僕は20代の頃、札幌に3年半ほど住んでいたことがある。
札幌の“食”と言えば、海鮮とジンギスカンのイメージが強いと思うが、忘れてはならないのが「スープカレー」だ。
ガツンとスパイスが効いたスープにゴロゴロとした大きな具材。食べている最中からジワジワと体の中が熱くなり、滝のように汗が流れ落ちる。雪国である札幌ではそれが爽快で病みつきになった。
ベーシックなスープカレー
札幌市内には250軒以上のスープカレー店があると言われ、独自の食文化として定着している。店ごとにスープは異なり、人それぞれお気に入りの店やスープのスタイルがある。昼食、夕食ともにスープカレーという日もあったほど、とにかく札幌時代はスープカレーを食べまくった。
昨年8月、バンコクにスープカレー専門店がオープン
スープカレー屋
昨年8月、待望のスープカレー専門店がバンコクにオープンした。トンロー横丁の1階で営業するその名もズバリ、「スープカレー屋」だ。
店主はトンロー横丁の佐藤貴哉店長。もちろん北海道出身である。
実は佐藤さんは、過去にもバンコクでスープカレーを出していたことがあった。バンコクでスープカレーが食べられるだけでもありがたく、当時よく通っていた。
だが本人にとっては満足行く出来ではなかったようだ。しばらくしてスープカレーの提供を止めてしまった。
それから数年が経ち、満を持して立ち上げたのがこのスープカレー屋なのだ。
佐藤さんから、「スープカレーを始めますので食べに来てください!」と連絡をいただき、すぐに駆けつけた。
そのとき食べたスープカレーは、札幌で食べたものと遜色ない、驚くほど完成度の高いものであった。このレベルのスープカレーがバンコクでも食べられる日が来るとは…
僕にとっては“歴史的“と言える一杯だった。
札幌時代の忘れられないスープカレー
懐かしき札幌時代
バンコクに暮らし始めて7年弱、バンコク生活における唯一の不満は、「美味しいスープカレーがない」ということだった。だがそれもスープカレー屋ができたことで解消された。
それから月に3、4回の頻度でスープカレー屋に通っている。食べたいときにいつでもスープカレーが食べられるのは本当にありがたい。
佐藤さんが作るスープカレーは旨い。間違いなく旨い。感謝しかない。だが、僕には札幌で食べた忘れられないスープカレーがある。
それは、「スープカリィ侍」の“豆乳スープカレー”だ。
豆乳と和風だしが入ったマイルドな味わいで、一番記憶に残っている一杯だった。
どうしてもその味が忘れられず、佐藤さんにダメ元で「豆乳スープカレーを作って欲しい」とお願いをすると、
「全然オッケーっすよ!」と、二つ返事で引き受けてくれた。
「でも僕、豆乳スープカレーって食べたことないんですよね。1週間だけ時間をください。絶対、明石さんに旨いと言わせるものを作りますので!」
1週間後、豆乳スープカレーが完成!
佐藤貴哉店長
ちょうど1週間後、佐藤さんから連絡が入り、スープカレー屋へと足を運んだ。
出来はどうかと尋ねると、「完璧です!!」との回答。
そしてついに、豆乳スープカレーが運ばれてきた。
野菜とチキンの豆乳スープカレー(300B)
まずは一口。
「・・・」
スープカリィ侍の味とはおそらく違う。だが、そんなことは最早どうでも良かった。
ただただ旨い。
まさに完璧と言える一杯だった。
12月30日までの期間限定で豆乳スープカレーが登場!
僕のわがままにより作ってもらったこの豆乳スープカレー。嬉しいことに、12月30日までの期間限定で、スープカレー屋のメニューに採用してもらえることになった。
佐藤さん、本当にありがとうございます!!
スープカレー好きはもちろん、スープカレーを食べたことがないという方にこそ、この豆乳スープカレーを食べてほしい。
佐藤さん渾身の一杯を、ぜひ。
スープカレー屋 店舗詳細
- 住所:トンロー・ソイ18(トンロー横丁1階)
- 営業時間:11時半〜14時(ランチは日・月曜休み)、17時〜23時 無休
- 料金:野菜とチキンの豆乳スープカレー300B(税・サなし)
- 電話番号:086-098-9664
- Facebook:https://facebook.com/Soupcurrybangkok/