「タイのビーチリゾートといえば?」と問われれば、誰もが真っ先に挙げるであろう、プーケット。ビーチ、ホテル、食、物価、観光スポット、アクセスの良さ、ナイトライフ…
一つ一つを見れば、プーケットを上回るビーチリゾートはいくらでもあるが、トータルでバランスが良く、老若男女が楽しめる要素があるのが、プーケットの魅力だ。
2000年に初めてタイを訪れたとき、プーケットに来て、そのクレイジーとも言える楽しさに心を鷲掴みにされた。以来、東南アジアに熱中し、しまいにはタイに移住してしまった。そう考えると、プーケットは僕の人生を変えたと言えるかもしれない。
タイ移住後も休みがあればプーケットを訪れた。その数、50回は下らない。
30箇所以上あるビーチを制覇したり、プーケットタウンで食べ歩きをしたりと、飽きることなく何度も足を運んだ。
そしてここ4〜5年は、プーケットの北隣にあるカオラックにも訪れるようになった。
去年カオラックに行ったのは雨季に入ったばかりの5月中旬。その様子は以下の旅行記でお届けしたが、今年は雨季前に行っておきたいと思い、3月末に行ってきた。
というわけで、今回は乾季のカオラックへの旅行記をお届けしたい。
インスタグラムのストーリーでも今回のカオラック旅行の動画を投稿しているので、ぜひご覧いただけたら嬉しい。
カオラック旅行の3つの目的
今回のカオラック旅行の目的は次の3つ。
- シミラン諸島でスノーケリング
- タクアパーのオールドタウンでフォトウォーク
- メモリービーチで夕日撮影
期間は3泊4日。ミッションは3つだけ。何度も訪れていることもあり、余裕のあるスケジュールを組んだ。各ミッションの詳細は後ほど。
マリンスポーツにはあまり興味はないけど、写真は好き!という人にも楽しんでもらえる内容になっていると思うので、最後までお読みいただけたら嬉しい。
カオラックへのアクセス
カオラックはタイ南部のアンダマン海に面したビーチリゾート。島ではなく本土のビーチリゾートだ。
プーケットのすぐ北に位置し、プーケット国際空港から車で1時間ほど。ということは、パトンやカタなどプーケット南部のビーチに行くのもカオラックに行くのも時間的には大差ない。
そのことに気づいてから、カオラックに通うようになった。(年に1、2度なので、通うと言うほどでもないが。笑)
プーケット国際空港からカオラックまでは空港でレンタカーを借りるか、タクシーか、ホテルに迎えを頼むかの三択。僕はホテルに迎えを頼むことが多い。タクシーでもホテルのリムジンサービスでも料金は2,000B前後。
今回もホテルの送迎をお願いし、片道1,800Bだった。
カオラックがあるパンガー県は見どころが多く、一度の旅行ではとても回りきれない。
6年前に書いたカオラックの旅行記では、今回紹介する以外の観光スポットを紹介しているので、ぜひこちらにも目を通していただけたら嬉しい。
シミラン諸島に行くならホテルはLa Flora Khao Lakがおすすめ
La Flora Khao Lak
今回のホテルは、カオラックビーチに面した4つ星リゾート「La Flora Khao Lak(ラ・フローラ・カオラック。以下、ラフローラ)」。
このホテルを選んだのは、ホテル目の前のビーチから直接、シミラン諸島スノーケリングツアーのスピードボートに乗れるから、というのが最大の理由だった。
シミラン諸島へのスノーケリングツアーは、カオラックから車で20分ほど南に位置するタップラム港からスピードボートに乗るのが一般的だが、ラフローラは自社でツアーを催行しているため、ホテル前の桟橋からダイレクトに船に乗ることができるのだ。
朝早くからツアーの迎えの車を待つ必要もないし、終了時も桟橋からホテルに直帰できるのが素晴らしい。
ラフローラ前のビーチにある桟橋
ちなみにラフローラは、前回宿泊した「La Vela Khao Lak」や6年前に宿泊した「Casa De La Flora」と同系列のホテル。この系列のホテルはどこもレストランの料理が旨いのが推せる理由の1つ。
オンザビーチのリゾートホテルと聞くと、レストランも高そうなイメージがあるが、バンコクのデパート内にあるタイ料理レストラン並みの価格帯。タイ料理なら1皿200B前後。ロケーションを考えれば、かなりお得感がある。
カオラックはプーケットやサムイ島など他の有名ビーチリゾートより、ホテルもレストランも全体的に割安。お財布に優しいのがありがたい。
La Vela Khao Lak
La Velaはタイ人の若者が多く、スタイリッシュで都会的なデザインのリゾート。それに比べて、ラフローラは欧米人が8割ほど。ホテルの敷地内にはたくさんのヤシの木が植えられ、南国らしいトロピカル感満点のリゾートだ。
