現在、バンコクで最も注目を集めるスタートアップ企業の一つ、Flare (Thailand) Co., Ltd.。自家用車を活用したラッピング広告ネットワークシステム「Flare」を展開する創業2年目のベンチャーだ。
今年5月にはベンチャーキャピタルなどから資金を調達。急成長に向けてアクセル全開というタイミングで、同社初となる日本人営業職の募集を開始した。
同社の創業者である二人の日本人、神谷和輝CEOと佐藤拓馬COOとは、彼らがタイに来たばかりの頃からの付き合い。
彼らがタイに来て、早5年。当初、バンコクに知り合いは皆無だった神谷氏と佐藤氏。今ではタイのスタートアップ業界で彼らのことを知らない者はいない。
左:佐藤COO、右:神谷CEO
二人がタイで起業したのは、Flareが二社目になる。
一社目から通じて、バンコクで日本人の「営業職」を募集するのは今回が初。
彼らから「日本人の営業職を募集します」と聞いた時、「これは勝負どころに違いない」と直感し、少しでも良い人材の応募があればと思い、今回彼らの募集記事を書かせてもらうことにした。
ただ募集要項を載せるだけではつまらない。応募者とのミスマッチが起こらないよう彼らのことを少しでも知ってもらうため、彼らがタイに来てから何をやってきて、どこに進んでいくのかを併せてお伝えしたい。
2013年来タイ、HUBASIAを創業
2014年にTLPを取り上げた記事
神谷氏と佐藤氏がタイに移住したのは2013年。1988年生まれの同級生である彼らは当時25歳だった。
移住後すぐにHUBASIA Co., Ltd.を創業し、オンラインタイ語学校「TLP」と翻訳事業を展開。8ヶ月で黒字化を果たす。
当時、僕はまだ独立前。フリーペーパーを発行する編集プロダクションで営業職に就いていた。
ある日、彼らから「バンコク在住日本人の集客で相談したい」という問い合わせが入る。これが彼らとの出会いだった。
日本では株式上場関連の仕事に就き、100社以上のベンチャー企業を担当していた僕は、彼らが奮闘する姿を見て、当時を思い出すと共に、「自分も勝負しなければ」と奮い立たせられた。
タイでは知り合いは皆無であったが、持ち前の突破力とスピード感で二人は見る間にタイのスタートアップ業界で頭角を現す。
2017年、Flareを起業し、エンバシーピッチに登壇
エンバシーピッチ事務局(上段左端が神谷氏)
タイの日系スタートアップ業界の中心人物になりつつあった二人だが、さらにその知名度とネットワークを拡大させる機会が訪れる。
在タイ日本国大使館主催によるタイのスタートアップ企業と日タイの大手企業をつなぐことを目的としたピッチイベント「Embassy Pitch(エンバシーピッチ)」の立ち上げメンバーに抜擢されたのだ。
2016年に開催されたエンバシーピッチについては下記の記事を参照いただきたい。
2017年6月には、タイで2社目となるFlare (Thailand) Co., Ltd.を創業した。
Flare創業の背景については、下記の記事が詳しい。
自動車ラッピング広告ネットワーク「Flare」とは?
念のためFlareのビジネスモデルについて簡単に説明しておこう。
誰でも自動車にラッピングされた広告を目にしたことがあると思うが、Flareはそのラッピング広告の配信ネットワークだ。
は、配信ネットワーク?!
ピンと来ない人のために説明しよう。
これまでのラッピング広告は、いつ、どこで、どれくらい、その広告が見られたのか(=インプレッション)を集計する術を持っておらず、広告効果を測定できないことが課題だった。
Flareは専用のアプリを開発し、ラッピングされた車両に搭載。独自のアルゴリズムで広告のインプレッションを集計する。
広告主の管理画面上ではリアルタイムでラッピングカーがどこを走っているか、インプレッション数がどう推移しているか、予算消化も含め把握が可能になった。
さらに、企業から受け取った広告費の一部はドライバーに報酬として還元される。
神谷氏にFlareを立ち上げた想いを聞くと、こう答えた。
交通広告の効果測定を可能にしただけでなく、渋滞をお金に変えてしまう。
Flareが革新的なのは、双方にメリットがある仕組みを構築したことだろう。
渋滞のイライラが減れば、事故も減る。
Flareの登場によって事故で亡くなる人が一人でも減るかもしれない。
バンコクだけでなく、タイ、そして世界に広がれば、その効果は計り知れないだろう。
Flareはそんな可能性を秘めたサービスなのだ。
2018年5月、ベンチャーキャピタルなどから資金を調達
第2回エンバシーピッチに登壇した神谷氏
Flareの創業直後である2017年7月には、第2回エンバシーピッチが開催。ここで神谷氏はタイの日系スタートアップ企業を代表してピッチへの登壇を果たす。
このときの様子は、佐藤氏が寄稿した記事が詳しい。
そして今年5月、KLab Venture Partners と Framgia Holdings から資金を調達。いよいよ急成長への舵が切られたのだ。
Flareのサービス開始は2017年8月。以降、順調に成長を続け、現在の登録車両台数は6,500台。
広告主は、コカ・コーラ、コンバースなど外資大手からBCPG(石油精製大手)といった現地大手まで幅広い。
今回募集する日本人営業職は、広告主の新規開拓やメンテンス、タイ人営業スタッフの管理を担当することになる。
二人のもとで働き、起業した日本人インターンの声
若目田 大貴氏
日本人の営業職を募集するのは初めてとお伝えしたが、彼らはHUBASIA時代に営業担当としてインターンを採用したことがある。
現在、名古屋市のスタートアップ経済新聞「Nagoya Startup News」を運営する若目田 大貴氏もそのひとりだ。
若目田氏は、名古屋外国語大学在学中の2015年6月から8ヶ月間、HUBASIAでインターンとして勤務。帰国後、在学中に22歳の若さで名古屋スタートアップ株式会社を起業した。
若目田さん、ご協力ありがとうございました!
