インドネシア・バリ島からイランまで続く、アジアを横断する現代のシルクロードと呼ばれるアジアハイウェイ2号線(AH2)。

アジアハイウェイ2号線 AH2 は、アジアハイウェイの路線の一つである。 総延長は13,177km[1] (8,230mi) で、インドネシア・バリ州のデンパサールからシンガポール、マレーシア、タイ、ミャンマー、インド、バングラデシュ、ネパール、パキスタンを経由して、イ ラン・ケルマーンシャー州のコースラヴィ(英語版)に終着する。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/アジアハイウェイ2号線

バンコクからAH2を南下し、マレーシアのペナン島、マラッカに立ち寄りシンガポールまで、15年振りにマレー半島を縦断する旅に出ることにした。目的は、15年前に見逃した「マラッカ海峡に沈む夕陽」を見ること。
そのマレー半島縦断の旅の記録を連載でお届けしていく。
第6話となる今回は、いよいよペナン島からマラッカへ。はたしてこの旅最大の目的である「マラッカ海峡に沈む夕陽」を見ることができるのか?
これまでの記事は以下より。

アジアハイウェイ2号線を南下せよ! 陸路で行くマレー半島縦断の旅

それでは第6話「マラッカ海峡の夕陽編」をどうぞ!

この記事の目次


ペナン島からマラッカへバスで向かう

melaka

8月1日(土)、7時起床。
今日はいよいよマラッカへと向かう日だ。
はたしてこの旅最大の目的である「マラッカ海峡に沈む夕陽」を見ることができるのか? 期待と不安が入り混じる。
マラッカ行きのバスは9時発。
ゲストハウスからバス乗り場(コムター)への通り道には、カヤトーストが有名なToh Soon Coffeeがある。せっかくなので、朝食にカヤトーストを食べていこう。
カヤトーストって何? という方へ、以下オールアバウトさんの記事を引用して紹介する。

カヤトーストとは、卵とココナッツミルク、パンダンリーフ、砂糖から作られるカヤジャムを、カリカリに焼いた薄切りのパンに塗り、薄くスライスしたバター をサンドしたもの。これを、ジュクジュクの温泉卵に浸しながら食べます。ドリンクはコピと呼ばれる、コンデンスミルク入りの甘いコーヒーがベスト。口触り はカスタードクリームより少しざらっとした感じながら、なめらかな甘みのあるカヤジャムは優しい味わいで、まさに南国の朝にぴったりの一品です。
http://allabout.co.jp/gm/gc/384406/

バンコクでもカヤトーストが食べられるお店があるので、食べてみたいと言う方は以下のブログを参考にして欲しい。

バンコクに Ya Kun Kaya Toast がやってきた。 | タイの象のヘソ (旧マーライオンの腹の中)

Toh Soon Coffeeのすぐ近くの路地で朝市が開いていた。

penang

フルーツ屋台でマンゴー、ドラゴンフルーツ、ションプーの盛り合わせを購入。(3RM)

fruit

そういえばタイでは、フルーツ屋台で盛り合わせを見かけることはほとんどないな。

8時前にToh Soon Coffeeに着くと店は既に満席。

Toh Soon Coffee

かろうじて相席で座る場所を確保し、カヤトーストとコピを注文。
待つこと20分。

Toh Soon Coffeeカヤトーストとコピ

これがペナンで一番有名なカヤトーストか。
どんな味かな〜?
ん……
まったくもって普通だ。
正直、決して美味しいとは思えない。
なぜこれほど人気があるのかという理由は分からなかった。
相席したローカルの年配のご夫婦も、この店は毎日満席だが、オーダーしてから時間がかかるし、味も普通。なぜこんなに人が入るのか分からないと言っていた。

カヤトーストは残念な味に終わったが、朝市も行けたし、まぁ良しとしよう。
バス乗り場に着くと、ちょうどバスが来たところだった。

bus to melakaマラッカ行きの長距離バス

8時40分、乗り込むとすぐに出発。マラッカまでは約9時間の道のり。
橋を渡り、マレーシア本土へ。

penang

コロニアル建築好きにはたまらない街、ペナン。きっとまた訪れるだろう。
ここから再びアジアハイウェイ2号線(AH2)をマラッカに向かってひたすら南下する。

ah2

鬱蒼とした熱帯雨林をアジアハイウェイは駆け抜けていく。
バスにトイレはついていないため、途中2時間おきくらいにパーキングに停車する。
14時半、クアラルンプールの手前のパーキングエリアで昼食休憩。

ah2

ここまでくれば、マラッカまであと少し。

マラッカへ到着。はたして夕陽を見ることが出来るのか?