La Flora Khao Lak
どちらにも良さがあり、旅行の目的によって使い分ける楽しさがあるが、今回は目の前に桟橋があるラフローラに泊まることにした。
ラフローラとLa Velaは徒歩5分ほどの距離感。お互いのレストランやスパを利用する際には、ルームナンバーを伝えればOKというところも使い勝手がいい。
それでは3つのミッションのレポートの前に、ラフローラを簡単に紹介しておこう。
ラフローラの周辺環境
ラフローラから徒歩5分の繁華街
ラフローラはカオラックビーチに面しているだけでなく、レストランやマッサージ、お土産物屋が集まる繁華街まで徒歩5分という絶好のロケーションにある。
繁華街にはレンタルバイク屋や旅行代理店もあるので、ノープランで来ても問題ない。ちなみにレンタルバイクは1日250Bがこのあたりの相場。
繁華街の一角には「バンニアンナイトマーケット」もあり、ホテルから徒歩圏内だけで夜は十分に楽しめる。ちなみに今回ナイトマーケットに行ってみたが、週末だけ開催のようでやっていなかった。ピークシーズンなら毎日やっている可能性もあるので、行く前に確認してほしい。
泊まったのはデラックスプールアクセス
今回泊まったのは、デラックスプールアクセスというバルコニーからダイレクトでプールに入れる部屋。宿泊料金は3,990B〜。プールアクセスの部屋は何タイプかあるが、今月、来月はもうかなり予約が埋まっているとのこと。
プールアクセスにこだわらなければ、一泊2,000B前後〜という驚きのプライス。これがプーケットなら余裕で2〜3倍はするはず。ありがとう、カオラック!
部屋の広さは45㎡あり、2人分のスーツケースを広げられるスペースは十分に確保されている。子連れなら2ベッドルーム(76㎡)やシーサイドのプールアクセスルーム(56㎡)がオススメ。
窓際のソファも横になれるほどのサイズ
ベッドはキングサイズで両サイドにコンセントを完備。ベッド以外にもくつろげるスペースがあることを重視する僕にとって、ソファがあるのはありがたかった。
バスルームには大きなバスタブとシャワーブースが別々にある。水圧や温水の温度も問題なし。
バルコニーにはサマーベッドが2つ。ここでまったりする時間も良かった。
部屋目の前のプールも南国感たっぷり。
ラフローラのファシリティ
ラフローラのファシリティには5つのプール、ジム、キッズルーム、ライブラリーがあり、特に海に面したプールが素晴らしかった。公式サイトにたくさん写真が掲載されているので、ぜひ一度ご覧いただきたい。
背の高いヤシの木に囲まれ、目の前はアンダマン海というこれ以上ない最高のロケーション。リゾート感ハンパない。
ラフローラのビーチ
ラフローラはビーチフロントのリゾートなので、ホテルから直接ビーチに出られる。プライベートビーチではないが、カオラックのビーチはプーケットに比べて人が少なく、プライベート感があっていい。
透明度は特筆すべきものはないが、本土のビーチとしては十分にきれいだと思う。
ラフローラのレストランもレベル高し
ビーチフロントのレストランSIRE
今回は朝食2回、昼食1回、夕食の初日と2日目はラフローラのレストラン「SIRE」でいただき、最終日のディナーはファイヤーショーが行われるLa Velaのシーフードブッフェを楽しんだ。
La Vela名物のファイヤーショーは毎晩開催
SIREの朝食はバイキング形式でパンの種類が豊富だった。ヌードルやご飯ものは少なく、朝食は前回泊まったLa Velaのほうが充実しているかな。
朝食会場もSIRE
ディナーで食べたステーキもソムタムもトムヤムクンも大満足。トムヤムクンは特にナムサイがおすすめ。
オージービーフのテンダーロイン
夜のSIREもいい雰囲気
ランチでは南タイ料理をいただいたが、ロブスターはもちろん、トムカーガイ、パッミアンカイ、豚の角煮、ナムプリックが特に美味しかった。
ランチでいただいた南タイ料理
せっかくカオラックに来たら、ぜひ一度は南タイ料理にもトライしてみてほしい。
映えならこれ!フローティングアフタヌーンティー
せっかくプールアクセスの部屋に泊まるので、フローティングアフタヌーンティー(990B)を頼んでみた。
2人分のドリンクと、食べ切れないほどのケーキやタルト、マカロンにセイボリー。写真は映えるし、スイーツは美味しいし、彼女も喜ぶしで、一石三鳥でコスパよし。
これだけのスペックで1泊2,000B前後〜とは、マジでコスパ良すぎ。
ホテルの紹介は以上、それではシミラン諸島スノーケリングツアーからレポートをお届けしよう!
