訪日旅行が空前の大ブームとなっているタイ。2013年から始まった査証免除やLCC(格安航空会社)の就航、円安を追い風に、日本を訪れるタイ人は直近5年間で5.49倍に急増した。

  • 2011年 144,969人
  • 2012年 266,040人
  • 2013年 453,642人
  • 2014年 657,600人
  • 2015年 796,731人

タイ人の間では、日本への旅行はもはや特別なものではない。富裕層に限らず月収2万バーツ前後の中間層のタイ人でも日本へ気軽に旅行に行ける時代になっているのだ。

日本側では急増するタイ人観光客を取り込もうとあの手この手で策を打っており、ありがたいことに弊社でもそのお手伝いをさせていただくことが増えてきている。
一昔前なら想像もできないことだったが、今は日本中がタイ人観光客の集客に力を入れているという状況なのである。
このように日本を訪れるタイ人が増えたことで、観光業以外でも新たな潮流が生まれようとしている。
今、日本での就職を希望するタイ人が密かに増えているというのだ。

この記事の目次


1名枠に86名の応募も! 日本就職を希望するタイ人日本語人材が急増

mr.koshi

越 陽二郎CEO

「明石さん、最近日本で働きたいというタイ人が増えているんです。インバウンド(訪日旅行ブーム)の影響かもしれません」。そう連絡をくれたのは、バンコクでタイ人日本語人材の採用プラットフォームWakuWaku(http://waku.jbtalents.com)を運営するTalentEx社の越陽二郎CEO(以下、越氏)だ。

関連記事:タイ就職への第一歩。日本人向け求人に特化した転職サイトWakuWakuがオープン! | YINDEED MAGAZINE

インバウンドの影響で、日本で働きたいというタイ人が増えているというのは、これまで聞いたことがない話だった。増えていると言ってもそう多くはないのでは? と思いながら聞いていたのだが、越氏からある事例の話を聞いて、思わず「本当ですか?!」と声をあげてしまった。

東京・杉並区のとある不動産仲介会社が、WakuWakuでタイ人を1名(勤務地:東京)募集したところ、なんと86名が応募したというのだ。

その不動産仲介会社とは、永福町にある株式会社ランドハウジング(http://www.landhousing.co.jp/)。
大手不動産仲介チェーンというわけではなく、地元に根づいた1店舗だけの不動産仲介会社である。

なぜタイ人を採用する必要があるのか?

landhousing

ランドハウジング社タイ語版ウェブサイト

実はランドハウジング社は、タイ人留学生向けにも賃貸物件の仲介業を行っているのだ。ウェブサイトにはタイ語版(http://landhousing.kir.jp/thailand)も用意されている。

現在、社員20名中タイ人は1名で、タイ人のお客様のライフサポートという業務を担当している。
ライフサポートとは、タイ人からの問い合わせ対応や物件案内はもちろん、来日の日に空港に迎えに行き、部屋まで案内したり、定期券を一緒に買いに行ったりと、身の回りの世話役的な業務である。
タイ人のお客様が増えてきたことで、タイ人社員を増員し、タイ人向けサービスを強化していきたいということで、今回WakuWakuでの募集に至ったという経緯である。

そのラウンドハウジング社が、先月バンコクでタイ人求職者向けに会社説明会を行った(主催:WakuWaku)。どのような人たちが集まるのか興味があったので、僕もその会社説明会に参加してきた。

セミナーはほぼ満員の盛況ぶり!

landhousing wakuwaku

4月27日(水)18時半。会場には30名ほどの参加者が集まり、ほぼ満席。参加者はチュラーロンコーン大学、タマサート大学、カセサート大学などの一流大学卒で、日本語能力検定1級、2級保持者も多く、参加者の多くが日系企業勤務経験者である。

今回のランドハウジング社の求人の給与は23万円。バーツ換算すると7.5万バーツほどである。
バンコクで7.5万バーツであれば悪くない給与だが、日本語検定1級、2級保持者で日本語だけで実務をこなせるレベルの能力あれば8万バーツ前後の給与は珍しくない。ましてや東京勤務で7.5万バーツであれば、給与面だけを見れば決して好待遇とはいえない。
タイ国内でも引く手あまたといえる優秀な日本語人材が、なぜランドハウジング社の求人に興味を持ったのか?
今回、事前にセミナー参加者へ以下の項目についてアンケートを行った。

  • なぜランドハウジングで働くことに興味がありますか?
  • 何年くらい日本で働きたいですか?
  • なぜ日本で働きたいのですか?
  • 日本で働くにあたって不安なことはなんですか?(住まい、食べ物、治安、友達関係など)

それではそれぞれの回答を見てみよう。

なぜランドハウジングで働くことに興味がありますか?

landhousing wakuwaku

何年くらい日本で働きたいですか?

landhousing wakuwaku

なぜ日本で働きたいのですか?

  • 日本語能力を活かしたい 35%
  • 日本で生活したい。日本に憧れている 30%
  • 留学経験があるから 25%
  • 日本人の働く文化を知りたい 15%
  • 日本の文化に興味がある 15%

日本で働くにあたって不安なことはなんですか?(住まい、食べ物、治安、友達関係など)

  • 住まい 25%
  • 人間関係 20%
  • 金銭面 10%
  • 職場 10%

アンケートは以上。

それぞれの回答結果を見ると、現在タイで働いているタイ人日本語人材の方々は、自身の日本語能力を活かす場として、機会があれば日本で働くことを希望している方が多いようだ。
それにしても、たった1名の枠にこれだけの応募者があるということは、日本への就職・転職情報をタイ国内で探すことは難しいのだろうか?

