パタヤの南約40kmにあるウタパオ空港に今、新規路線が続々就航している。
「え? ウタパオ空港? それってどこにあるの?」という方も少なくないだろう。
バンコク在住者にとってはウタパオ空港は身近な空港ではないが、2008年の反政府デモでスワンナプーム空港が閉鎖された際、一時的に代替空港として利用されことは覚えている方も多いのではないだろうか。
ウタパオ空港(正式名称:ウタパオ・ラヨーン-パタヤ国際空港(U-Tapao Rayong-Pattaya International Airport))は、ベトナム戦争当時、アメリカ軍の重要な作戦基地であり、パタヤはアメリカ軍の保養地として発展したという歴史がある。
現在でも、タイ海軍航空隊、アメリカ軍の基地としても利用される官民両用の国際空港なのだ。

ウタパオ国際空港地図

タイ政府はウタパオ空港を、スワンナプーム空港、ドンムアン空港に続くタイ国内第3の大規模な国際空港として整備する計画を打ち出している。計画の詳細は後ほどご紹介させていただくが、今年に入り、続々とウタパオ空港発着の新規路線が就航していのだ。
そこで今回は、直近でウタパオ空港に新規就航したまたは就航予定の国内外の路線をまとめてご紹介したい。
それでは、まずは国際線から行ってみよう!

この記事の目次


ウタパオ空港に就航した国際線

マレーシア・クアラルンプール

klクアラルンプール

今年7月16日に、エアアジアがクアラルンプールとの直行便を運行開始した。

マレーシアの格安航空大手エアアジアは16日、クアラルンプール(KL)とタイ東部のウタパオ国際空港(ウタパオ・ラヨン・パタヤ国際空港)を結ぶ直行便の運航を開始した。週4往復。使用機材はエアバスA320型機(180席)。2015年7月16日
パタヤの玄関口ウタパオ空港 エアアジアがKL直行便開設 | newsclip

中国・南寧、南昌

nanning utapao

エアアジアは、今年9月25日に南寧線、9月26日に南昌線の運航を開始した。南寧線は月、水、金、日の週4便、南昌線は火、木、土の週3便で運航している。

中国広西チワン族自治区南寧(英語: Nanning)| wikipedia
江西省南昌(英語: Nanchang)| wikipedia

タイ・エアアジアは2015年9月25日にウタパオ発着南寧線、9月26日に南昌線に就航します。南寧線は月、水、金、日の週4便運航で、南昌線は火、木、土の週3便運航です。使用機材はいずれもA320です。
スケジュールは南寧線がウタパオ発FD303便が10時、南寧発FD304便が14時でフライト時間は2時間15分です。南昌線はウタパオ発FD301便が10時、南昌発FD302便が15時10分でフライト時間は3時間25分です。 2015/09/05
タイ・エアアジア、9月にウタパオ発着2路線に就航 | Fly Team

シンガポール、マカオ

macauマカオ

エアアジアは、11月27日にシンガポールとマカオへの直行便を同時就航させる。

マレーシアの格安航空大手エアアジアのタイ法人タイ・エアアジアはタイ東部のビーチリゾート、パタヤの玄関口であるウタパオ国際空港とシンガポール、マカオを結ぶ直行便を11月27日に開設する。いずれも毎日1往復で、使用機材はエアバスA320型機(180席)。2015年9月28日
パタヤの玄関口ウタパオ空港 エアアジアがシンガポール、マカオに直行便 | newsclip

続いてはタイ国内の新規就航路線。

ウタパオ空港に就航する国内線

チェンマイ、ウボンラチャタニー、コンケーン、ウドンタニー、ドンムアン空港

kan air

 チェンマイをベースに国内線を展開するカーンエアが、ウタパオ空港発着の以下5路線に新規就航する計画を発表した。

ドンムアン空港
チェンマイ
ウボンラーチャターニー
コンケーン
ウドンターニー

カーンエアのサイトを見ると、上記5路線の内、チェンマイは既に運航されているようである。今後は、クラビやプーケットへの就航も計画しているようだ。

現在カーンエアはチェンマイをベースに国内線を展開していますが、今後ウタパオ空港を同社第2のハブ空港としていく意向のようで、クラビーやプーケットへの路線開設許可も申請しているとのこと。2015年3月6日
カーンエア、パタヤ近郊のウタパオ空港を発着する4路線に就航 | アジアトラベルノート

