先日、こちらの記事でもお伝えしたとおり、2015年1年間に日本を訪れたタイ人観光客の総数がJNTOより公表された。2015年は、79万6700人となり、2014年の65万7,600人に対して21.2%増加した。

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直近10年間の訪日タイ人客数の推移

thai inbound 10 year

上のグラフのとおり2012年からの増加は凄まじく、あと2〜3年で年間100万人に到達しようかというところまで来ている。タイ人の日本旅行ブームは留まることを知らず、まさに“沸騰”していると言っても良い状況だ。
一年を通じて東京、関西、九州、北海道、沖縄など全国各地でタイ人観光客の姿を見かけるようになった。昨年は、タイ人観光客による“爆買い”もメディアで話題になるほど、タイ人観光客は消費の面でも注目度が高まっている。
それではタイ人観光客は、日本旅行での消費額は一体、どの程度なのだろうか? 観光庁による最新の訪日外国人消費動向調査(平成27年10-12月期)の調査結果を元にご紹介しよう。

訪日タイ人観光客の消費額

2015年10〜12月に訪日したタイ人1人当りの旅行支出額と人数は、以下のとおり。

  • 訪日タイ人1人当たり旅行支出:139,131円(前年比4.8%減)
  • 訪日タイ人数:255,601人(前年比14.3%増)
  • 訪日タイ人旅行消費額:356億円(シェア1.9%、前年比8.8%増)

旅行支出内訳は以下のとおり。

  • 宿泊料金 39,372円
  • 飲食費 23,917円
  • 交通費 19,345円
  • 娯楽サービス費 5,294円
  • 買物代 50,621円

旅行支出の中で、「買物代」が最も多いという結果。タイ人観光客は、飲食費や宿泊費を抑えて、買物代に充てているのだ。それだけ消費意欲が高いということが伺える。
それでは、タイ人観光客はどのようなモノを日本で買っているのだろうか?

タイ人観光客は日本で何を買っているのか?

thaijin
二木の菓子(上野・アメ横)で抹茶味のお菓子を買いだめするタイ人観光客

Yindeedマガジンでは、過去数回にわたりタイ人観光客が日本でどんなモノを買っているのかということについてご紹介してきた。

タイ人観光客には、化粧品やお菓子が人気があり、ドラッグストアやディスカウントショップでは、“爆買い”するタイ人観光客の姿も少なくない。タイ人観光客に人気のあるお店では、タイ語の看板やPOP、メニューを設置しているケースもあり、タイ人にも好評のようだ。
ただ、急増する外国人観光客に対して、英語での対応もままならない中で、日本人スタッフがタイ語に対応するのは簡単なことではない。
外国人観光客への対応が追いつかない店舗や企業からは、以下のような声が上がっている。

外国人観光客への対応に苦慮する店舗の声

kabukicho外国人観光客が集まる新宿歌舞伎町

中国人観光客のお客様が殺到するため、中国語が堪能な接客販売員を探している。 

インバウンドのお客様を専属で対応できる外国人スタッフを探している。 

外国人観光客のお客様に商品説明ができなくて困っている。

それでは増え続ける外国人観光客に対し、企業や店舗側ではどのように対応していけば良いのだろうか。
東京で外国人人材に特化した人材派遣・紹介事業を展開する株式会社グローバルパワーに、外国人観光客への接客・販売対応について話を聞いてみた。

グローバルパワー社へのインタビュー

global power株式会社グローバルパワー 社長室長 小林史直氏

ー日本各地でタイ人観光客が急増し、嬉しい悲鳴も聞こえる中で、対応に苦慮する企業・店舗も少なくないと聞いています。外国人人材の派遣を行う御社にもご相談は多いのではないでしょうか?

小林>2014年後半から外国人を採用したいというインバウンド関連の求人依頼が増加してきました。2015年はインバウンド関連求人が半数を占めるという状況になっています。

ー外国人観光客への接客・販売について、店舗・企業側ではどのように対応していけば良いのでしょうか?

小林>今、日本全国が“インバウンド、インバウンド!”と盛り上がっていますが、インバウンドと一言で言っても、観光客の国籍は様々です。英語圏のお客様が多いお店もあれば、タイや台湾からのお客様が多いお店もあります。特定の国からのお客様が多いお店の場合は、その国の接客販売員を採用して特定国のお客様に対して適切な対応することによって売上が上がるといったケースが多く見られます。

ー確かに、外国人接客販売員を採用した方が良いということは分かりますが、店舗側としては人件費が気になるのではないでしょうか?

