今回は、青山学院大学地球社会共生学部に在学中の池田壮志君からの寄稿記事をお届けしたい。

池田君は先月までバンコクのカセサート大学に半年間留学していた。留学期間中にタイ国内を旅行し、その中でもここは良かった!という、タイ北部チェンライ県にある雲海が見られることで有名な「プーチーファー」への旅行記を寄稿してくれた。

訪れたのは今年2月末。プーチーファーのベストシーズンは11月〜1月末と言われているが、はたして雲海に出会うことはできたのか? 

それでは池田君からのプーチーファー旅行記をどうぞ!

この記事の目次


ご来光と雲海を望むチェンライの秘境、プーチーファー

“日本のマチュピチュ”と呼ばれ、CMでも話題になった「天空の城」(竹田城・兵庫県)や“天国に一番近いカフェ”として注目を集めている星野リゾートトマムの「雲海テラス」(北海道)など、日本では近年、雲海ブームが起こっています。

そんな中、南国タイでも美しい雲海が見られるとの情報が!

今回はタイ北部・チェンライで見られる雲海スポット「プーチーファー(Phu Chi Fa)」の魅力をお伝えします。

雲海に包まれるプーチーファー

そもそもプーチーファーはどこにあるのか? Google mapで調べてみると、

プーチーファー地図

完全にタイとラオスの国境に乗っかっていますね。山の上はタイ。崖の下はラオス。 メコン川を国境にしている場所が多い両国にとっても山岳地帯が国境になっているのは珍しいです。

Phu Chi Fa

プーチーファープーチーファーの名前の由来としては、 「プー」=山、「チー」=指さす、「ファー」=空ということで 「空を指す山」といったところでしょうか。

確かに、山が尖って空に向かって突き刺しているようにも見えます。

プーチーファーへは、チェンライ市内からタクシーで

チェンライのバス停から行く方法や、前日に麓でキャンプする方法もありますが、ご来光と星を日帰りで見るという弾丸だったため、今回はチェンライ市内のホテルからタクシーを予約して行きました。

1時間半ほど真っ暗な道をひたすら進み、その後急に上り始めるタクシー。暗くてヘッドライトの届くところしか見えず、いろは坂よりもクネクネした道なのになんでこんなに飛ばせるんだ、タクシーのおっちゃん…… と少し酔っていると、急に止まるタクシー。 周りを見渡すと暗闇の中に明かりがちらり。

Phu Chi Fa山登りに行く人のために入口に屋台が並んでいたんですね。 4時半にここに来る人はいないらしく、心配になったのかタクシーのおっちゃんが 「いつもは待ってるけど特別だよ」と言って案内してくれることに!

Phu Chi Fa

チェンライ市内とプーチーファーの往復送迎と頂上までガイド、そして山登り用の強力ライトの貸出付きで、タクシー代2,000Bはお得だったのではと思います。 おっちゃん、ありがとう!

満天の星空に包まれる

Phu Chi Fa

プーチーファーの標高は1628mとそこまで高くないので、屋台からは15分ほどで頂上に着きます。ただ、この時間は非常に寒くなるので防寒着が必要です。

頂上に着いて周りを見渡しても、まだ5時前ということもあり誰もいません。 それもそのはず、日の出は7時前ですから…… しかし、私はこの時間にくることをおススメします! なぜなら…… 

Phu Chi Fa

見渡す限り満天の星が!

今まで見た中で一番の星空だったのではと思うほど、息をのむ景色でした。

神秘的なご来光

6時半を過ぎると段々と空が明るみ始め、徐々に観光客が山に登ってきます。

みんなのお目当ては……そう「日の出」です。 雲も出てきてみんながカメラを構えていると、いよいよ期待感が高まってきます!! そしてついに……

Phu Chi Fa

こんな日の出を見たことがあるでしょうか?!

日の光が雲を照らし、オレンジ色の球体となって現れます。 陽の温かさに包まれ、今まで凍えていたのがウソのよう。 雲の形は刻一刻と変わってしまうので、同じ光景は二度とみられないでしょう。

雲海のシーズンは11月から1月末と言われていますが、2月末でもぎりぎり見えました。

絶品カオソーイとご当地アイス

Phu Chi Fa

Barrabのカオソーイ

プーチーファーからチェンライ市内に帰ってきてぜひ食べていただきたいのが、 チェンマイをはじめとしたタイ北部で食べられるカレーヌードルの「カオソーイ」です。

上の写真は、トリップアドバイザーでチェンライのレストラン第2位に輝いた「Barrab」というお店のカオソーイ。

箸でほぐれるほど柔らかく煮込まれた鶏肉と太麺がカレー味のスープと絡み、食べ始めると止まらなくなる美味しさです。

Barrab地図

甘いものが食べたい方はナイトバザールの近くのアイス屋さんにぜひお立ち寄りを。

Phu Chi Fa

30Bでメロンの器(2種類のアイスのせ)が食べられます! もちろんメロンも入っています。

チャルムチャイ・コーシッピパットの世界にようこそ

Phu Chi Fa

ホワイトテンプル

チェンライをもっと楽しみたいという方には 元画家のアーティストであるチャルムチャイ・コーシッピパットが作ったもの巡りも良いと思います。

彼が作った有名なものの一つが市内からバスで20分ほどのところにある「ワット・ロンクン」、通称ホワイトテンプルです。

Phu Chi Fa

時計台

市内にある一時間に一回イルミネーションが点灯する時計台も彼の設計です。

バンコクにあるMOCA美術館にも彼の作品があるらしいので、興味のある方はぜひ訪れてみてください。

最後に

旅行の醍醐味である「美しい景色」と「絶品の地元飯」。今回ご紹介した雲海を望むプーチーファーは、日本では見ることのできないくらい綺麗な星空と、手が届きそうな距離で雲を見ることのできる数少ないスポットです。

今年の乾季(11月〜2月)は、プーチーファーを訪れてみてはいかがでしょうか。きっとあなたにとって忘れられない旅になると思います。