ガラスびんメーカーとして日本で業界シェアトップを誇る日本山村硝子株式会社。

2009年にタイ財閥系企業「OSOTSPA(オソサファ)」と合弁で「YAMAMURA INTERNATIONAL THAILAND」を設立し、タイに進出。

日本に比べてタイではガラスびんを使った飲料をよく見かけるが、果たしてタイにおいてガラスびんには、どの程度の需要があるのか。また、今後もタイにおいて日本の飲料・食料品メーカーに進出の余地はあるのか。

タイ市場について、YAMAMURA INTERNATIONAL THAILANDの畑中社長に話を伺った。

この記事の目次


タイのびん需要は日本のおよそ3倍

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YAMAMURA INTERNATIONAL THAILAND 畑中社長 

——まずは日本とタイのガラスびん市場について教えてください。

日本は嗜好の多様性、物流の効率化の追求、人口減、高齢化社会など様々な理由で1990年をピークとして半分以下までびんの需要は落ち込んでしまいました。

しかしながらアジアはこれから伸びる国も多く、タイにおいては日本の約3倍のびん需要があります。特に日本では残念ながら見ることが少なくなったビールびんの需要は大きく堅調です。

ただ、日本ほどびんの形に多様性がなく、面白みがないとお客様からコメントをいただくことがあります。品質に関しては一概には言えませんが、品質要求は上がっているもののお客様の求めている品質とメーカーが提供している品質はほぼマッチしている印象があります。

タイにおける各飲料市場の現状

お茶飲料

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日本飲料メーカーも健闘されていますが、タイメーカーのOishiiやIchitanといった会社が出す低価格のお茶が良く売れているようです。コンビニエンスストアでは特に7-11の販売網が強く、いかにそこに商品を乗せ、商品イメージを良くしていくかがカギになっているようにも感じます。競争は非常に激しいですが、昨今の健康志向により面白いマーケットだと思います。

ビール

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シンハ、チャーンといったメジャーなビールメーカーがマーケットを牽引しています。手軽な値段でどこでも飲めるので庶民の財布に優しいのだと思います。

味は薄めでどんな料理にも合いますよね。日本や海外のメーカーも現地生産していますし、少し値段は高くなりますが輸入ビールやクラフトビールも販売されています。

タイのアルコール市場1.4兆円のうち、約1兆円がビールという現状ですが、ワインや日本酒などビール以外の選択肢を増やしていければマーケットを刺激することが出来ると思います。

缶コーヒー

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缶コーヒーはコンビニやデパートで見かけます。屋台などで格安でコーヒーが買えるため、缶コーヒーはメジャーでなく、種類も限られます。味や香りにこだわって購入する層はまだ少なく価格勝負になるようです。

エナジードリンク

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タイのエナジードリンク消費量は約30億本アジアで最大のマーケットです。M150、レッドブルなどの製品が10バーツで販売され、全国に販売網があり大きな市場となっているようです。競合もありますが、タイは非常に特殊なエナジードリンクの大きなマーケットです。

日本の飲料・食料品メーカーに進出余地あり

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——タイでは日本の飲料・食料品メーカーに進出の余地はあると思いますか?

タイは世界の台所とも呼ばれ、周辺国のみならず世界各国へ様々なものを輸出しています。日本人の味覚や生活様式も近い感覚のあるタイでは、日本の飲料食料・お酒メーカーなどは進出の余地があると私は思います。

法律上の制限や、品質面での日本とのギャップなど取り組まないといけない課題はまだまだありますが、昨今タイ人の日本への観光者が増えるなど風向きは良く、チャレンジし甲斐のあるマーケットです。

YAMAMURA INTERNATIONAL THAILANDの事例紹介

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タイで委託充填し、国内外販売している事例

あるお客様は、タイで委託充填しタイ国内販売及び海外に製品を輸出されています。それに関するパッケージ(容器、キャップ、包装資材)を当社がアレンジし、委託充填先に納入しています。

各メーカーとの交渉や支払いなどは当社のタイスタッフが行いますし、クリティカルな問題については日本人スタッフも積極的に関与し問題解決に当たります。

第二サプライヤーとしてバックアップしている事例

ある海外にいるお客様は、今まで容器を購入していたサプライヤーが大ロット製品(例えばビール)へ注力するため、将来の安定供給に不安があることから、当社が第二サプライヤーとしてタイからバックアップしております。

お客様の購入希望のロット数をメーカーと交渉し、納入をしております。

中国からタイにキャップの調達先を変えた食料品会社の事例

あるタイにある食料品会社のお客様は、タイで製造したものを日本へ出荷されていますが、既存サプライヤーのキャップでは、キャップの色が不安定であるなど品質問題でお困りでした。

当社がお付き合いのあるサプライヤーをご紹介し、現在も継続して日本向けにキャップをご購入いただいております。

YAMAMURA INTERNATIONAL THAILANDができること

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畑中社長とタイ人スタッフ

——最後に、日本からタイおよびASEANへの進出を検討している飲料・食料品メーカーに向けてメッセージをお願いします。

ASEANの中心、世界の台所と言われるタイにおいて御社の製品を世界に広げるお手伝いをするエージェント、それがYAMAMURA INTERNATIONAL THAILANDです。私たちは、世界を目指す方々を主なお客様と考え、そのようなお客様に喜んでいただける充填先、パッケージを厳選しております。

大きなビジネスパフォーマンスをあげるためには、まず小さなリスクでマーケットの感触を知ることが重要です。このYAMAMURA INTERNATIONALでぜひ御社の素晴らしい製品を世界に広め、おいしさを届けませんか?

サービス内容

YAMAMURA

YAMAMURA INTERNATIONAL THAILANDのビジネスモデル 

  • 日本人スタッフによるフルサポート
  • 委託充填先との面談セットアップ、コミュニケーションのサポート
  • パッケージの選定及びサプライヤーとの価格交渉サポート
  • 品質トラブル発生時のサポート
  • フィジビリティースタディーに必要な情報の提供

ガラスびん製造工場

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