧いただきたい。
⚡️ “2017-2018年末年始「雲南省傣族自治州シーサンパンナ〜ラオス縦断の旅」”
2017-2018年末年始にタイ族の故郷、雲南省傣族自治州シーサンパンナから陸路でラオスに入り、ウドムサイ〜ルアンパバーン〜ビエンチャン〜パクセー〜ワット・プーと縦断した旅の記録をまとめた。https://t.co/ENbKvXG4Yl— Naoya Akashi@バンコク (@naoya_bkk) 2018年3月29日
今年のソンクラーン休みは、西安へ空路で入り中国国内のシルクロード横断の旅を計画している。また今回もSIM2Flyのお世話になるつもりだ。
それでは最後にSIM2Flyの購入場所をお伝えしておこう。
SIM2Flyの購入場所
タイ国内
- AISオンラインストア
- AISショップ
- スワンナプーム空港1階
- ドンムアン空港2階(ターミナル1と2の連絡口)
日本はAmazonで
- AmazonでAsia&Australiaパッケージを見る
- AmazonでEurope&Othersパッケージを見る