MRTホイクワン(Huai Khwang)駅から歩いてすぐのプラチャーソンクロ通り(Pracha Songkhro Rd)に深夜から明け方にかけて開かれるホイクワン・ナイトマーケット。
20時過ぎからプラチャーソンクロ通りの歩道や路上に約300mに渡り、屋台や露店が開店し始め、すべてのお店がオープンするのは24時頃。もっとも活気づくのは深夜2時すぎからだ。
ホイクワン・ナイトマーケットは、夜遊び帰りの若者や夜に働く女性が、帰宅途中に買い物や食事をするために立ち寄るケースが多く、客層は若い。売られているものは、客層に合わせたチープなモノや派手なドレスや下着など、日本人の好みに合うものは少ないが、観光客向けのナイトマーケットにはない独特な雰囲気が漂っている。
僕は、昨年1月からこのホイクワン・ナイトマーケットの近くに引っ越したので、ほぼ毎日のように仕事帰りに立ち寄っている。以前、ホイクワンのおすすめタイマッサージ店についても以下の記事でご紹介している。
24時以降も営業! バンコクでおすすめの深夜営業のタイマッサージ店 ホイクワン編
タイ飯食堂も多く、イサーン料理やシーフードなど安くて美味しいお店も少なくない。
オシャレさは微塵もないが、庶民的なナイトマーケットとして、個人的にはとても好きな場所のひとつなのだ。
そのホイクワン・ナイトマーケットの路上の屋台や露店が、1月18日に撤去されたとの報道があり、ホイクワン住民に衝撃が走った。
以下、newsclipの記事を引用し、ご紹介させていただく。
バンコク都庁は18日から、都内プラチャーソンクロ通り周辺の歩道を占拠していた屋台の営業を禁止した。近くのフワイクワーン市場の2階に用意した場所に屋台約400店を移転させる。
都庁は屋台営業が禁じられている月曜日を狙い、路上の違法建築を撤去し、道路や下水の清掃を行った。現場にはプミポン国王の誕生日の色である黄色い服を着た屋台店主数十人が集まり、国王の写真を掲げるなどして、営業禁止と移転に抗議した。屋台側は、市場の2階は集客力が低く、広さも十分でないと主張している。
屋台撤去、バンコクのフワイクワーンでも | newsclip
タイ軍事政権は、バンコク都内各所の違法な市場や屋台街を撤去している。スクンビット・ソイ38の屋台街や、中華街ヤワラート近くのサパーンレック市場など、住民だけでなく外国人にも人気があった市場や屋台街が昨年から撤去され始めている。
サパーンレックが10月中に撤去へ! | YINDEED MAGAZINE
今回のホイクワン・ナイトマーケットの屋台や露店の撤去も、その流れの一貫のようである。
2014年5月のクーデターで政権を奪取したタイ軍部は路上の屋台撤去に力を入れ、バンコクの中華街や王宮周辺などで違法な市場や屋台群を撤去した。プラチャーソンクロ通り周辺については、都庁が2015年6月に、屋台側に営業禁止と移転を通知していた。
屋台撤去、バンコクのフワイクワーンでも | newsclip
さて、それでは今、ホイクワン・ナイトマーケットはどんな状況になっているのか? 昨夜実際に確かめに行ってきたので、今回はそのレポートをお届けしたい。
2016年1月21日時点のホイクワン・ナイトマーケットの状況
プラチャーソンクロ通り、ホイクワン交差点付近。
普段はこのあたりから路上にも屋台や露店が出現し始める。下の昨年の写真を見比べてみてほしい。
昨年の様子
プラチャーソンクロ通りを西に進んでいくと、小さな運河があり、そこからがもっとも活気づくエリアになるのだが…
運河にかかる小さな橋から見たホイクワン・ナイトマーケットの様子。
ご覧のとおりの状況だ。以前は歩道には隙間なく露店が出店し、路上にもたくさんの屋台が出ていた。
昨年の様子。歩道に立ち並ぶ露店。
昨夜の時点では、路上と歩道にあった屋台と露店は、すべて撤去され、店舗型のお店だけが残っていた。
動画も撮ってきた。
店舗型のお店だけがオープンしていた
活気もなくなってしまった
警察も監視している
撤去された露店に代わり警察がテントを貼り、監視をしていた。
ホイクワン・ナイトマーケットでお店を構えるおばちゃんに、このまま露店は戻ってこないのか聞いてみた。
僕:露店はどこに行ってしまったんですか?
おばちゃん:この間、警察が来て、撤去させられてしまったのよ。この通りの奥にある建物の2階に移動させられるって言ってたけど、みんな嫌がって反対しているわ。
僕:このまま本当に屋台や露店は戻ってこないんですかねぇ?
おばちゃん:そんなことないわよ! 今だけよ。きっと今週末か来週には、またいつもどおりになっているはずよ。
僕:でも警察があそこで監視してますけど…
おばちゃん:マイペンライよ! ガハハハハハ!
さすがに商魂たくましいタイ人である。いつなんどきでもマイペンライ精神だ。
しかし、警察の監視下にある中で、本当に屋台や露店は戻ってくることができるのだろうか? 来週、改めて確認しに行き、ここでご報告させていただく。
それではまた来週!