カーンエアだけでなく、エアアジアも11月にウタパオ−ウドンタニー線の新規就航を計画している。

Thai AirAsia is continuing network development at Utapao/Pattaya, as it plans to introduce additional 2 new routes from 27NOV15, in addition to new flight to Macau (previously reported). From this date, the airline will launch new daily service to Singapore and Udon Thani.
Utapao/Pattaya – Udon Thani
FD340 UTP0800 – 0905UTH 320 D
FD341 UTH0940 – 1045UTP 320 D
Thai AirAsia Continues Utapao/Pattaya Expansion from late-Nov 2015 | AIRLINE ROUTE

ウタパオ空港からサメット島、ラン島へ

koh sametサメット島

エアアジアは、ウタパオ空港からサメット島やパタヤ沖のラン島までのジョイントチケット(航空券と空港〜港までのミニバン、港〜島までのボートのチケットを組み合わせたもの)の販売を開始している。

対象となっているのは、パタヤ・ダウンタウン(セントラルフェスティバル・パタヤビーチ)、ラヨーン(レームトンプラザ)、サメット島(ナダン桟橋)、ラン島(ナーバーン桟橋)の4ルートで、前2つはミニバンによる移動、後の2つはミニバン+ボートでの移動となります(※10月3日時点ではラン島は予約不可)。2015年10月3日
タイ・エアアジア、ウタパオ空港発着でパタヤ中心部やサメット島などへの乗り継ぎサービスを提供 | アジアトラベルノート

ジョイントチケットの販売によりパタヤだけでなくラン島、サメット島にもより一層中国人を中心とした外国人観光客が訪れることになるのは間違いない。静かなビーチをパタヤ近郊で探すのは、今後至難の業になりそうだ。

なぜ、ウタパオ空港に続々と新規路線が開設されているのか?

それでは、なぜウタパオ空港にこれほど新規路線が開設されているのだろうか? 
冒頭でも述べたとおり、タイ政府はウタパオ空港をスワンナプーム空港、ドンムアン空港に続くタイ国内第3の大規模な国際空港として整備する計画を打ち出している。
現在、ウタパオ空港では第2乗客ターミナルを建設中で、来年6月に正式オープンする見通しである。このターミナルがオープンするとウタパオ空港の現在の年間対応能力80万人から300万人に大幅に拡大することになる。ちなみに現在の年間利用客は約20万人である。

タイ地元紙によると、現在の進捗状況は50%程度。来年3月にソフトオープン、6月に正式オープンする見通しだ。このビルがオープンすることで、年間対応能力が80万人から300万人に大幅に拡大する。また2万平方メートルほどの免税エリアも作り、民間企業に運営を委託する方針だそう。2015-09-15
ウタパオ空港、第2乗客ビルが来年6月に正式オープン | タイ通

来年以降もさらに施設を拡張させ、2018〜2020年には利用客を年間500万人に増やすとの計画も発表されている。

タイ運輸省と海軍は3日、軍と民間が共用する同国東部のウタパオ空港について、施設を拡張して民間機の発着枠を大幅に増やし、2018~20年には利用客を年間500万人に増やすとの計画を発表した。2015.6.3 23:16
タイ・ウタパオ空港、民間機発着枠を大幅増へ | 産経デジタル

スワンナプーム空港、ドンムアン空港、ウタパオ空港を結ぶ高速鉄道も計画されている。

タイ運輸省が、バンコク首都圏にある3つの空港を高速鉄道で結ぶ計画を検討することがわかった。タイ地元紙によると、この3つの空港とは、ドンムアン空港、スワンナプーム国際空港、ウタパオ国際空港。現在ドンムアン空港とスワンナプーム国際空港を結ぶ路線は、都内中心部のパヤータイ地区を経由する形で計画が進められている。今回この計画に加えて、スワンナプーム国際空港とウタパオ国際空港をつなぐ路線(約200キロ)の検討も開始するそうだ。2014-11-21
スワンナプーム~ウタパオ空港を結ぶ高速鉄道計画を検討 | タイ通

ドンムアン空港とスワンナプーム空港の路線は実現すると思うが、ウタパオ空港まではどうだろうか。スワンナプームからパタヤまでの鉄道路線も計画されていると聞いているので、その路線を延伸させる形になるのだろうか。

以上、ウタパオ空港に新規就航、または新規就航予定の路線と今後の計画についてお届けした。この計画が実現されればパタヤはこれまで以上にビジネスチャンスが広がるのは間違いない。観光業や不動産関連など今後、パタヤも要注目ではないだろうか。
一旅行者としては、観光客が増えることでホテルの宿泊費等の値上がりは必至であり、決して良い点ばかりではないが、観光業が主要産業でGDPの1割を占めるタイ政府としては、外国人観光客の誘致は国策でもあるだろう。
今後もパタヤ、ウタパオ空港の情報は定期的にお届けしていきたい。

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それではまた明日!