バンコクの暮らしが長くなるにつれ、週末の予定もワンパターンになりがちになる。バンコク都内はもちろんのこと、バンコク近郊の手軽な週末の旅行先として人気のパタヤ、フアヒン、サメット島、カンチャナブリー、アユタヤなどのメジャーどころの観光地はだいだい行き尽くして、もう行き先がない! と毎週末をどう過ごそうかとお悩みの方も多いのではないだろうか。
僕も間もなく在タイ丸5年が経とうとしているが、メジャーどころの観光地はだいたい廻ってしまい、週末の過ごし方がワンパターンになりつつあった。
だが、まだまだバンコク近郊にも楽しめる場所はあるはず。ワンパターンはイカン!ということで、「バンコクから手軽に行ける週末の旅行先」を紹介する企画を立ち上げることにした。
せっかくなら様々な視点から紹介したいと思い、快くこの企画に賛同してくれたのが、僕もよくYINDEED MAGAZINEでご紹介しているタイ料理ブログ「激旨!タイ食堂」さんと、バンコク在住の気鋭の映像クリエイター「BANGKOK SAMPO」氏である。
激旨!タイ食堂とは、これまでに二度コラボ企画を実施してきた。

激旨! タイ食堂

BANGKOK SAMPO

YINDEED MAGAZINE

今回から始まる「バンコクから手軽に行ける週末の旅行先」シリーズは、この三者の共同企画として、“旅”情報はYINDEED MAGAZINE、“食”情報は激旨!タイ食堂、そして“映像”はBANGKOK SAMPOが担当し、お届けしていく。

この記事の目次


第1回目の行き先は、ナコンパトム県

nakhon pathom巨大な仏塔が目を引くワット・プラ・パトム・チェディ

記念すべき第1回目の旅行先は、ナコンパトム県である。
ナコンパトム県は、バンコクから50㎞ほど西に位置し、日帰りで行ける観光地として知られている。在住者、旅行者を問わず訪れたことがある方も多いと思う。
ナコンパトムの観光スポットといえば、世界最大の仏塔「プラ・パトム・チェディ」を抱えるワット・プラ・パトム・チェディを置いて他にない。むしろプラ・パトム・チェディぐらいしか知られていないのではないだろうか。
ワット・プラ・パトム・チェディは、タイの王室寺院でも最高位に位置づけられ、タイ国内に6寺しかない「第一級ラーチャウォーラマハーウィハーン」に指定される非常に格式の高い寺院である。第一級王室寺院については、以下の記事でも詳しく紹介しているのでぜひご覧いただきたい。

タイで最高位の第一級王室寺院全6選! | YINDEED MAGAZINE

ワット・プラ・パトム・チェディには、これまで三度訪れたことがある。仏塔ももちろんだが境内に夕方から出現する屋台街が最高なのだ。このワット・プラ・パトム・チェディと屋台街については、改めて記事でご紹介したい。

今回の週末ナコンパトムへの旅は、日帰りではなくあえて一泊することにした。ナコンパトムに一泊する人はそう多くない。宿も少なく、夜に遊ぶ場所もない。1時間ほどでバンコクに戻れるので、わざわざナコンパトムに泊まる旅行者はいないのである。だからこそあえて一泊することで新しい発見があるかもしれない。
前置きが長くなってしまったが、それでは週末ナコンパトム1泊2日の旅へ出発しよう!

激旨!タイ食堂による今回のコラボ企画記事はこちらから。

【ナコンパトム県】ターナー百年市場(ตลาดท่านา)にある創業103年のタイ食堂 | 激旨!タイ食堂

BANGKOK SAMPOによる今回のコラボ企画映像はこちらから。

移動はレンタカーで

nakhom pathomトヨタ・VIOS

当初はタイ国鉄で旅情を味わいながらナコンパトムに行こうと計画していたが、現地での移動を考え、バンコクからレンタカーで行くことにした。
レンタカーをネットで検索してみると、日系は運転手付きのレンタカーばかりだったので、ローカルのレンタカー会社で借りることにした。今回利用したのは、こちらのHIGHWAY CAR RENT

nakhom pathom

MRTルンピニー駅からほど近いラマ4世通りとサトーン・タイ通りの交差点にあり、ロケーションが良い。料金は800B〜/24時間、と格安である。今回借りたのは、トヨタのVIOS。
料金は土曜日の朝8時〜翌日曜日の20時返却で、1,600Bだった。
走行距離は15万㎞を超えていたが、車内は清潔に保たれており、運転している感じもまったく問題なかった。
運転手不要のレンタカーを借りたい方には、このHIGHWAY CAR RENTはおすすめである。

  • HIGHWAY CAR RENT(Google MapではSathon Car Rent)
  • 住所:1018/5  RAMA 4 RD., UNDER   THAI-BELGIAM BRIDGE BANGKOK 10500
  • 営業時間:7時〜22時 無休
  • TEL:02-633-9999
  • E-mail:carrent@highway.co.th 
  • URL:http://www.highway.co.th