名古屋のスタートアップ情報ならNagoya Startup News!
Flareで働くイメージが少しずつ掴めてきただろうか?
いよいよ募集要項をお伝えするが、その前にオフィスと周辺環境について紹介しておこう。
勤務地はバンコク最大のビジネス街サトーン
高層ビルが林立するサトーン地区
あなたが働くFlareのオフィスは、バンコク最大のビジネス街であるサトーン地区のド真ん中に位置している。
東京でいえば丸の内のような街だ。
サトーン通り
最寄り駅であるBTSチョンノンシーからオフィスまでは徒歩7分ほど。駅前にはタイ最高層のマハナコンがそびえ立っている。
駅周辺には飲食店も多く、ランチや仕事帰りの一杯には事欠かない。もちろん、フィットネスクラブもある。
日本のオフィス街に勤務するのと変わらないスタイルで日々を過ごすことができるだろう。
Flare社オフィス
オフィスも今どきのベンチャーという感じ。日の光がたくさん差し込む明るいオフィスだ。
日本人エンジニアの宮田氏とタイ人営業スタッフ
さて、前置きはここまで。
日本人営業職の募集要項をお知らせしよう。
日本人営業職(正社員)募集要項
- 雇用形態:正社員
- 募集職種:営業マネージャー
- 勤務時間:10時〜19時(ランチ休憩 / 1時間)
- 勤務地:バンコク都サトーン地区
- 地図:https://goo.gl/maps/Azvhi7sKWPo
- HP:https://flare.run/
- Facebook:https://www.facebook.com/pg/flare.runTH
待遇
- 給与:60,000〜100,000B/月
- 休日:土日、タイの祝日
- 有給休暇:年6日
- ビジネスビザ、ワークパーミット支給
- 営業コミッション制度あり
- 休日出勤手当あり
- ランチ代補助(50THB / 出勤日)
- 交通費支給(2,000THB)
- 社会保険
- 健康診断(1回/年)
主な業務内容
- タイ人営業チームのマネージメント
- タイ人営業の補佐
- 広告クライアントの開拓
- クロージング
- 営業戦略立案
必須の経験とスキル
- ビジネスに支障のないレベルの英語もしくはタイ語スキル
- 日常会話レベルのタイ語スキル
- 営業経験(2年以上)
あったほうがベター
- 海外での営業経験
- 営業チームのマネージメント経験
神谷氏からあなたへのメッセージ
応募方法
下記Eメールに履歴書(和文。英文あれば尚良し)を送付。
- Eメール:hr@flare.run
「Yindeed見た」で面接交通費支給!
まるで飲食店のようなプロモーションだが、「Yindeedを見て応募した」旨を伝えてもらえれば、面接にかかる交通費が支給される。
日本からの往復航空券代も!とお願いをしたが、それはさすがに却下されてしまった。(笑)
明石からのコメント
急成長中のベンチャーというと労働基準法なんて眼中にないブラック企業をイメージしがちだが、タイでそれをやるとタイ人は絶対に採用できないし、すぐに辞めてしまう。
彼らの友人だから言うわけではないが、Flareは結構なホワイト企業。
残業はないし、土日も休める。(誇るほうがおかしいのかもしれないが…)
そのかわり、結果にはシビア。
目標設定がユルいわけではないので、我こそは!という自信がある方のみ応募すべきだろう。
神谷氏と佐藤氏、どちらも人間味溢れるナイスガイだ。
彼らがタイからアジア、そして世界へと打って出ることを楽しみにしているのは僕だけではないはず。
ぜひあなたの力でそれを実現に導いてほしい。