「シークレットビーチ」と聞くとどんなイメージを抱くだろうか? 外界からは容易には辿りつけない場所にあり、真っ白な砂浜に、どこまでも透き通った美しい海。誰しもが一度はそんな楽園のようなビーチに行ってみたいと憧れるのではないだろうか。
タイのピピ島を舞台に、旅人の間で噂される伝説のシークレットビーチについて描いた映画「ザ・ビーチ」は大ヒットとなった。ザ・ビーチの影響でピピ島は今も多くの観光客でごった返している。
もうタイにはシークレットビーチなんてない。僕もそう思っていた。
そのビーチの話を聞いたのは確か5年前。10年振りに訪れたプーケット、パトンビーチでのことだった。
タイ人:「おいコンイープン(日本人)、知ってるか? プーケットにはボートでしか行けないシークレットビーチがあるんだ」
ローカルのタイ人と話していると、ふとそんなことを聞かれた。
明石:「本当に? なら行きたいけど、もう明日には日本に帰らなきゃいけないんだ」
タイ人:「そうか、残念だな。ならまた来た時にでも案内してやる。ただし、乾季の時期しかそのビーチには入れないからな」
明石:「そのビーチの名前は?」
タイ人:「フリーダムビーチだ。覚えておけ」
次にプーケットに来た時は、絶対にそのフリーダムビーチとやらに行ってやる。そう思い帰国した。
そして、その翌年の2011年に僕はタイに移住した。2012年から毎年プーケットには遊びに来ていたのだが、タイミングが合わずフリーダムビーチには行けなかった。
そして先月末、「タイも5月1日から5連休だな〜」と思いながら書いたこの記事。
自分で書いていながら無性にビーチに行きたくなり、ふと、あのフリーダムビーチのことを思い出した。
「行くしかない、フリーダムビーチに」
連休を翌日に控えた4月30日の夜、荷物をザックに詰め込み、バンコク南バスターミナルへと向かった。
僕:「プーケットまで1枚」
チケット販売員:「は? もう今夜のプーケット行きの最終は出発したわよ。明日の朝出直して来るのね」
ガーン!!!
さすがに5連休前ということで、南行きのバスはほとんど売り切れ。時刻は既に21時半を過ぎていた。このまま朝までここで寝るしかないのか……
チケットカウンターを片っ端から除き、唯一開いていたカウンターで、スラータニー経由ナコンシータマラート行きのバスがあと1席だけ空いているという。なんてラッキー!
チケットカウンター
そのラスト1枚のチケットをGETし、まずはスラータニーまで行くことにした。
ナコンシータマラート行きの長距離バス
翌朝8時、スラータニー・バスターミナルに到着。
スラータニー・バスターミナル
ここからロットゥーでプーケットに向かう。
プーケット行きのロットゥー
ロットゥーに乗ること4時間。プーケット・バスターミナルに到着。ここからソンテウ(乗り合いトラック)でパトンビーチまでは約45分(40バーツ)。
パトンビーチ行きのソンテウ
バンコクから15時間かけてようやくプーケット、パトンビーチに到着。
この日は長旅で疲れていたので、翌日フリーダムビーチに向かうことにした。
フリーダムビーチとは?
フリーダムビーチ(Freedom Beach)は、プーケットで最も観光客が集まるパトンビーチのすぐ南側にある。
場所はこちら。
パトンビーチの直ぐ近くというロケーションながら、道がなく外界から遮断され、海からしか辿り着けないシークレットビーチとして、欧米人には知られたビーチだった。
フリーダムビーチへの行き方
パトンビーチからロングテールボートをチャーターして向かうのが一般的。料金は人数にもよるが往復で1,000〜2,000バーツが相場である。南側のカロンビーチからは2,000〜2,500バーツほど。
本当にボートでしか行けないのか? 絶対に道があるはず。 先ほどのGoogleマップを見てみると途中までは行けそうである。
それなら行けるところまでバイクで行ってみることにしよう。
パトンからバイクで行ってみる
出発地点は、パトンビーチの商業施設「Jungceylon(ジャンクセイロン)」。
試しにGoogleマップのナビ機能を使ってみる。
なんとわずか17分で行けるようである。さすがGoogle先生、シークレットビーチさえもナビってしまう。
4233号を南下すること15分。ここを右折し、山へ入っていく。
しばらく砂利や土の道が続く。山道を進むこと5分。
Freedom Beachの入口を発見!
バイクで行けるのはここまでのようだ。入場料200バーツを払い、坂道を下っていく。
絶賛工事中である。今年の年末までには整備された道が完成しているかもしれない。
それにしてもかなり険しい下り坂である。女性や子供、足腰の悪い方にはこの坂を下るのは難しいかもしれない。
必至に下ること10分。目の前に真っ青なビーチが見えてきた。
おぉ! これがフリーダムビーチか! 5年越しの夢がついに叶った。
これがフリーダムビーチだ!
僕が到着したのは13時過ぎ。ビーチにはわずか5人ほどしかいなかった。
とりあえず木陰にあるビーチベッドを借りることにした。料金は120バーツ/日。
食堂があると聞いていたのだが、見当たらない。ビーチベッドの管理人に聞いてみると、食堂は11月〜4月までのハイシーズンのみ営業とのことだった。飲み物やお菓子だけは売っていたが、5月に来る方は、食事は済ませて来ることをおすすめする。
フリーダムビーチの様子
動画も撮ってみた。
ビーチに入れるのは5月まで!
管理人曰く、フリーダムビーチは私有地であり、入れるのは5月いっぱいまで。6〜10月の雨季は閉鎖するということだった。
ハイシーズンである12〜3月は、多い日で1日に300人近くも訪れるのだとか。ビーチベッドも満席となり、それは大変な賑わいだそうだ。
5月は食堂も閉まり訪れる人数も激減するため、静かに過ごしたい方にはこの時期が最適かもしれない。
アクセスはやはりボートがおすすめ
この写真のようにボートで来ている人がほとんどだった。
道が整備されれば陸路からのアクセスも今より楽になることは間違いないが、バイクか車がないとたどり着けない。普段、タイで運転することに慣れていない方はボートでアクセスした方が安全だろう。
次回予告
フリーダムビーチ、いかがだろうか。
乾季の時期は確かに混雑するだろうが、海の透明度は今よりも遥かに高く、美しいはずだ。ぜひ、機会があれば次の乾季に訪れてみて欲しい。
パトン、カタ、カロンといったメインのビーチだけ訪れ、「これがプーケットか、それほど海は綺麗ではないな」と思う方が大半かもしれない。
しかし実は、プーケットには大小合わせて35ものビーチがある。
海からしかアクセスできないビーチはフリーダムビーチのみだが、他にもほとんど知られていない隠れ家的なビーチはいくつかあるのだ。
今回プーケットに来たのは、そんな隠れ家的なビーチを廻ることも目的のひとつだった。
明日は、プーケット最後のシークレットビーチと言われるバナナビーチをご紹介する。
それではまた明日お楽しみに!
その記事はこちら。
プーケット最後のシークレットビーチと呼ばれる「バナナビーチ」に行ってきた。
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