日々新たな情報が報じられるバンコク連続爆破テロ事件。先週末もすでに逮捕されている2人の容疑者について新たな事実が公表されていたので、念のため以下の情報をシェアさせていただく。
- カンボジア国境付近で逮捕された男は、黄シャツ男ではなかった
- すでに逮捕された2人の容疑者の氏名が公表
- 2容疑者の内、1人は中国で中国で化学の学位取得をしていた
- 2人目の逮捕者は黄シャツ男に爆弾を渡したと供述
- 爆破テロの犯人像は?
カンボジア国境付近で逮捕された男は黄シャツ男ではなかった
カンボジア国境付近で逮捕された容疑者 画像出典:Thairath.co.th
バンコク連続爆破テロ事件に絡み、9月1日にカンボジア国境付近で逮捕された男がエラワン廟爆破テロの実行犯とみられる黄シャツ男かとの憶測が報じられていたが、DNA鑑定の結果実行犯ではない可能性が高いということが判明した。
タイ警察は4日、カンボジア国境近くで逮捕した容疑者の男についてDNA鑑定では実行犯と断定できなかったと発表した。報道官は「まだ可能性は残っている」として証拠探しに注力する姿勢を示した。警察が大量の爆弾材料を発見したアパートでこの男と同一の指紋が見つかっており「事件への関与は間違いない」としている。男は容疑を否認しているもようだ。
記者会見したプラウット報道官によると、黄色いシャツ姿の実行犯が爆弾を持ち歩いたとみられるリュックサック、タクシーなどの支払いに使った紙幣、タクシーの車内から採取した毛髪などを用いて鑑定したという。
バンコクのテロ容疑者、実行犯と断定できず DNA鑑定で 2015/9/4 | 日経新聞
すでに逮捕された2人の容疑者の氏名が公表
カンボジア国境付近で逮捕されたユスフ・ミーライリー容疑者 画像:時事ドットコム
爆破テロ事件に絡み、8月29日にバンコク東部のアパートで逮捕された男と、9月1日にカンボジア国境付近で逮捕された2容疑者の氏名が公表された。1人目の男は、アデム・カラダク。2人目はユスフ・ミーライリー。
国籍には触れていないが、ミーライリー容疑者は逮捕時に所持していたとされる新疆ウイグル自治区生まれの記載がある中国の旅券と名前が一致。事件にウイグル族が関与していた可能性が高まったと見られている。
タイの首都バンコクで起きた爆弾テロで、軍事政権の国家平和秩序評議会(NCPO)報道官は3日、当局がこれまでに逮捕した2人の外国人の名前を公表した。国籍には触れていないが、うち1人は逮捕時に所持していたとされる新疆ウイグル自治区生まれの記載がある中国の旅券と名前が一致。事件にウイグル族が関与していた可能性が高まった。
発表によると、2人はアデム・カラダク、ユスフ・ミーライリーの両容疑者。カラダク容疑者は8月29日にバンコク東部郊外のアパートで逮捕された。捜査関係者によれば、ミーライリー容疑者は同30日に逃亡先のカンボジア・プノンペン国際空港で身柄を拘束された後、タイ側に引き渡され、1日に逮捕された。
ウイグル族関与の可能性高まる=2容疑者名前公表-バンコク爆弾テロ 2015/09/03 | 時事ドットコム
ミーライリー容疑者は、爆弾製造に関与していた可能性
実行犯とされる黄シャツ男ではない可能性が高まったミーライリー容疑者であるが、爆弾製造に関与していた可能性が高いと見られ、爆発物の不法所持容疑で逮捕状が発行された。
報道官はまた、ミーライリー容疑者が「『黄色いシャツの男』とは思わない」と記者団に述べ、事件現場のエラワン廟(びょう)に爆弾を仕掛けた実行犯ではなく、爆弾製造に関与していた可能性が高いとの認識を示した。
バンコクの裁判所は3日、爆発物の不法所持容疑でミーライリー容疑者の逮捕状を出した。
ウイグル族関与の可能性高まる=2容疑者名前公表-バンコク爆弾テロ 2015/09/03 | 時事ドットコム
ミーライリー容疑者、中国で化学の学位取得か
ミーライリー容疑者が所持していたパスポート 画像出典:Bangkok Post
ミーライリー容疑者は、中国の教育機関で化学の学位を取得していたという情報が明らかにされた。
国家警察報道官は5日、事件に関与した容疑で逮捕したユスフ・ミーライリー容疑者が、中国の教育機関で化学の学位を取得したとの情報を得ていることを明らかにした。
ミーライリー容疑者は逮捕された際、新疆ウイグル自治区生まれと記された中国の旅券のほか、化学剤アセトンに関する化学式が書かれた文書を所持していたとされる。アセトンは爆弾製造に利用でき、アセトンを使った爆弾が過去に国際テロで使用されたといわれる。
中国で化学の学位取得か=バンコク爆弾テロ容疑者-タイ警察 2015/09/05 | 時事ドットコム
ミーライリー容疑者、黄シャツ男に爆弾を渡したと供述
エラワン廟爆破テロ実行犯とされる黄シャツ男
ミーライリー容疑者は、エラワン廟爆破テロの実行犯とされる黄シャツ男に爆弾を渡したと供述しているが、爆弾製造への関与は否定しているという。
タイの首都バンコクで起きた爆弾テロで、逮捕されたユスフ・ミーライリー容疑者が当局の取り調べに対し、実行犯とされる「黄色いシャツの男」に爆弾を渡したと供述していることが分かった。捜査関係者が6日明らかにした。
ただ、同容疑者は爆弾製造への関与は否定しているという。警察によると、爆弾が入っていたとされるバックパックの破片など遺留品から検出された黄色いシャツの男のものとみられるDNA型と、同容疑者のDNA型は一致しなかったことが既に分かっている。
「爆弾渡した」と供述=逮捕の容疑者―バンコク・テロ 2015/09/06 | 時事ドットコム
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