2011年4月にタイに来てから4年半が経った。タイで初対面の方とお話する時に、ほぼ必ずと言っていいほど話題になることがある。それは、「なぜタイに来たのか?」ということだ。
駐在員、現地採用、起業家。立場は違えどタイに来た理由は人それぞれであり、そこには十人十色のストーリーがある。僕がタイに来たのは、東京でサラリーマンとして働いていた2010年に、10年振りに旅行でタイを訪れたことがきっかけだった。
サイアムやチットロム、スクンビットで目の当たりにしたタイの著しい経済成長。2010年当時でも、タイの若者の多くがiPhoneを持ち、大戸屋はタイ人で満席だった。10年でここまで変わるのかと、浦島太郎になった思いだった。
今の日本にここまで急激に変化する都市はない。この経済発展の熱気渦巻くバンコクの姿を目にした時、「自分もこの活気の中に身を置きたい。そして将来事業を興し、アジアで勝負をしてみたい」、そう強く思った。
当時の僕は30歳という節目の年齢。今後40歳までの10年間をどう生きようかと考えていたところだったこともあり、「これからの10年をアジアで生きる」という選択肢はとても魅力的だった。
自分にいきなり起業する力はない。まずはタイで現地採用の会社員として働いてみよう。そう思い、帰国後、早速タイでの就職や現地採用として働く日本人の暮らしぶりについて、書籍、ネットを問わず片っ端から調べた。
もちろん一番知りたかったのは、タイの日本人向け求人情報だ。

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日本でタイの求人を探していた時に感じたこと

rikunavi
リクナビネクスト

日本では、リクナビやエンジャパンなど大手の転職サイトで求人を探すのが当たり前であり、当然タイにも日本人向けの求人・転職サイトがあると思っていたが、見つけることができなかった。
現地の人材紹介会社のウェブサイトでは、企業名が掲載されておらず、どんな企業の求人なのか詳細が分からない。また、直接企業の求人にエントリーすることができない仕組みになっていた。
企業名が掲載された求人情報は、バンコクのフリーペーパーのウェブサイトや一部の海外就職向けの転職サイトで掲載されていたが、いかんせん求人掲載数が少なすぎる。
なぜタイには、求職者が自ら企業の求人にエントリーできたり、企業側からオファーを受けられるという日本では当たり前の求人・転職サイトがないのか? 当時、求職者のひとりとして、そう疑問を感じていた。日本に居ながらにして、タイで働くための就職活動には困難を感じていた。
情報が少ない中でも、ひと通りタイの日本人向けの求人に目を通すと、営業職でタイ語か英語ができれば仕事は見つけられそうだということだけは分かった。英語もタイ語もできないが、営業職ならなんとかなるはず。それならタイに渡ってしまおうと決意し、タイ旅行から戻った2ヶ月後には会社に退職届を提出していた。
バンコクに来てから就職活動をするつもりでいたが、たまたまタイへ立つ直前に知人から紹介を受けたバンコクの編集プロダクションの営業職に就職が決まり、2014年9月までの3年半その編集プロダクションにお世話になった。

タイ現地における日本人の就職・転職活動の現状

asoke sukhumvitバンコクの新たなビジネスの中心地になりつつあるアソーク・スクンビット

バンコクに来てから現地で知り合った友人にどうやって就職・転職活動をしたのか聞いてみると、やはり現地の人材紹介会社に登録をして紹介してもらったという意見が大半だった。転職サイト経由で就職したという人にはほとんど出会わなかった。
タイ在住の日本人は6万人を超えていると言っても、そのほとんどは駐在員であり、転職ニーズはそう多くはない。日本人向けの転職サイトというのはニッチ過ぎて参入する企業がいなかったということだろう。
日本では転職サイトに登録して、求人情報を検索したり、スカウトを待つということが当たり前にできるが、タイでは転職活動をしようと思ったら人材紹介会社に登録をする必要がある。バンコクの狭い日本人社会では、友人や知人に見られるかもしれない、そう思うと人材紹介会社のドアを押して転職相談をすることは少し勇気がいる。
だが、転職するかどうかはまだはっきりと分からないが、どのような求人があり、自分はどの程度の市場価値があるのかを知りたいというニーズは少なからずあるだろう。
僕のように日本でタイの求人を探している方、そしてタイ現地で就職・転職を考えている方にとって、日本の転職サイトのようなサービスを待ち望む声は確実に存在していた。

そしてついに今年10月、タイ初の日本人向け求人に特化した転職サイト「WakuWaku(ワクワク)」がオープンしたのだ。

タイ初の日本人向けの求人に特化した転職サイトWakuWakuとは?

wakuwaku

WakuWaku日本人向けウェブサイト

 

WakuWakuとは、タイで就職・転職をしたい日本人のための転職サイトである。大きく以下6つの特徴がある。

①タイの日本人向けの求人に特化!
  • 現地の転職サイトではタイ人向けの求人情報に埋もれ、検索が難しかった日本人に特化した求人情報が集まっている。
②企業の顔が見える!
  • どんな企業の求人なのか詳しく書かれているのでより具体的にイメージできる。
③求職者自ら求人にエントリーできる!
  • 同じ業種でのキャリアアップから、新たな分野での挑戦まで、自分で職を選ぶことができる。
④企業の採用担当者へ直接連絡(チャットやメール、電話)を取ることができる!
  • 採用担当者とのやりとりを通して、新しいポジションや住環境をしっかり理解して、就職活動を進めらる。
⑤企業側も直接求職者へオファーを出すことができる!
  • 自社が求める人材に企業自らオファーできるので効率の良い採用活動を行うことができる。
⑥求職者はWakuWaku担当者と面談もできる!
  • タイでのビジネス経験豊富な担当者とSkypeや現地で面談を行うことができる。

