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バンコクで発生した2つの爆弾テロ事件

17日のラチャプラソン交差点エラワン祠で発生した爆弾テロに続き、昨日もBTSサパーンタクシン駅近くのサトーン船着場で爆発事件が発生した。

2件目の爆弾テロ事件の詳細は以下より。

バンコクの船着場で爆発、爆弾テロか BTSタークシン橋駅近く | newsclip

タイ警察と軍は、連続爆破テロと見ている。事件発生から3日目となる本日の現時点では、3件目の爆破テロは発生していない。
在住者の方であれば、TVやネット、ソーシャルメディア等で情報は入手されていると思うが、念のためこれまでの2日間で判明した事実や警察・軍の対応等を各メディアの記事を引用してまとめてみる。

爆弾テロの被害について

1件目のラチャプラソン交差点エラワン祠で発生した爆弾テロの被害者は、タイ地元紙タイラットによると現時点で死者20名(タイ人6名、中国人3名、マレーシア人4名、シンガポール人1名、インドネシア人1名、国籍不明5名)、負傷者123名となっている。
http://www.thairath.co.th/clip/24595

このエラワンの爆弾テロでは、日本人駐在員の安藤さんが被害に遭い、意識不明の重体で病院に運ばれていたが、現在は意識を取り戻しているという。

日本人の安藤紘太さんが、腹部などに大けがをして病院に運ばれたが、現在は意識を取り戻しているという。
安藤さんは、JR東日本から東京海上日動に出向し、タイに赴任していた。捜査当局は、これまでに犯行に使われたのは手製のパイプ爆弾で、およそ3キロの火薬が使われたとの見方を示している。
バンコク爆弾テロ 日本人男性、意識回復 | 日テレNEWS24

2件目のサトーン船着場の爆弾テロでは、橋の上から投げ込まれた爆弾がチャオプラヤー川に落ちたこともあり、幸い被害者は出なかった。

爆弾テロの容疑者について

エラワン祠の爆弾テロでは、周囲に設置された監視カメラに中東系の顔立ちの容疑者らしき男が映っていた。

バンコク都内ラートプラソン交差点で8月17日夜に起きた爆弾事件で、警察が同交差点のエラワン廟に立ち寄った男の行方を追っている。防犯カメラに残されていた映像では、中東系の顔立ち、きゃしゃな体つき、黒縁眼鏡の男が廟内のベンチに座ると背負っていたリュックサックをベンチに置いて立ち去っている。
この男について警察では、「犯人である可能性が50%以上」とみているという。
バンコク爆弾事件、「防犯カメラの男が犯人の確率50%以上」 | バンコク週報Web

今回使われた爆弾について、タイ深南部のイスラム過激派が使用している爆弾との関連性は見つかっていないという。

首都圏警察の爆弾処理担当者によれば、最初の事件で使われた爆弾は外国でよく使われている典型的な手製爆弾。起爆にタイマーが使われている点はタイで過去に使われた爆弾に類似しているものの、タイ最南部でイスラム過激派が用いている爆弾との関連性はみつかっていないという。
「監視カメラに容疑者」とタイ警察幹部 リュック現場に置き去る バンコクの爆弾テロ | 産経ニュース

同一犯の可能性

タイ警察は、2つの爆弾テロ事件とも火薬を詰めたパイプ爆弾が使われていることから、同一グループによる犯行と見て、監視カメラに映った黄色いシャツの男の行方を追っている。

タイ国家警察は2つの事件とも火薬を詰めたパイプ爆弾が使われたとし、連続テロとの見方を強めている。犯行声明は出ておらず、事件の動機や背景は不明。警察は17日の事件で現場に現れた黄色いシャツの男が実行犯である可能性が高いとし、行方を追っている。
2日連続でパイプ爆弾爆発 同一犯の可能性 現場から逃走の黄色いシャツ男は「爆破犯だ」と警察幹部 | 産経ニュース

ネット上では、早くもこの黄色いTシャツが販売されている場所が特定されている。

また、スワンナプーム空港やドンムアン空港では、容疑者と良く似た外見の外国人男性を別室に連行するケースが増えているという。
昨夜、スワンナプーム空港で容疑者に良く似た白人男性が、一時拘束され、タイのネット上で話題になっている。

我々日本人であれば、容疑者と間違われることはないと思うが、不要なトラブルを避けるため、当面の間はパスポート等の身分証明証は持ち歩いておいた方が良いだろう。

タイ全土で厳戒態勢

タイ警察と軍は、19日午前までに、タイ全土で厳戒態勢を取った。観光名所や政府施設、百貨店、市場、鉄道駅、空港、バスターミナルなど観光客や市民が多く集まる場所での警備を強化している。

爆弾テロがあったタイで、タイの警察と軍は19日午前までに、全土で厳戒態勢を取った。各地には検問所が設置され、観光客や市民が多く集まる場所で、警備に当たる人員が増強された。
19日付のタイ英字紙バンコク・ポストによれば、警察は、観光名所、政府施設、発電所、百貨店、宿泊施設、市場、鉄道駅、空港、バスターミナルなどでの警備を強化している。
爆弾テロのタイで厳戒態勢 | 産経ニュース

バンコク都内ラートプラソン交差点で爆弾事件が発生したことを受けて警察と軍が全国で観光地や政府機関の警備を強化している。
地方では県庁前などに人が集まり当局に対し、迅速な犯人逮捕、法律の厳格な適用や治安を維持するための措置の実施を要求。また、ネット上でも再発防止のための治安措置を求める声が高まっている。
ソムヨット警察庁長官は防犯カメラが容疑者の特定や犯罪の防止に役立つことから、関係政府機関に対し、市中の防犯カメラなどが正常に作動しているかを早急にチェックするよう命令した。
バンコク爆弾事件受け全国の観光地・政府機関で警備強化 | 朝日新聞デジタル

爆弾テロの影響

今月28日〜30日まで、バンコクで開催される予定だった日本文化のPRイベント「Japan Expo Thailand 2015」が爆弾テロの影響により延期されることが決まった。このイベントには、日本からAKB48が参加を予定していた。開催場所の大型商業施設「セントラル・ワールド」は爆弾テロの発生現場のそばにある。

AKB48参加のイベント延期 バンコク、爆弾テロ受け | 朝日新聞デジタル

タイ国際航空では、爆弾テロ事件を受けて、航空券の特別取り扱いを発表した。
詳細は以下より。

タイ国際航空は、2015年8月17日にバンコク中心部で発生した爆弾テロ事件を受けて、航空券の特別取り扱いを発表しました。変更は、日本地区タイ国際航空コールセンター、または航空券を購入した旅行代理店での対応とのことです。
タイ国際航空 爆弾テロ事件で航空券の特別取り扱いを発表 | アジアトラベルノート

少しずつ経済にも影響が出始めている今回の爆弾テロ事件。
タイへ訪れる外国人観光客の数は、今年は過去最高の3,000万人に達するのではないかと予測されていたが、それも難しくなりそうだ。
情勢が落ち着くまでは、観光地や人が密集する場所には極力近づかないなどの対策をした方が良いだろう。
とにかく、今後3件目、4件目の爆弾テロが発生しないよう、タイ警察と軍には徹底的な監視と警備の強化、そして一刻も早い容疑者の拘束を期待している。
また、新たな動きがあれば、追記していきたい。

在住者の皆さん、観光や出張でタイに滞在しているみなさん、くれぐれもお気をつけください。

それではまた明日!