昨日、プミポン国王の死去後から観光客が激減しているというバックパッカーの聖地・カオサン通りを取り上げたKhaosod Englishの翻訳記事をお届けした。
この記事は、今週水曜夜のカオサン通りを取材したものである。記事によると国王の死去前と比較し、観光客の数は最大で70%減少、宿泊施設の予約は落ち込み、既にチェックインをしていた宿泊客も予定を早めてチェックアウトしており、影響は1億バーツにものぼるという。
カオサン通りだけでなく、バンコクの繁華街、歓楽街においても明らかに観光客の数が減っているのは目で見て分かる。レストラン、バーなどの飲食店は、ほとんど通常営業に戻っているが、どこも客足は鈍っている。
実際に自分の目で今のカオサンを見ておきたい。そう思い、昨夜カオサン通りに足を運んでみた。
そこで今回は、金曜夜のカオサン通りとその周辺(裏カオサン、寺裏、プラアティット通り)の様子を動画と写真レポートとしてお届けする。
まずはダイジェスト動画をご覧いただきたい。
ダイジェスト動画
音が消えたカオサン
僕がカオサン通りに到着したのは22時頃。それなりに観光客もおり、賑わっていないわけではなさそうだ。
だが、なにか違う。
そう、いつもならカオサン通りの両脇に並ぶレストランやバーから大音量で流れてくる音楽が一切ないのだ。
カオサンから音が消えた。
営業はしているが、ネオンを消している店も多い。普段よりも全体的に暗い。
クラブはネオンを消し、音量を落として営業をしている通りの飲食店は空席が目立つ。
このバーは比較的繁盛していた
Tシャツや雑貨を売る露店も閑古鳥が泣いている。
Khaosod Englishの記事でインタビューを受けていたバー「Golf Bar」もご覧のとおり客入りはまばらである。
話を聞いたあるバーの店員によると、現在営業は深夜1時まで。以前と比べて3割程度の集客だという。1か月の服喪期間が明ければ通常営業に戻すということだった。
通りで豚肉の串焼きを売る屋台のおばちゃんにも話を聞いたが、今は欧米人客もタイ人客も減っており、売上も激減しているという。
Khaosod Englishの記事のとおり、観光客が最大で70%減少しているというのは、体感値としても間違いなさそうである。
裏カオサンへ
続いて、カオサン通りの1つ北側に位置するランブトリー通りに向かった。この通りは、通称「裏カオサン」と呼ばれ、レストラン、バー、ゲストハウスが密集するエリアである。
以前、Yindeedでも裏カオサンにある鉄板スキ屋台をご紹介した。
参考記事:Airbnbが選ぶ「2016年に訪れるべき世界の16地域」で2位にランクインした、バンコク・バンランプーに行ってきた。
ランブトリ通りもカオサン通りと同様に、ほとんどの店が音楽を流していない。レストラン、バー、マッサージ店には空席が目立つ。
屋台もご覧のとおり。
寺裏へ
続いては、同じくランブトリ通りからチャクラポン通りを挟んだ向かい側、通称「寺裏」と呼ばれるエリアへ向かった。
仏教寺院「ワット・チャナソンクラーム」を囲むようにレストラン、バー、ゲストハウスなどが密集し、カオサン通りに次ぐ規模の安宿街である。現在では歓楽街、観光地という趣きが強くなってしまったカオサン通りに比べて、この寺裏には落ち着いた安宿街の雰囲気が残されている。
僕も旅人気分に浸りたい時や、ゆっくり読書をしたい時など月に1〜2度は足を運ぶ、バンコクでもお気に入りの場所のひとつである。
この寺裏には、元々カオサン通りのように大音量で音楽を流す店はほとんどない。それが寺裏の魅力なのだが、昨日は更に輪をかけて静かであった。
プラアティット通り
最後に、寺裏を抜けたところにあるプラアティット通りに向かった。
ここは主にタイ人の若者が集まるパブやバーが立ち並ぶ通りで、週末は大変な賑わいを見せるエリアである。
だが、昨日はご覧のとおり閉店している店も少なくなく、営業している店も音楽は音量を絞っていた。
以上、カオサン通りとその周辺の昨夜の状況をお届けした。
タイは、観光業がGDPの約1割を占める観光立国である。このまま落ち込みが続けば、国内経済に与える影響は決して少なくない。
タイは間もなく雨季が明け、これから年末年始にかけて観光ハイシーズンに突入するというタイミング。タイ各地でイベントやコンサート等がキャンセルになっているが、また以前のように観光客は戻ってくるのだろうか。
カオサン通りやその他観光地の状況については、今後定期的にお届けしていきたい。
タイは今日から3連休。皆様、よい連休をお過ごし下さい!