バンコクに日本語のフリーペーパー(無料情報誌)はおよそ15誌ある。タイに来たばかりの方は、日本語のフリーペーパーがこれほど存在することにみな驚くのではないだろうか。
僕も前職はフリーペーパーの広告営業マンとして3年半勤務していたのだが、自社の媒体はもちろん、他の媒体もそれぞれ個性があり、貴重な情報源として重宝していた。
以前書いたバンコクの日本語フリーペーパー全15誌のまとめ記事は、Yindeedマガジンの歴代アクセスランキングで第3位(6,243PV)にランクインしている。
現在発行されている中で最古のフリーペーパーは、1994年創刊の「バンコクガイド」である。1998年創刊の「DACO」、「タイ自由ランド」がそれに続く。バンコクに日本語のフリーペーパーが誕生してから20年以上が経つのだ。
インターネットがなかった時代、バンコクの日本人社会の中でフリーペーパーが果たしてきた役割は非常に大きかった。情報発信やコミュニティの形成はもちろん、日本人社会における小売・飲食・サービス業などの個人向けの商売(B to C)については、フリーペーパーが経済圏を創ってきたとも言えるのではないだろうか。
誰もがフリーペーパーを情報源とし、誰もがフリーペーパーに載っているお店に足を運んだ。
お店を開店し、フリーペーパーに広告を掲載し、集客する。
一度に多くの在住者に認知してもらうためには、フリーペーパーは最適の媒体だった。逆に言うとフリーペーパー以外の媒体は皆無だった。
小売・飲食・サービス業では、フリーペーパーを中心とした経済圏が確立されていた。
そのため多くの広告がフリーペーパーに集中するようになった。今も、各媒体とも非常に多くの広告が掲載されている。
それでは一体、バンコクの日本語フリーペーパーの広告市場規模はどの程度なのだろうか?
バンコクの日本語フリーペーパー15誌の1カ月あたりの広告数
各媒体に掲載されている広告の数を数えて、単価を掛ければ大体の広告費は試算できる。
ということで、まずは全15誌の広告数を数えてみることにしよう。
DACO(ダコ)
DACO 2015年7月20日号
広告数:106件
DACOは月2回発行なので、単純に2をかけると1カ月あたりの広告数は以下となる。
106×2=212件/月
週刊ワイズ
週刊ワイズ 2015年7月1日号
広告数:372件
週刊なので1カ月4回発行とすると、1カ月あたりの広告数は以下となる。
372×4=1,488件/月
バンコクマダム
バンコクマダム 2015年7月号
広告数:101件/月
WOM(ワム)
WOM 2015年7月号
広告数:145件/月
ArayZ(アレイズ)
ArayZ 2015年7月号
広告数:40件/月
newsclip(ニュースクリップ)
newsclip 2015年3月10日号
広告数:70件
newsclipは月2回発行なので、1カ月あたりの広告数は以下となる。
70×2=140件/月
U-MACHINE(ユーマシン)
U-MACHINE 2015年5月号
広告数:174件/月
Info Biz(インフォビズ)
Info Biz 2015年7月号
広告数:48件/月
フリコピ
フリコピ 2015年7月号
広告数:純広告47+ショップリスト145=192件/月
ショップリストがすべて広告かどうかは不明であるが、料金表を見るとショップリストにも料金が設定されているので、ここでは広告としてカウントした。
バンめし
バンめし 2015年7月号
広告数:純広告48+ショップリスト117=165件/月
フリコピと同じくショップリストがすべて広告かどうかは不明であるが、ここでは広告としてカウントしてた。
ニコラボ
ニコラボ 2015年5月号
広告数:40件/月
アーチプラス(Arche+)
アーチプラス 2015年7月号
広告数:22件/月
タイ自由ランド
タイ自由ランド 2015年5月5日号
広告数:178件
タイ自由ランドは月2回発行なので、1カ月あたりの広告数は以下となる。
178×2=356件/月
バンコクガイド
バンコクガイド 2015年5月号
広告数:49件/月
バンコクライフ
バンコクライフ 2015年7月15日号
広告数:55件
バンコクライフは月2回発行なので、1カ月あたりの広告数は以下となる。
55×2=110件/月
以上、全15誌の広告数が出揃ったところで、いよいよ広告市場規模を試算してみる。
次ページ バンコクの日本語フリーペーパーの広告市場規模