5月に公開した新企画バンコク街歩き〜イサーンの風が吹くランナム通り〜が思いのほか好評だったので、早速第2弾をお届けしたい。
今回の舞台は、「寺裏」としてバックパッカーに知られるランブトリー通り。
ランブトリー通りとはカオサン通りの一本北側に位置するソイで、チャクラポン通りを挟んで西側が「寺裏」、東側が「裏カオサン」と呼ばれている。
今回は西側の「寺裏」をご紹介しよう。
寺裏の由来
ワット・チャナ・ソンクラームの本堂
寺裏とはその名の通り、お寺の裏に位置するわけだが、そのお寺というのは、カオサンの隠れた名刹「ワット・チャナ・ソンクラーム」である。
日本語では“戦勝寺”という意味を持つ、格式高い第三級王室寺院だ。
アユタヤ王朝時代からこの辺りにはモン族が暮らしていたという。ラマ1世の時代にビルマと戦争になった際、この寺がモン族兵士の拠点として利用された。三度に渡るビルマとの戦いに勝利したことから、戦勝寺という名前が付けられたと伝えられている。
このワット・チャナ・ソンクラームを取り囲むようにゲストハウスや食堂、マッサージ屋、土産物屋などが立ち並び、安宿街を形成している。もちろん、道行く人々の多くはバックパッカーだ。
昔ながらの安宿街の風情が残る
バックパッカーで賑わう寺裏
カオサン通りが安宿街から歓楽街へと姿を変えて久しい。もはや物価もバックパッカー向けとは言い難い。通りの両脇に軒を連ねるパブやクラブは、毎晩明け方近くまで爆音を響かせ、乱痴気騒ぎが行われる。
かわいいライトが目を引く土産物屋台
だが、寺裏はそんな喧騒とは無縁だ。カオサン通りのように大きな音を出すパブやレストランはない。上半身裸でハイタッチを求めて来る酔っ払いもいなければ、面倒な客引きもいない。
夕暮れ時の寺裏
お寺があるだけでこうも違うかと思うほど、寺裏に流れる空気はユルい。どこかチェンマイに似た空気感を感じる。
ここには昔ながらの落ち着いた安宿街の風情がまだ残されているのだ。
あえて泊まってみる
緑が多いことも寺裏が居心地が良い理由の一つ
月に一、二度ここを訪れ、適当なカフェに腰を下ろし、本を開く。周りは旅行者ばかりで、ほとんど知り合いに会うこともない。日常から離れ、行き交うバックパッカーを眺めながら次の旅の計画を練る。僕にとってはこれが至福のひとときなのである。
帰るのが面倒になれば、近くのゲストハウスに泊まればいい。着替えが必要なら買えばいい。宿泊費と合わせても1,000バーツもかからない。
バーや屋台が並ぶ夜の寺裏そして翌朝から旧市街の散策に繰り出す。
早起きしてスクンビットから旧市街まで足を延ばすのは億劫だが、ここに泊まればそれも容易い。
早朝、観光客が動き出す前のカオサン周辺や旧市街は、昔から変わらない街の素顔をあなたに見せてくれるだろう。
旧市街のワンシーン
寺裏でまったりできる2軒のカフェ
Madame Musur
Madame Musur
1軒目は、バンコクで美味しいカオソーイが食べられるカフェ5選!でも紹介した「Madame Musur」。チェンマイ出身のオーナーが切り盛りする北タイ料理をメインにしたカフェ&レストランで、店内のデザインはチェンマイそのもの。
ソファ席が多く、ダラダラと過ごすにはもってこいのお店だ。寺裏で一番居心地が良く、かつおしゃれなカフェがここだと思う。
- 住所:Chakrabongse Rd, Khwaeng Chana Songkhram, Khet Phra Nakhon, Bangkok
- 行き方:BTSラチャテウィー駅から車で20分。Phra Arthit船着き場から徒歩4分
- 営業時間:9時〜24時
- 料金:カオソーイ(130B)、アイスアメリカーノ(95B)
- TEL:02-281-4238
- Wi-Fi:あり(無料)
- Facebook:https://facebook.com/madamemusur/
Rambuttri Terrace
Rambuttri Terrace
2軒目は、Rambuttri Village Inn & Plazaに併設されたレストラン「Rambuttri Terrace」。
ランブトリー通りに面しているため、道行く旅人を眺めながら、まったりとした時間を過ごせるのが気に入っている。
- 住所:95 Soi Ram Buttri, Chakkra Phong Road, Phra Nakorn, Bangkok
- 営業時間:9時〜24時
- TEL:02-282-9162
- Wi-Fi:あり(無料)
寺裏へはチャオプラヤーボートがおすすめ
チャオプラヤー川沿いにはバンコクの原風景が残る
最後に寺裏への行き方を説明しておこう。
寺裏へはタクシーでサクッと行ってしまうのもいいが、チャオプラヤー川のボートで向かうのも旅情があっていい。
タクシーなら最寄り駅はBTSラチャテウィー駅。タクシー代は100B弱程度だろう。
チャオプラヤー川のボートで行く場合、BTSサパーンタクシン駅のボート乗り場(サトーン船着き場)から乗船し、プラアティット(Phra Arthit)船着き場で降りる。そこから寺裏までは徒歩5分程度だ。
週末に何の予定もなく、ぽっかりと空いた時間があれば、ぜひ寺裏に足を伸ばしてみてはいかがだろうか。カオサンは騒々しくて苦手という人でも気に入っていただけると思う。
カオサンエリアの情報は下記の記事も参考にしてもらえらた嬉しい。
旧市街へはぜひ、カメラをお供に。