「皆さん、ドリアンはお好きだろうか?」
多くの日本人はドリアンが苦手だと思うが、僕もドリアンを美味しいと感じるようになったのは、今年に入ってから。それはタイ有数のドリアンの産地、チャンタブリーを訪れたことがきっかけだった。
ドリアンのシーズンが始まる4月。チャンタブリーの屋台で売られていたドリアンを食べた時、そのまったく臭みのないクリーミーさとマンゴーが霞むほどの濃厚で甘美な味わいに衝撃を受けた。
これまで口にしたドリアンとはまったく別物であった。新鮮なドリアンはこれほどまでに美味いものなのか…
在住6年目にしてようやくドリアンが『フルーツの王様』と称される所以が理解できた。というより、一発でドリアンの虜になってしまった。
それ以来、市場でドリアンを見かけると無性に食べたくなり、バンコクでも試してみた。だが、チャンタブリーで味わったレベルのものに当たるのはごく稀で、極上のドリアンに巡り合うのは宝探しのような楽しみがあった。

この記事の目次


ドリアンそっくりのアイスクリーム

durian icedea

Bangkok Art & Culture Centre

「そういえば最近ドリアンを食べてないな」と、ぼんやりFacebookのタイムラインを眺めていた時のこと。友人がドリアンそっくりのアイスクリームの写真を投稿していた。
見た目は完全にドリアンの果肉そのもの。最初はドリアンを冷凍させたものかと思ったが、どうやら違うらしい。
ドリアンそっくりの形をしたアイスクリームのようなのである。
果たしてどんな味がするのか? ドリアン好き(ニワカだが…)としては試さない訳にはいかない。ということで、先週ドリアンアイスを食べに行ってきた。
それでは今回は、驚ろくべき精巧さを誇るドリアンアイスの実食レポートをお届けしよう。

デザインアイスクリーム店『icedea』

durian icedea

icedea

そのドリアンアイスのお店は、BTSナショナルスタジアム駅前にあるBangkok Art & Culture Centreの中にある。
BTS直結のフロアからエスカレーターでひとつ上の階に上ると目の前にある『icedea(アイスディア)』がお目当てのお店だ。タイ英語では、アイスの“ス”は発音しないため「アイディア」となるのだろう。
店内のカウンターには、様々な種類のアイスが並んでいる。
ドリアンアイスはイチオシのようだ。一番手前にPOPが置かれている。POPを見ても本物のドリアンにしか見えない。「100% Thai Durian No Artificial Flavor」と書いてあり、人工的な香料、調味料は一切使っていないことが分かる。

durian icedea
他にはどんなアイスがあるのかと見てみると、『とんかつアイス』に『USステーキアイス』というものまである。
「何なんだそれは」と、呆然としつつも、とりあえずドリアンアイスとせっかくなのでとんかつアイス(バニラ)を注文。

見た目も味もドリアンそのもの!

durian icedea

さて、まずはドリアンアイスからいただこう。見た目はドリアンそっくり。匂いもまんまドリアンである。

durian icedea

一口食べてみる。

うん。味も完全にドリアンだ。
アイスクリームというよりも、やはり冷凍ドリアンを食べているのではないかと思えるほど、匂いも味もドリアンそのものである。ドリアン好きならきっと気にいるだろう。
外皮は抹茶、種はナッツ、白い部分はバニラアイスで出来ている。

durian icedea

よくここまでドリアンの味を再現出来たものだと、感心してしまった。

続いて、とんかつアイスクリームをいただく。

とんかつアイスクリームのお味は?

durian icedea

見た目は完全にとんかつ定食である。
ソース(黒蜜)をかけて、まずは一口。
うん。これは揚げアイスクリームのようなものだ。衣はおそらくパン粉で揚げられている。
以前、プーケットで食べた揚げアイスクリームと比べると、プーケットに軍配があがるが、話のネタに試してみるのは悪くないだろう。

durian icedea

創業者はタイ初の“アイスクリームデザイナー”

durian icedea

せっかくなので、店員さんに少し話を聞いてみた。
このicedeaは、Prima Chakrabandhu Na Ayudhyaさんという1980年生まれのタイ人女性が創業したお店ということだ。苗字に「Na Ayudhya(ナ・アユタヤ)」が付いているということは、王族に繋がる名家の出身なのだろう。
チュラロンコン大学で工業デザインを学び、卒業後、有名デザイン会社でプロダクトデザイナーとして働いている中で、アイスクリームをデザインするという発想を得たという。
そのアイデアを実現すべく、icedeaを創業。タイ初のアイスクリームデザイナーとして、USステーキやとんかつ、そしてドリアンと、様々なアイスクリームを創り出している。以前は、ステーキととんかつが看板商品だったが、現在はドリアンアイスが売れ筋だという。
ドリアンが苦手な外国人にドリアンの美味しさを伝えたいと考え、このドリアンアイスを開発したのだとか。
ドリアンが苦手な方は、まずは入門編としてこのドリアンアイスにトライしてみてはいかがだろうか。ひょっとしたらあなたもドリアンの虜になってしまうかもしれない。
バンコクでしか食べることができないドリアンアイス。旅行者の方にもぜひおすすめしたい。

  • 店名:icedea
  • 営業時間:火曜〜木曜 11時〜19時( L.O.18時半)、月曜休み
  • 住所:4th Fl. Bangkok Art and Cultural Center(MBK向かい)
  • 料金:ドリアンアイス(239B)、とんかつアイス(159B)、USステーキアイス(175B)
  • Facebook:https://www.facebook.com/icedea/
  • HP:http://www.icedea.com/
icedeaの場所