タイに赴任したばかり方の中には「駐在期間の資産形成をどうするべきか?」とお悩みの方も少なくないだろう。

むしろ悩まないほうがオカシイと言えるほど、海外在住者は資産形成・運用という面では決して恵まれてはいない。

「え?そうなの?」と驚いている方、ぜひこの記事を最後まで目を通してほしい。金融においては、「無知は罪」ということが痛いほどお分かりいただけるはずだ。

あなたと家族の人生を守るために、東南アジアで暮らす日本人が知っておくべきお金の常識とは?

今回は、知っているのと知らないのでは1億円以上の差がついてしまう、海外暮らしならではの資産運用についてお届けしよう。

この記事の目次


海外駐在は資産運用面ではデメリットばかり

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そもそも海外在住者(日本国の非居住者)は、日本国内の金融サービスが利用できない。どういうことかと言うと、以下のようなデメリットがあるということだ。

  • 日本国内で証券取引ができない。
    →例えば、長期投資に有効とされているインデックスファンドの積立投資ができない。
  • 個人型確定拠出年金や積立NISAに投資できない。
    →金融庁が推奨する非課税投資制度が利用できない
  • 日本の生命保険に加入できない。
    →例えば、子供が増えて死亡時の保険を追加しようとしても、新規加入や契約変更ができない。

この3つだけでもマジかよ!と思えるほどのデメリットだが、さらに海外駐在員は将来受取る年金額が削減される場合もある。海外駐在中の給与体系が日本本社と現地法人で分担されている人は要注意だ。

仮に、日本払い給与が10万円、現地払い給与が40万円相当、合計50万円の給与の場合、日本の社会保険料の支払いは10万円に対する計算となり、支払額が減ることになってしまうのである。

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つまり、将来の年金受給額も大きく減少することを意味している。

もちろん、海外駐在員に対して不利益が出ないように対策している会社も少なくないが、全く対策をしていない会社も多いと聞く。

将来受け取る年金が少ないと老後の生活も厳しいものに…知らなかったでは取り返しがつかないことになるのだ。

あまりのデメリットの大きさに辟易とするばかりである。海外に在留する日本人は2017年10月1日時点で135万1970人(出典:外務省「海外在留邦人数調査統計」)となり、過去最多を記録している。それにも関わらず、現在の日本の金融制度は海外に暮らす日本人のことはまったく考えられていないのである。

まさに絶望的とも言える状況だが、我々海外在住者にも唯一にして最大のメリットがある。

それは、香港に拠点のある保険会社で、「貯蓄性保険商品」に加入することができるという点だ。

東南アジア駐在の新常識! 香港での保険投資

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アジアを代表する国際金融センターである香港。古くから英国のタックスヘイブンとして機能してきた歴史を持つ香港では、欧米系の優れた保険商品が販売されている。

例えば、香港で販売されている貯蓄性保険の米ドル建での利率は、固定金利の商品で4%程度、変動金利では6%にも上る。日本でも欧米系の同様の保険商品が販売されているが、その利率は0.8%程度。

500万円の元本を各金利で65年間運用した例を挙げよう。

その差なんと、2億1233万2102円。

衝撃的と言える結果だ。

香港の保険商品は日本の保険と比較すると、同じ保険会社でも利回りが高いだけでなく、インターネットにおけるサービスレベルも高い。

さすが“金融先進国”と言えるだけの商品とサービスが提供されているのである。 

だが、そんなに高利回りで、デメリットはないのだろうか?

美味しい話は疑ってかかるべし。

バンコクで個人向けの資産運用コンサルティングを行うグルーバルサポートタイランド社の久米直也社長に、香港の保険商品について話を聞いてきた。

人生100年時代の資産運用とは

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平均寿命が伸び続ける我々日本人は、人生を100年で設計しなければならない時代になっている。

「俺は太く短く生きるから100年も必要ない」という方もいるかもしれないが、そんな人ほど長生きするものだ。

とにかく、人生100年という時代に我々はどのように資産を形成し、運用していくべきなのか。

教えて久米さん!