一路、ターナー百年市場へ

nakhon pathom talad thanaターナー百年市場への入口

特に急ぐ旅ではないので、高速は使わず下道を行く。さて、どこに行こうかと車に乗ってから考える。行き当たりばったりのNo Reservationsな旅。
とは言え、目星は付けていた。まずはナコンチャイシー郡にある「ターナー百年市場」へと向かった。
バンコクを経ち、1時間弱でターナー市場に到着。
ターナー市場は、ラッタナーコーシン朝(バンコク朝)初期のラーマ1世の時代に造られた100年以上の歴史ある市場で、いわゆる百年市場と呼ばれるものである。目の前にはターチン川が流れており、ゆったりとした空気感に包まれている。

nakhon pathom talad thanaターチン川

見どころは古い木造家屋が立ち並ぶ通りと、併設された生鮮食品を扱う市場だ。

風情ある木造家屋が並ぶ

nakhon pathom talad thana

およそ100m強の小さな通りの両端に、風情ある木造家屋が立ち並んでいる。目を引くのはナコンパトム県の名産であるソムオー(ザボン)の大きなオブジェを掲げたお店。

nakhon pathom talad thana大きなソムオーのオブジェ

nakhon pathom talad thana

ソムオーの専門店のようだ。ナコンパトム県の名産としてはこのソムオーの他には、カオラーム(竹筒に入れて蒸し焼きにした餅米のお菓子)も有名である。
通りに並ぶお店を覗くと扱っているのは、骨董品(a.k.a.ガラクタ)がほとんど。日本的に言えば古き良き昭和を感じさせるものばかり。

nakhon pathom talad thana

nakhon pathom talad thana

nakhon pathom talad thana

nakhon pathom talad thana

nakhon pathom talad thana

nakhon pathom talad thana

nakhon pathom talad thana

こういったレトロな雰囲気とチープな骨董品が好きな人には楽しめる通りだろう。適当に店を冷やかし、小腹がすいたところで生鮮食品を扱う市場へと向かう。

珍しい“ソムタムのかき揚げ”

nakhon pathom talad thana食品を扱う市場

市場では、生鮮食品や乾物、地元の名産品が売られているが、利用者は地元の人が主で観光客はそれほど多くない。

nakhon pathom talad thana

市場内をブラブラと歩いていると、ソムタム屋を発見。
だが、普通のソムタムではなさそうだ。ソムタム・トーット(揚げソムタム)というもののようだ。

nakhon pathom talad thanaソムタム・トーット屋

揚げソムタムとは珍しい。バンコクでは見たことはない。店主に話を聞くと、テレビ番組でこのソムタム・トーットを作っているのを見て、自分もやろうと思いついたのだとか。このターナー市場で5年前から営業をしておりテレビで取り上げられたり、芸能人も来店しているようだ。ソムタム好きとしては試さないわけにはいかない。

nakhon pathom talad thana

ソムタムを揚げるジュワジュワという音が食欲を刺激する。この揚げている様子は、冒頭でご紹介したBANGKOK SAMPOの映像でもぜひご覧いただきたい。

nakhon pathom talad thanaソムタム・トーット 40B

揚げソムタムとはどんな味なのか。さっそく一口。

うん。かき揚げである。

日本人的には慣れ親しんだ味。少し甘みのあるタレがかかっているところにタイらしさを感じる。辛味がないのが少し物足りなかったが、辛いのが苦手な方にはおすすめである。
営業時間は8時〜16時。年中無休。
ターナー百年市場に来たらぜひ試してみてほしい。

第二次世界大戦中から受け継がれてきた日本軍の刀と出会う

nakhon pathom talad thana

次に立ち寄ったアヒルを売るお店で、なにやら激旨!タイ食堂の管理人さんと店主が話し込んでいた。
なんと、この店主の家に日本刀があるというのだ。
なんでも第二次世界大戦の折、市場の前を流れるターチーン川から日本軍の兵士が上陸した際に置いていったものだとか。
日本人として、これはぜひ見せていただきたいと店主にお願いし、持ってきてもらった。
これがその日本刀だ。

nakhon pathom talad thana写真は激旨!タイ食堂より拝借

いわゆる軍刀というものだろう。本物の日本刀に触れるのはおそらく初めての経験だったが、ずっしりと重く、ところどころほころびのある鞘や柄が70年という時の流れを感じさせる。まさかナコンパトムの小さな市場で、日本兵の遺物に触れることができるとはまったく予想外の展開だった。
店主がこの刀を日本人に見せたのは今回が初めてという。

nakhon pathom talad thana店主一家

様々な思いがあったと思うが、70年間代々この刀を大切に保管してくれていたということが日本人としてとても嬉しかった。
ぜひ、このターナー百年市場を訪れることがあれば、このお店に来店してほしい。
激旨!タイ食堂のステッカーが貼ってあるので、すぐにわかると思う。(笑)

nakhon pathom talad thana

日本刀との思わぬ出会い。これこそが旅の醍醐味に他ならない。ターナー百年市場を存分に満喫し、我々は次の目的地へと向かった。

  • ターナー百年市場(Talad Thana)
  • Thammasop Rd, Nakhon Chai Si, Nakhon Chai Si District, Nakhon Pathom 73120

それではまた次回!