日本の求人情報は入手しづらい

越氏曰く、タイ人の海外就職は、Facebookグループで探したり、友人の紹介がほとんどで、タイ人向けの海外就職・転職サイト的なものは存在していないという。

在日本の留学生や現職にあるタイ人であれば、大学からの紹介や日本国内の転職サイトで日本人と同じように就職・転職活動を行うケースが多いが、在タイのタイ人にとっては、日本の求人情報というのはかなり貴重な情報ということなのだ。
だから、今回のランドハウジング社の求人に80名以上も応募したということなのだろう。

実はランドハウジング社の事例のほかに、WakuWakuが昨年に二度に渡り開催したタイ人日本語人材に特化した就職フェア「WakuWaku Job Fair」でも、タイ人の日本就職熱を感じさせる事例があった。

北海道の老舗洋菓子メーカー・ルタオの事例

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Photo : 【WakuWaku Job Fair】出展企業 KCC(ルタオ) 様の事例 | WakuWaku Blog

北海道の老舗洋菓子メーカーのルタオが、急増するタイ人観光客への接客対応を目的とし、タイ人販売員を採用するためWakuWaku Job Fairにブースを出展した。募集要項と結果は以下のとおり。

  • 勤務地:北海道小樽市
  • 条件:給与50,000B、年間休日105日、日本語検定2級以上
  • 1回目 3名枠に100名応募
  • 2回目 最低2名、最高8名枠に150名応募

日本語人材にとっては決して好待遇とは言えない条件にもかかわらず、各回20〜30倍という驚異的な応募倍率となった。
志望動機は「旅行で北海道に行き、北海道に住みたい、働きたいと思った」というのが最も多かったということで、訪日旅行が日本就職のきっかけとなっていることは間違いない。

在日本企業のタイ人日本語人材の採用手段

それでは採用する側の企業の視点で見ると、日本でタイ人日本語人材を採用したいと考えた場合、どのような手段があるのだろうか?

これまで日本でのタイ人日本語人材は、留学生を採用するのが一般的だった。数少ない優秀な留学生を奪い合う構図になっており、一流企業や大企業でなければ優秀な留学生は採用できないという状況が続いていた。
留学生に集中していたのは、新卒一括採用という企業側の都合もあると思うが、在タイの優秀な日本語人材にリーチする手段がなかったということも理由のひとつだろう。

だが、当たり前の話だが、日本よりもタイの方が日本語人材の母数は多い。それだけ優秀な人材を採用できる可能性も高いということになる。
事実、大企業ではないランドハウジング社でも、これだけの優秀なタイ人日本語人材の応募を集めることができたのだ。
今後、日本側でタイ人日本語人材の採用を考える場合、留学生だけでなく、在タイのタイ人も候補に組み入れることが当たり前となっていくだろう。
越氏によれば、優秀な人材を求める企業にとって国境を超えた人材獲得は益々重要性を帯びてくるという。

優秀なタイ人日本語人材を採用するならWakuWakuへ

wakuwaku

http://waku.jbtalents.com

 

 ウェブサイト上のマッチングサービスだけではなく、前述の「WakuWaku Job Fair」という就職イベントを開催したことで、タイの日本語人材市場で一躍知名度を得たWakuWaku。

日本語人材に特化した就職フェアでは、すでにタイ最大の規模のイベントとなっている。
ランドハウジング社、ルタオの2社の求人にこれだけ多くの応募が集まったのは、企業側の魅力はもちろんだが、WakuWakuの集客力に依るところも大きい。

それではWakuWakuと人材紹介会社や求人サイトとはどういった違いがあるのか? 以下は、WakuWakuと人材紹介会社や求人サイトを比較した図だ。

wakuwaku

人材紹介会社との比較では、「費用面で1/10以下」という圧倒的な採用コストの削減が可能となる。
求人サイトとの比較では、「日本語人材に特化」という専門性で強みを持っている。

「わずか数千バーツの費用」で、「豊富な日本語人材候補から選別できる」、さらには「就職フェアで多くの求職者とコミュニケーションを取る機会も提供している」、というこれまでにない日本語人材の採用プラットフォーム、それがWakuWakuなのである。

WakuWaku Job Fairが開催!

来る5月29日、今年初めてとなるWakuWaku Job Fairが開催される。すでに日本からの出展企業も決定済みである。詳細は以下のとおり。

  • イベント名:WakuWaku Job Fair
  • 日時:2016年5月29日(日) 13:00~16:30
  • 会場:Sheraton Grande Sukhumvit
  • 予定来場数:100名(日本語検定1級、2級保持者、留学経験者、日本人)
  • 参加企業:20社(ブースはほぼ完売済み)
  • 共催:JCAREER (Jeducation)
  • HP:http://waku.jbtalents.com/en/expo/employers

一流大学の日本語能力検定1級、2級保持者や、日本留学経験者が多数参加する。
優秀なタイ人日本語人材の採用を検討している企業にとって、絶好の機会になるだろう。在タイの日系企業だけでなく、在日本の企業もこのWakuWaku Job Fairへの出展を検討してみてはいかがだろうか。
ブース出展等、WakuWaku Job Fairについてのお問い合せはこちらから。
http://waku.jbtalents.com/en/expo

考えてみれば、僕が今タイで働いているのも旅行でタイに来たことがきっかけだった。旅行で日本を訪れ、日本に興味を持ち、日本で働きたいと考えるタイ人が増えるのはごく当たり前のことかもしれない。
今回ご紹介した2社の事例を見て、今後間違いなく日本で働きたいと考えるタイ人は増えるだろうと確信した。
在タイ、在日に関わらず、優秀なタイ人日本語人材の採用をお考えの企業は、一度WakuWakuに問い合わせてみることをお勧めする。
WakuWakuへの問い合わせはこちら。
http://waku.jbtalents.com