明石:タイ在住者の資産形成について、まず何から手を付けるべきでしょうか?

久米さん:資産形成ならびに運用を始める前に、目的・期間・金額を設定することが大切です。「何のために」、「いつまでに」、「いくら必要か?」、まずこの3つを設定しましょう。

例えば、「子供の教育資金のために18年間で500万円を作る」や「今あなたが35歳だとして、老後に働けなくなったときのために、30年後から年金以外に毎月20万円受け取れるようになりたい」というようなものです。

明石:なるほど。ただ闇雲に貯金や投資をするだけではダメだということですね。
久米さんはこれまでタイで2,000名以上に保険を含めた資産運用のコンサルティングを行ってきたと聞いていますが、どのような人が、どのような目的で相談に来られるのでしょうか?

久米さん:弊社では老後の資金(生命保険)と教育資金(学資保険)の相談を受けることが多いのですが、割合でいうと老後9:教育1です。

なぜこれほど偏っているかというと、学資保険は運用期間が15年未満では大きなリターンが望めないということが原因だと考えています。

久米さん:つまり、3歳を過ぎてから運用を開始しても思うような効果が得られないため、教育資金より老後資金の需要のほうが高くなっているのだと思います。

もちろん、0歳のときから運用を開始できる方であれば、学資保険もメリットが大きいです。

今回は多数派である「老後資金の形成について」聞いていくことにしよう。

元本500万円が約3億円に! 驚異の複利効果

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久米さん:バンコクでご相談をいただくことが多い35歳の方を例にとってみましょう。

30年後の65歳から毎年16,000USDを受け取りたいという方に向けたプランをご紹介します。その場合、投資元本は50,000USDとなり、3年間で全額払い込みます。

例)欧米系保険会社が香港で販売している貯蓄型保険の一例

  • 年齢:35歳
  • 年間保険料:16,643USD(約183万円)
  • 保険料払込総額:49,928USD(約549万円)
    ※(1USD=¥110で計算)

仮に65歳から100歳まで毎年16,000USDを引き出した場合、100歳の予定解約払戻金は159,589USD(約1755万円)となります。

  • 65歳から100歳まで36年間:16,000USD×36年=576,000USD
  • 100歳時の予定解約払戻金:159,589USD(17,554,790円)
  • 合計:735,589USD(80,914,790円)

もし35歳から100歳までの65年間、まったく引き出さなかった場合、予定解約払戻金は2,668,164USDとなり、日本円では約3億円となります。

明石:3億円! 500万円が3億円になるとは… 複利効果は凄まじいですね。

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久米さん:もちろん、100歳までまったく引き出さないということはありえませんので、実際の総額は5,000万〜1億円程度に落ち着くでしょう。

以前、7歳のお子様のために香港の貯蓄性保険に加入をしたお客様がいらっしゃいました。300万円の元本でしたが、65歳時に予定解約払戻金が1億円(税引前)に到達します。

明石:65歳時に1億円を受け取れるのですか… 老後の資金の心配がなければ、お子様もいろんなことにチャレンジできる人生を送ることができそうですよね。

ちなみに、このような富裕層向けのプランはあるのでしょうか?

久米さん:はい、富裕層向けのプランをご用意しています。具体的には保険料10万USDを一括で払込いただき、65歳から毎年38,000USDを受け取るプランです。

  • 年齢:30歳
  • 保険料払込総額:100,258.20USD(約1100万円)
  • 65歳からの年金額:38,000USD/年(約420万円/年)
  • 65歳から100歳まで年金受取総額:1,368,000USD(約1億5千万円)
  • 予定解約払戻金(100歳時):340,881USD(約3700万円)
  • 総額:1,708,881USD(約1億9千万円)