シミラン諸島スノーケリングツアー
世界中からダイバーが集まり、ダイビングの聖地として知られるシミラン諸島。“タイで一番美しい島”とも言われ、タイ在住中に一度は訪れるべき観光地として挙げられることも多い。
僕もピピ島、リペ島、クッド島、スリン諸島など、タイでも美しいと言われる島々に訪れたことがあるが、海の透明度、砂浜の白さで言えば、シミラン諸島が一番かもしれない。
シミラン諸島は自然環境保護のため、毎年5月中旬~10月末頃まではクローズとなる。今シーズンもあと1ヶ月ほどで終わってしまうので、来シーズンを待たずに本帰国を予定している人は、なる早で行くべし。
僕はシミラン諸島には10年ほど前にスノーケリングツアーで訪れたことがあるが、今回はそれ以来となる二度目。コロナ前は中国人の団体ツアー客でごった返していたシミラン諸島だが、今はどうなのか?それも気になるところ。
ツアー当日、8時にレストラン「SIRE」横にカウンターができ、そこがツアーの集合場所だった。
このツアー「Lazy Similan」といい、料金は一人3,900B。他のシミラン諸島ツアーに比べて値段は少し高いが、ラフローラに泊まっているのであれば、とにかく集合と解散が楽チンなので、強くおすすめしたい。
ホテルの宿泊とパッケージになったプランもあるので、詳しくは問い合わせてほしい。
参加者は欧米人よりアジア人のほうが多く、ガイドは英語とタイ語の二ヶ国語で交互に説明してくれた。
シミラン諸島は全部で9つの島があり、ツアーで立ち寄る島は、ミアン島とシミラン島の2つ。スノーケリングができるスポットは2箇所。ランチはシミラン島で弁当が用意されている。
桟橋からスピードボートに乗り込み、いざ出発!
ミアン島と僕たちのスポードボート
1時間ほどでミアン島に到着。海の青さ、透明度、砂浜の白さはため息が出るほど。特に青のグラデーションは本当に美しい。
ミアン島のビーチ
ミアン島のビーチ
続いて、第一のスノーケリングスポットへ。ここでアクシデント発生!
スノーケリングしながら動画や写真を撮ろうと、アクションカメラを持ってきたのだが、それがなんと防水ではなかったらしく、海に入れた10秒後に画面がシャットダウン。壊れてしまった。
今回のツアーは撮影を目的にしていたので、めちゃくちゃショック。というわけで海中の写真はなく、船の上からスノーケリングしている人を撮った写真のみ。ごめんなさい。
スノーケリングではなんとウミガメが出現。しかも二匹。
彼女は手が届くほどの距離までウミガメが近寄ってきたらしく、大興奮だった。ウミガメと泳げるのはいくらシミラン諸島でも珍しいらしく、参加者全員が大喜び。
こんな千載一遇のシャッターチャンスを逃すとは……!さらに落ち込む。
シミラン島
気を取り直して、メインのシミラン島に到着。青い、青すぎる。ビーチは目を開けていられないほど白く、サングラスは必須。さすがに団体ツアー客も多いが、許容範囲内。
ここでランチを食べたり、岩の上に登ったりと、皆思い思いに楽しむ。僕たちはあまりの暑さに岩の上に登るのは諦め、日陰で昼寝。
シミラン島
ちなみにランチの写真を撮り忘れてしまったが、他のツアー会社よりも豪華でクオリティも高かった。ちなみに船上では水やコーラなどのソフトドリンクやフルーツ、アイスクリームのサービスがあり、終了後にはフライドチキンともち米をお土産でいただいた。
シミラン島のランチタイム
シミラン島の後、もう1箇所だけスノーケリングスポットに立ち寄り、ホテルの桟橋に戻ってきたのは17時頃。天気もよく、ウミガメも出現。食事やスイーツのサービスもよく、スタッフもフレンドリーかつ気配り上手。大満足のツアーだった。
タクアパーのオールドタウンでフォトウォーク
タクアパーのオールドタウン
タクアパーというのはパンガー県の1つの区であり、カオラックもタクアパー区に属している。オールドタウンはカオラックビーチから車で40分ほどの場所にあり、古いプラナカンスタイルのショップハウスが立ち並ぶ一角。
プーケットのオールドタウンやペナン島のジョージタウンとは規模は比べるべくもないが、ほとんど観光地化されていないため、オールドタウン全体が20世紀初頭から時が止まったかのような雰囲気を漂わせている。
タクアパーのオールドタウンには過去2度訪れたことがあるが、本格的に写真を始める前だったり、スコールで土砂降りだったりで、まともに写真を撮ったことがなかった。今回が三度目の正直というわけである。
タクアパーのオールドタウンには2日目の午前中にホテルのタクシーで向かった。
念願のオールドタウン。歩いている人はほとんどおらず、車の交通量も少ない。もちろん観光客の姿は僕たちだけで、かなり閑散としている。だが、それがいい。