これらがすべてネット上で完結する。日本から見ると当たり前のことに思うかもしれないが、タイ現地での日本人向けの就職・転職市場では、初めてとなるサービスだ。特に日本からの求職者にとっては、⑥のSkypeでWakuWakuの担当者と面談ができるというのは大きな魅力ではないだろうか。僕も5年前、日本で求人を探していた時にこのサービスがあれば絶対に利用していたと思う。
求職者側、求人企業側の双方のニーズに応えるタイ初の日本人向けの就職・転職プラットフォーム、それがWakuWakuなのである。

実はこのWakuWakuは、タイ人の日本語スピーカー向けの就職フェアから生まれたサービスである。WakuWakuを運営するTalentEx社が今年5月に、タイの日本語人材に特化した就職フェア「WakuWaku Job Fair」を開催。日本語人材を求める50社の日系企業が出展し、850名ものタイ人日本語スピーカーが来場。タイの日本語人材の就職市場において大きな注目を集めた。
そしてこの「WakuWaku Job Fair」の第2回目が、11月14日(土)、15日(日)に開催される。今回は、タイ人日本語スピーカーだけでなく、タイで働きたい日本人求職者も対象とした就職フェアとなる。

WakuWaku Job Fair 2015 Autumn

wakuwaku job fair第1回目WakuWaku Job Fairの様子

WakuWaku Job Fairの第2回目の詳細は以下の通り。今回は、50社の企業が参加し、1,500名以上の参加者を見込んでいる。

※WakuWaku Job Fair 2015 Autumnは、日本人求職者も多数来場し、盛況のうちに終了いたしました。

レンブラントホテル地図

なぜ日本人向けの就職・転職サービスも始めたのか?

koshi talentexTalentEx社CEO 越 陽二郎(こしようじろう)氏

WakuWakuを運営するTalentEx社の越CEOに、なぜ日本人向けの就職・転職サービスを始めたのか話を聞いてみた。

なぜ日本人向けのサービスを始めたのか?

越氏:日本人向けのサービスを始めた理由は、企業側と求職者側、双方に求められていると感じたからです。

企業で日本人の需要が高まっている2つの理由

越氏:まず企業側では、以下2つの理由で日本人の需要が高まってきています。
1つはタイ人日本語人材の給与が高まり、日本人と違和感なく話せる語学熟練者の給与があまりにも高騰していることが挙げられます。日本人の顧客・取引先への対応として日本語は必要だがタイ語は不要、という場合にタイ人よりも日本人を雇用した方が育成・リテンションがしやすくトータルコストでみると安くなってきた、ということです。
もう1つは、日系トップ企業のグローバル化が進み、社内の英語化が進んだ結果、タイ人従業員は英語が必須となり日本語は不要となる会社も多く出てきていることが背景にあります。そのような会社ではタイ人日本語人材の需要が減る一方、日系企業進出は続いており、取引先の日本人への対応にどうしても日本人が必要なため、日本人が採用したい、という傾向が増えてきているのです。

求職者側が転職サイトを求める理由

越氏:求職者側では、転職活動をする上で、「100%転職の意思を決めて人材紹介会社に行くほど気持ちは固まっていない。けれど今の自分にどんな機会があり得るのかをネットでみる、もしくは身元は伏せて登録してスカウトを待つことができるなら試してみたい」という需要があります。また、企業の顔が見える求人情報を求める声も多いのです。
私も自分が駐在員のとき、同じような気持ちを抱いていました。それが全てではないですが、自分の経験もあって応えたいニーズの一つです。

タイで就職を考えている方へ、越さんからのメッセージ

wakuwaku job fair写真中央グレーのジャケットが越CEO

越氏:私自身、帰国子女の生い立ちから海外で働きたいと思い、東京とは全く異なるライフスタイルの東南アジアに駐在員として赴任し、そこからより自分の力を目一杯使うチャレンジがしたい、と独立を決意して今の会社を起こしました。
そこには家族・社員の幸せから、海を越えて日本人の誇りを賭けて戦うことへの自負、学生時代にボランティアで訪れていたタイ・東南アジアに違う形での貢献をしたいという想いなど、自分にとっての大切なことがぎっしり詰まった人生を歩むことへのこだわりがありました。まだまだ道半ばですが、多くの方が自分の人生において大切にされていることを守り、貫けるよう、事業を通してサポートしていきたいと思います。

タイ就職への第一歩はWakuWakuから

僕がタイで働きたいと日本で考えていた時、もちろん不安がなかったわけではなかった。日本での仕事や待遇にも満足していた。30歳になり、これから人生で最も脂が乗る時期である30〜40代にタイでキャリアを積むということが、はたして正解なのだろうかと、毎日のように自問自答していたことを覚えている。だが、一度芽生えた「タイで働きたい。タイで勝負したい」という想いは抑えることはできなかった。後悔するか、しないかは、その後の自分の行動次第。そう言い聞かせ、タイで働くことを決断した。
今、タイでの就職・転職に関して悩んでいる方は、自分の気持ちにだけは嘘をつかず、決断をしてほしいと思う。
今ではこのWakuWakuのおかげで、1人で悩む必要もなくなった。ぜひ、悶々と悩む前にWakuWakuに登録してみよう。
タイ就職への第一歩は、ここから始まるはずだ。
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