小林>前提として、派遣会社を活用する場合、日本人の派遣社員と外国人の派遣社員とでコストが大きく変わることは基本的にはありません。また、外国人でも、日本人のお客様とも上手にコミュニケーションをとって接客できる日本語レベルの方も多いです。
実際に外国人接客販売員を採用した弊社のクライアント様からは、人件費以上に売上に貢献できるというお声をいただいています。タイ人に非常に人気のあるブランド店に、弊社からタイ人の接客販売員を派遣しているのですが、タイからのお客様に好評と聞いています。
タイ人スタッフがいることで、お客様も安心して買い物を楽しむことができます。そういったお客様がリピーターになったり、口コミを広げてくれたりすることで、更なる売上増につながっていきます。

なるほど、“タイ人客にはタイ人スタッフを”ということである。それではタイ人のお客さんはどのような傾向があるのか? グローバルパワー社のタイ人接客販売スタッフに話を聞いてみよう。

実際に働くタイ人接客販売員へのインタビュー

thai-staff

ータイ人のお客様には、どんな特徴がありますか?

タイ人スタッフ>タイ人は、明るくて、親切で、いつも笑顔でいる人が多いです。タイで口コミサイトやFacebookなどを事前に見ていて、何かを買おうと思って決めてご来店されるお客様が多いと思います。また、買い物中にLINEのビデオ通話でタイの家族や友人と相談しながら品物選びをしているお客様が多いです。
私は普段靴を販売していますが、一人あたり2~3足くらい買っていきますし、多いお客さんは一人で5足くらい買っていきます。
家族や友達への贈り物は迷わずに買うことが多いですが、自分のものだと10分~30分くらいどれを買おうか考えるお客様が多いように思います。

ータイ人のお客様への対応で、気をつけなければならない点はありますか?

タイ人スタッフ>タイ人だけではないと思いますが、ご来店いただいたら、笑顔でご挨拶を差し上げると喜ばれると思います。タイ人は、積極的に商品をオススメしたりするよりは、迷っていそうだなという時にお声がけする方が喜ばれます。私は普段靴を販売していますが、迷っていそうであれば、どういうモデルがほしいのかを聞いて、なければ似たようなモデルをお勧めするようにしています。あと、タイ人はおしゃべりが好きなので、試着中や会計時などに「滞在中にどこに行くんですか?」とか「日本食は何を食べましたか?」とか聞きながら接客すると喜ばれます。
また、タイ人は非常に値段を気にしていますので、セール品をご案内したり、タイとの値段の違いをお伝えしたり、免税前の金額と免税後の金額を明確にお伝えしたりすると喜ばれます。

タイでの接客は店員と世間話をすることが当たり前であり、そのようなフレンドリーな接客が日本でも好まれるということのようだ。また、タイとの価格差を明示することが喜ばれるというのも納得できる。

外国人人材派遣・紹介のパイオニア グローバルパワー

global power

グローバルパワー社は、“日本語がベラッベラ”の優秀な外国人を企業に派遣・紹介する外国人人材派遣・紹介のパイオニアだ。これまで様々な企業・店舗へ外国人人材を派遣してきた。その事例の一部をご紹介しよう。

高級腕時計店(日本人でもなかなか販売することが大変な数百万円する高級時計を、春節期間に弊社中国人スタッフが一日平均2本販売。)

カジュアルカバンメーカー(中国人派遣スタッフの導入後、月間売上が1.5倍伸びた。) 

百貨店(日本初の日英中トリリンガル・インフォメーションとして話題に)

2004年の創業から10年以上、多くの企業に外国人を派遣・紹介を行ってきたことで、外国人人材の採用からマネージメントまで、他社にないノウハウを有していることが同社の強みになっている。
初めて外国人を採用するにあたり、「うまくマネージしていけるか?」と不安を感じる方がほとんどだろう。だが、一度優秀な外国人を採用してみると「もっと早く採用しておけば良かった」と増員の依頼を受けることも多いという。
外国人観光客に対する接客販売に課題を抱えるあなたにとって、グローバルパワー社はまたとないパートナーとなるだろう。
悩む時間があれば相談した方が解決に近づくことは言うまでもない。
2月の春節、4月のタイ旧正月など、アジア圏からの観光客が日本に押し寄せる時期が間もなくやってくる。外国人観光客からの更なる消費、満足度の向上に、今年こそ本気で取り組んでみてはいかがだろうか。

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