プーケットタウンやソンクラーの旧市街も大好きだが、タクアパーはこの寂れた感じが素晴らしい。旧市街にお決まりのウォールアートやおしゃれカフェなど、観光客が喜びそうなスポットもいくつかあるが、立ち並ぶショップハウスの多くは観光客向けではなく、日々の生活の場として使われているようだ。
タクアパーの福建会館
タクアパーは20世紀初頭に錫鉱山の開発のため、ペナン島やプーケットから移り住んだ福建系華人により開拓された街。プラナカン文化の北端でもあるようだ。
ショップハウスの装飾はペナンやプーケットに比べて、地味なものが多いが、ショップハウス好きにとっては見ているだけで垂涎モノ。
プラナカン建築特有のファイブフットウェイ
プーケットタウンでも見かけるウォールアート
撮影スポットには困らない
お土産にかわいいポストカードをGET
ただ3月末のカオラック、午前中とはいえ、めちゃくちゃ暑い。まさに灼熱。フォトウォークもそこそこに「KOPI KUAPA」というカフェに駆け込んだ。
このカフェがまた素晴らしかった。古いプラナカン様式のショップハウスを改装したカフェで、豪華な調度品の数々から往時の繁栄を偲ぶことができる。
KOPI KUAPA店内
KOPI KUAPA店内
KOPI KUAPA店内
KOPI KUAPA店内
ちなみにこのオールドタウンは福建系華人の街ということもあり、プーケットスタイルのホッケンミー(福建麺)が食べられるのも個人的な推しポイント。
プーケットのホッケンミー
もっと写真を撮りたい、食べ歩きたいという思いとは裏腹に、あまりの暑さに1時間ほどで退散。
オールドタウンでは乾季限定で日曜日の夕方にナイトマーケットが開催されているようだ。その情報を事前に知っていれば、夕方に来たのにと思いつつ、次回のリベンジを誓った。
雨季にナイトマーケットが開催されるかは定かではないが、もしタクアパーのオールドタウンに行くなら、真っ昼間ではなく、早朝か夕方がおすすめ。
オールドタウン、旧市街、華人、プラナカン、ショップハウス。こういった単語にそそられる人なら、絶対に楽しめるばず。
メモリービーチで夕日撮影
雨季のメモリービーチ
メモリービーチはカオラックビーチの北隣に位置するサーフィンで有名なビーチ。前回、雨季の旅行記では昼間のメモリービーチでサーファーたちを撮影したが、今回は夕日の撮影が目的。
夕焼けが砂浜に反射し、息を呑む美しさだと、前回訪れた際にホテルのスタッフに聞いたからだ。
チャンスは一日だけ。果たして美しい夕日は見られるのか?!
この時期の日没は18時半頃。1時間前の17時半にホテルを発ち、メモリービーチに到着したのは18時過ぎ。いい感じに陽が傾いている。
ここからの1時間が撮影のベストタイム。
しかもいい感じの夕焼け。
分刻みに空の色が変わる。彼女を被写体に夢中で写真を撮った。
気づけば水平線へと太陽が沈んでいった。ここから空が青くなり、ブルーアワーが始まる。
19時すぎまでで数百枚の写真を撮った。
美しい夕日に感謝。
旅の締めくくりとして、最高のサンセットだった。
また好きになっちゃったカオラック
やっぱりカオラックは良い。
バンコク近郊のビーチリゾートで例えると、プーケットがパタヤだとすれば、カオラックはフアヒン。パリピではなく、落ち着いた雰囲気を好む人向けのビーチリゾートである。
ホテルやレストランのコスパも素晴らしいので、プーケットばかり行っている人はぜひ一度カオラックにも足を運んでみてほしい。
La Flora Khao Lak
- 公式サイト:https://www.lafloraresort.com/
- MAP:https://g.page/laflorakhaolak
- Eメール:contact@lafloraresort.com
- 電話:+66 (0) 76-428 000
LAVELA KHAO LAK
- 公式サイト:https://www.lavelakhaolak.com/
- MAP:https://g.page/LAVELAKHAOLAK
- Eメール:contact@lavelakhaolak.com
- 電話:+66(0)76 428-555
Casa de La Flora
- 公式サイト:https://www.casadelaflora.com/
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- Eメール:contact@casadelaflora.com
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