melaka bus terminalマラッカ・セントラルバスターミナル

17時半、マラッカセントラルバスターミナルに到着。
ここから観光の中心地で世界遺産エリアでもあるオランダ広場周辺まではタクシーかバスで向かうことになる。
宿に向かう前に、明日のシンガポール行きの国際バスのチケットを買っておこう。

melaka busterminal

シンガポール行きは多くのバス会社が路線を持っている。
明日9時発のチケットを購入。(26RM)
チケットも無事ゲットしたところでオランダ広場行きのバスターミナルに向かう。
17番プラットホームのバスが、オランダ広場方面行きだ。

melaka busterminal

バスターミナルからオランダ広場近くバス停までは約15分。
バス停に到着すると急いで予約しているゲストハウスに向かう。

melaka
River One Residence

ゲストハウスにチェックインし、この時点で時刻は18時45分。
もう日が沈むまで時間がない。
逸る気持ちを押さえてオランダ広場に向かう。

melakaヨーロッパのような街並み

melakaオランダ広場までの道は大渋滞

オランダ広場は土曜日ということもあり観光客でごった返していた。

melakaオランダ広場(写真は早朝に撮影)

夕陽を見るなら小高い丘の上にあるセントポール寺院しかない。
セントポール寺院横のスタダイスを一気に駆け上がる。

Stadthuys

気分は完全に沢木耕太郎。(笑)
ドラマ「深夜特急」でも大沢たかおが駆け上がっていた階段だ。

melakaYoutubeでこのシーンを見る

セントポール寺院に着き、マラッカ海峡を見渡すと空はオレンジ色に染まりつつあるところだった。

sunset melakaセントポール寺院からマラッカ海峡を望む

残念ながら太陽は雲にかかり水平線に沈む夕陽を見ることは難しそうだ。
まぁ、でも15年振りにここまで来たのだと、マラッカ海峡を見下ろしながらしばらく感慨に耽る。
でもこのままでいいのか?
やはり、ここまで来たら行くしかない、海辺に。
セントポール寺院を駆け足で下り、海辺を目指す。

melakaセントポール寺院

melakaセントポール寺院の中

そして海辺に到着。

melaka

ちょうど雲に隠れた夕陽が水平線に沈んでいくところだった。
この旅最大の目的だった「マラッカ海峡に沈む真っ赤な夕陽」は見ることができなかったが、このピンク色に染まる空を見て、僕は満足した。
15年前から今にいたるまで、僕の心の片隅にずっと引っかかっていたものが、スーッと消えていった。
明日のシンガポールがこのマレー半島縦断の旅の最終目的地だが、このマラッカで僕の15年越しのマレー半島縦断の旅は完結した気分だった。

30分ほどマラッカ海峡を眺め、満足したところで歩いてオランダ広場まで戻る。

夜のマラッカ

melaka海辺の側の街並み

Trishawド派手なトライショー

オランダ広場周辺の観光地には、このド派手なトライショー(三輪車タクシー)が街中を走り回っている。しかも爆音でEDMを鳴らしながら。

Trishaw爆音で駆け抜けるトライショー

しかも装飾はキティーちゃんやドラえもん、クレヨンしんちゃん、ディズニーなどアニメキャラばかり。
もちろん違法コピーのものだろう。
こんな乗り物にお金を払って乗るなんて、罰ゲーム以外の何物でもない。
一体誰が乗るのか? と見ていると、ほとんどは中国人観光客。
子供連れなら分かるが、大人だけでも嬉しそうに乗っているから、価値観とはわからないものだ。
とにかく、このトライショーが、オランダ広場周辺には大量にいる。
おかげで風情はまったくない。
オランダ広場からすぐ近くのジョンカーストリートという通りで開かれている観光客向けのの夜市に行ってみることにしたのだが、ジョンカーストリートの入口はド派手なトライショーで埋め尽くされている。

Trishawジョンカーストリートの入口にたむろするトライショー

Trishaw

どうしてこうなった…

という感じだが、需要があるということなのだろう。
そしてジョンカーストリートはこの人出。

jonker stジョンカーストリート

まるで大晦日の明治神宮のようにごった返している。
そのほとんどは中国人観光客だ。夜市の風情はまったくない。

jonker stジョンカーストリートの屋台

さすがに耐え切れず途中で裏道へ入る。

melaka

裏道にも屋台が広がっている。
観光客も多いが、ローカルの生活も混在していて面白い。

moskモスク

melaka

マラッカで街歩きをするなら、メインストリートは避け、裏道を散策することをおすすめする。
運河沿いは、バーやレストラン、ゲストハウスが連なり、いい雰囲気。

melaka

ここは一人旅よりも恋人や家族でくるべき街だということをしみじみと感じながら歩く…
ひと通り満足したところで、ゲストハウスに戻る。

さぁ、いよいよ明日はマレー半島縦断の最終目的地であるシンガポールへ!

次回、アジアハイウェイ2号線を南下せよ! 陸路で行くマレー半島縦断の旅 第7話〜マラッカからシンガポール編〜へと続く。

それではまた明日!