明石:10万USDを一括で払込み! まさに富裕層や億り人ためのプランですね。

保険投資が向いている人、向いていない人

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この話を聞いて、今すぐ投資するぞ! と熱くなってしまう方もいるかもしれないが、一度冷静になってほしい。 

昨年の仮想通貨バブルもそうだが、日本人は美味しそうな儲け話を聞くと、一気に全財産を突っ込んでしまう人が少なくない。

投資にあたっては、短期資金(今すぐ使うお金)と中長期資金(将来のために運用するお金)を分けて運用することが大切だ。

先ほど紹介した保険商品の場合、引き出しができるのは10年が経ってから。例えば7年目に200万円だけ引き出したいとなった場合は、解約扱いになり、元本割れをしてしまう。

このような保険商品に投資する場合、目先で必要な資金(短期資金)ではなく、最低10年は絶対に使わない中長期の資金を運用に回すべきなのだ。

つまり、近い将来まとまった資金が必要な方や十分な貯蓄、すぐに現金化できる資産がない方は、保険商品の投資には向かないということである。

米国債の金利は何%?

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資金に余裕があるアナタも、まだこれからというワタシも、身につけるべきは金融リテラシーだ。何度も言うが、金融において無知は罪である。

銀行や証券会社のカモにならないよう、最低限のリテラシーは身につけておかなければならない。

ところで、アナタは米国債の金利をご存知だろうか?

答えは約3%(10年利回り)。

対して、日本国債(10年利回り)は約0.03%。米国債のほうが100倍の利率が見込めるのだ。

この利率で元本を倍にするためには、米国債で約24年、日本国債で約2,400年必要ということになる。

金融商品への投資にあたり、利回りが妥当かどうかは米国債の金利を基準にすれば判断も容易になるだろう。

米国債よりもリスク(信用リスクと流動性リスク)を取っているにもかかわらず、リターンが異常に低い日本のドル建ての保険に加入している人は、ご自身の資産運用について見直す必要があるかもしれない。

それでは最後に久米さんがオススメする金融リテラシーの向上に役立つ3冊の書籍を紹介しよう。

久米さんオススメ! 金融リテラシーの向上に役立つ3冊の書籍

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1. 21世紀の資本(著者:トマ・ピケティ)

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久米さんのおすすめポイント

資本主義経済の問題点であります、労働者と資本家の「富の格差」についてデータを元に解説しています。「富の格差」を理解する事で定額積立投資をする本質に繋がります。

2. お金2.0(著者:佐藤 航陽)

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久米さんのおすすめポイント

お金を稼ぐのか? 別の価値を稼ぐのか?お金から解放される生き方について何が大切なのかを解説しています。

テクノロジーの進化によって、今は好きなことに熱中している人ほどうまく行きやすい世の中になってきているのでは無いのでしょうか?

3. 投資信託はこうして買いなさい(著者:中野 晴啓)

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久米さんのおすすめポイント

確定拠出年金や積立NISA等、資産運用の王道でもあります定額積立投資が何故効果的なのかをわかりやすく解説しています。

理論を知って投資している人と人から勧められて投資する人では結果が変わってきます。資産運用を始める前にぜひ読んでいただきたい本です。

以上、久米さんオススメの書籍をご紹介した。

グローバルサポートタイランド社のFacebookページでは、金融リテラシーの向上に役立つコラムが配信されているので、ぜひ一度チェックしてほしい。

まとめ

タイに暮らし始めたばかりの方も、間もなく帰任になる可能性が高いという方も、日本国の非居住者である内に得られるメリットは享受しておいたほうがよいだろう。

「香港の保険商品について詳しく聞きたい」、「資産運用全般について相談したい」、という方は下記より久米さんに問い合わせてみてほしい。個別相談や出張セミナーなど柔軟に対応してくれるそうだ。

本記事は、保険商品への加入を推奨または勧誘するものではありません。
投資にあたっての最終判断はお客様ご自身の判断でお願いいたします。

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